RFC さんの感想・評価
4.8
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
良かったんだけどもっと魅力を引き出せたのでは?(厳し目)
SAOを見て超絶期待で視聴したSAO2。
SAOの時と違うのはラノベを読破してから視聴した点です。
【作品概要】
SAO2に含まれているのは
➀ファントムバレット
SAO脱出後から関係のある総務省の役人
「菊岡」からの依頼で、ネットゲーム
「ガンゲイルオンライン」に調査目的で
コンバートすることになったキリト。
GGOはガンゲーの世界でありながら剣技で挑みます。
過去に大きな傷を背負った女性スナイパー
「シノン」と共闘することになります。
➁キャリバー
キャリバーはSAOのいつものメンバーに
シノンを加えたパーティーでエクスキャリバーを
取りに行く物語です。
基本的にシノンの可愛さが際立つお話です。
トンキーのエピソードは原作ではフェアリィダンスの
ユージーン将軍との一騎打ちの後に入るものでしたが、
尺の都合上ここでぶっこんできました。。
尚、キリトの髪形がかツンツンからナチュラルに
変わったのはユイが座りにくいからだそうです
➂マザーズロザリオ
ALOに突如現れた最強剣士「絶剣」ことユウキ。
彼女はデュエルに11連撃のオリジナルスキルを掛けます。
キリトを始め腕に自信があるALOプレイヤーが挑みますが、
ことごとく敗北。
アスナも興味を持ち、デュエルに挑みます。
その結果アスナはユウキの所属する
スリーピングナイツと言うギルドに
一時加入することになります。
と同時に、アスナの現実サイドでの問題も
初めて語られることになり、
彼女がそれらをどう乗り越えていくかが描かれています。
【作品に対する感想】
1)物語
➀ファントムバレット
弾丸を剣で弾くという異常な戦い方で
次々と猛者を葬っていくのは圧巻でした。
{netabare}
デスガンのファントムバレット(ありもしない、
仮想世界から現実の人間を殺す弾丸)により事件は始まり、
デスガンはシノンのファントムバレットがきっかけで
敗北する。上手いですね。
{/netabare}
ただ原作を知っているだけに、至る所で情報・説明不足が
気になりました。アニメ化するにあたり、
尺の関係上原作の心理描写や説明に関する文字情報を
ばっさり捨てる必要があったという話を
聞きました。これに関してはしょうがないですよね。
ただその結果、アンタッチャブルでの超回避や
BOBで見せた殺気を感知するハイパーセンスのくだりが
「よく分からないけどキリトSUGEEE」になっちゃいました。
あと、14.5話のデブリーフィングは
いわゆる「万策尽きた」なんでしょうけど
カットされた心理描写をシノンやキリトの視点で補足するなり
やりようはあったんじゃないかなと思いました。
➁キャリバー
重い話の間のお口直し。演出がイマイチで、
作品の魅力が半減していたと思います。
➂マザーズロザリオ
マザーズロザリオの主人公はアスナです(ですよね?)。
キリトは終始フォローに回っています。良い旦那です。
優等生の彼女もフェアリィダンスの頃のキリトのように
「現実にはなんの力もない」と苛まれていたわけですね。
結末を知っていただけにOP/EDだけで涙が出てしまいました。
2)声優
みゆきち…シノンの影を落とした感じがしっくりきてました。
悠木碧…奔放な感じがぴったりでしたね。
保志総一郎…デスガンに抜擢されたのは驚きました。
3)キャラ
ヒロインはシノン・ユウキ共に好感が持てました。
特にシノンはデザインを含めてかなり好みのキャラでしたね。
あとシウネーさんがいいキャラしてました。
4)作画
2期に入って映像はさらにきれいになりました。
特にGGOの背景の作りこみは尋常じゃなかったです。
キリトの光剣がまるっきりライトセイバーだったのに
笑いました。
(多分そうなるんだろうなとは想像してましたが)
1期の頃から気になってた「やたらお尻カットが多い」件は、
2期でさらに悪化しました(笑
5)音楽
音楽も相変わらずでシーンに見事にマッチングしています。
OP/EDは1期に続きヒロインの心の声でしょうか。
ファントムバレットの方はシノン、
マザーズロザリオの方はユウキ。
特に「シルシ」は屈指の名曲と思います。
6)好きなシーン
{netabare}
①シノン「この人殺しの手をあなたが握ってくれるの!?」
ずっと心に沈めていた感情を爆発させるシーン。
これが言えたから最後の「小さな一歩」に
繋がったんではないかと思います。
見ないフリをしているうちは
何も解決しないということですね。
なお海外の視聴者からは
「みんなを守った英雄が何でいじめられるの?」
って意見もあったりと、銃に関する社会環境で
色々違うものだなと考えさせられました。
②しのおねえちゃん、ママとみずえをたすけてくれてありがとう
ええ、涙腺崩壊です。
キリトはアキさんから言われたことを、
そのまま朝田さんに置き換えました。
強いシノンを作りだすのではなくて、これからは
朝田さん自身が過去のことと
向き合っていけるのではないでしょうか?
