どらむろ さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
「赫奕たる異端」の続編。30年ぶりの仲間との再会、そしてテイタニアとのドラマ
装甲騎兵ボトムズ本編→装甲騎兵ボトムズ 赫奕たる異端、の続編で、50分弱のOVAです。
本編と赫奕たる異端を視聴済みでないと話が全く分からないので、ボトムズファンなのが視聴の前提かも。
※私のレビューは全部ネタバレ上等が前提ですが、本作は特に「ボトムズ未視聴かついつか視聴予定」の方はネタバレ注意です。
{netabare}『物語』
相変わらず、キリコのいく所いっつも戦乱に巻き込まれますなぁ…
いや~乱世乱世、むせます。
前作「赫奕たる異端」から3ヶ月後、かつての仲間たちと30年ぶりの再会を果たすキリコ。
…キリコは32年間コールドスリープしていたので、かつての仲間たちは年取ってます。
ボトムズ本編でのキリコと仲間達との絆を思い出すと、感無量です。
戦争から足を洗い、平穏で豊かな人生送れていて、本当に良かった…。
32年の幸福な人生歩めた仲間達を静かに見つめるキリコは、果たして何を思うのか…?
寡黙なキリコの、仲間を戦乱に巻き込むまいとする優しさと、家族との生活とキリコへの友情に揺れつつも義を貫くバニラの友情ドラマも熱かったです。
話は宗教結社の若き野心家やギルガメス軍の黒い稲妻旅団相手にキリコが無双!
いや~、相変わらず強いですねぇ。元祖一人旅団はキリコの事なのでは。
でも、前作「赫奕たる異端」はともかく、原作小説も読まないと、勢力関係や敵の思惑がイマイチよく分からないのが難かも。
パッツラー中将やクルトル・フランガー大佐などのバララント軍関係者もいないので、バララント側の事情が分からない。
終盤のハイライトはテイタニアのキリコへの想いと死別。
フィアナに次ぐボトムズのヒロイン格で交錯する想いがあったはず…
切ないです。
しかし…原作でのココナとの絡み(一度はキリコを愛した女同士の友情)が削られていたり、テイタニアがキリコを追ってきた経緯が急だったり(ここは赫奕たる異端で補完できるとはいえ)些か物足りない。
総じて、ボトムズシリーズの一幕に相応しいストーリーではありましたが、50分弱ではちょっと足りないです。
色々と削られているのは残念。でも仲間との再会と友情、テイタニアとの最期は名場面、そこを評価。
『作画』
キリコのAT(アーマードトルーパー)のバトルシーンは迫力満点、カッコイイです。
キリコはイケメンですねぇ。ココナ、50歳近いハズですが、若すぎませんかねぇ…?
『声優』
郷田ほづみさんのキリコのクールさは絶品ですね。
千葉繁さんのバニラは若い時も年取ってもイメージ崩れません。
富田耕生さんもいぶし銀でした。
川浪葉子さんのココナは若い頃そのもの…に見せて、母親らしさもバッチリ。
バニラとココナの娘ステビアは桑島法子さん、勝気な感じも合ってます。
本作黒幕のベスウッドの櫻井孝宏さんの、イケボだけどどことなく小物っぽさも良かった。
…そういえば「金色のガッシュ!」のサンビームさんと清麿が対決してますw
また本作には未登場ですがフィアナの弥永和子さんは、2014年11月11日に亡くなられています。
フィアナとは本当に永遠の別れな感じがして、寂しいです…。
『音楽』
ボトムズ本編の名曲「いつもあなたが」のアレンジバージョン、テーマにマッチしていて心に響きます。
…テイタニアの為の歌?なのか、フィアナへの歌なのか?
本編がもっと分かり易ければ…
戦闘シーンはお馴染のBGM、燃えます。
『キャラ』
相変わらず寡黙で孤独な異能生存体キリコ・ビューイー強い。むせる。
とにかく寡黙ですが、滲み出る仲間への想いがカッコイイ。
…でも、寡黙過ぎて原作未読な視聴者には伝わり難いのでは!?
テイタニアは悲劇のメインヒロインでしたが…分かり難い。
32年の人生重ねた仲間達が年相応の貫禄ありつつも根は変わってなくて、本当に良い仲間です。
バニラは男前になった。ココナはちょっと若すぎる気もしますが。
ゴウトの年長者っぷりも素晴らしい。
バニラとココナの子供達も立派ですねぇ。
娘のステビアは勝ち気でヒロイン格…には微妙にならなかったのが残念。
解説役ですな。
黒幕のベスウッド司教はイマイチ小物感が…
色々と削っているので、教団の思惑とかピンときませんし。
原作のバララント軍将校も出てほしかった…。{/netabare}