③ユウキ「ぶつからなきゃ伝わらないことだってあるよ」
大人になるほどぶつかることのリスクを恐れて
玉虫色の妥協点を探すようになります。
「私はいつからこんなにも臆病になったのだろう?」
私に冷や水を浴びせた一言でした。
④ボク、頑張って生きた…ここで、生きたよ…
ええ、涙腺崩壊です。
今まで何度も追い詰められて、自殺を考えたことも
多々あったのですが、
生きたくても生きられない人がいる中で、
自殺なんてありえない。
そう強く思わせてくれたシーンでした。
{/netabare}
7)チッガウヨ!ソウジャナイヨォ!なシーン
先に原作を読んだ弊害ですね。
自分の脳内にシーンの演出が出来上がってしまっていたので、
それと異なったシーンが違和感大でした。
{netabare}
①シノンのしっぽをつかんで「ふぎゃあ!」
えらい萌えカットになっててちょっと引きました。
普通にびっくりした感じで良かったかと
②スキルコネクト
説明不足でコネクトの異常性が
全然伝わってきませんでした。
簡単に右手と左手のスキルを交互に出せばいい
くらいの描写でしたが、違います。
先行したスキルのフィニッシュの態勢と次のスキルの
初動モーションが近いスキルしかつなぐことができません。
さらに手を切り替える際には右脳と左脳の感覚を
切り替える必要があり、タイムラグ0.1秒の誤差も
許されないという超絶シビアなものでした。
③エクスキャリバーを穴底に投げ入れるシーン
説明不足で視聴者側は
なんでキリトは剣を投げたのか、意味不明。
クエスト完了前で所有権を得る前のエクスキャリバーは
あまりに重すぎて、持ったままではとてもトンキーに
飛び移ることができないので、
仕方なく手放したというシーンでした。
シノンの弓によるキャリバーの回収も説明不足です。
矢に糸を繋げアイテムを回収する
このスキルの射程はせいぜい数メートル。
対し、シノンと落下する剣の距離は約200メートル。
ホーミングはありません。
矢の方向は風や重力でころころ変わります。
GGOで風の読みと弾道計算の鍛錬をしていた
シノンだからできた神技。
キリトのスキルコネクトに肉薄するものかと。
全員が「マジかっけー」と言ったのはそういう理由ですね。
④シノン「この剣を抜くたびに、心の中で私の事を思い出してね」
①と演出を逆にしてほしかったです。
このときのシノンはキリトをおちょくるために
あえて最上級の可愛いシノンを演じています。
ここはもっとあざとくしてほしかった。
そしてアスナ達女性陣の冷たい視線も。
グレネード10個分の破壊力を期待してただけに、
ちょっと残念でした。
ここはBOBの最後にグレネードをもらって爆死したシーンと
掛けているんですかね?
シノンから物をもらうと色んな意味で爆発するって。
⑤クラインがNPCの連絡先をゲットした時のリズ
「あんたのこと心から尊敬…」
え、そこはドン引きしてのセリフじゃないですか!?
納得しちゃいかんでしょ(^^;
⑥スペルブラスト
説明不足でこのシステム外スキルの異常性が
全然伝わってこないです。
高速で飛んでくるシングルホーミングのスペルの中心
1ドットを属性攻撃
(つまりはソードスキルでなければならない)で
迎撃するだけでも神技と言っていいと思います。
しかもソードスキルはシステムアシストがあるために、
剣を振りぬく速度を加減できません。
それだけの制約がある中でキリトは7つのスペルを
迎撃したわけです。
アスナやリーファも練習したけど断念せざるを得なかった
異常な技なんですよね。
⑦ユウキのエイズ発症の際の倉橋先生の見解の省略
「私は発症のきっかけになったのは、
彼女の心を傷つけた前の学校の保護者や教師の言葉だと
今でも信じています」
私個人としては、ここは絶対避けてほしくなかったです。
{/netabare}
SAOは劇場版が決定したようですが、
3期(かなり長くなりそう)をやってほしいですね。
いまだ語られていない茅場が本当にやりたかったこと、
ラフィンコフィンとの決着。
原作ももうすぐ完結しそうなので、是非完走してほしいです。