くよくろ さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
痛く、切なく、辛く、決して甘くはない青春。
特徴的なのは作画。
現実をトレースしたようなリアルに近い画風。
とにかく演出がすごい。
主人公の部屋、自宅、学校までの通学路、途中にある看板、そして学校と教室。
ほとんど同じ視点やカットで現実と同じような日常が流れていることを巧く表現している。
そこに変わっていく登場人物達を取り巻く状況が重なり、ハラハラさせる曲で強調され、登場人物のよりリアルな心理描写が見て取れる。
内容は、ふと湧き出た感情的な衝動でストーリーが進んで行き、落とし所のない強い感情と強い感情とのぶつかり合い。登場人物達が交わることがなく、見ていると心が痛く、辛くなる。
しかし、怖いんだけど続きが気になって見たくなってしまうようなホラーのようなスリルがあり、ドキドキハラハラしてみたくなるような魅力がある。
中毒性のあるエンディングに流れると、学生時代に考えていたような希望的観測や葛藤、ぼんやりとした不安などのが蘇って、登場人物達のことをまるで現実のことのようにあれこれと頭の中で考えてしまう。
萌え要素がある女の子、何か特別なスキルがあるカッコイイ主人公、笑えるような要素などはない。
ただただ、痛く、切なく、辛く、決して甘くはない青春を描いたもの。
見終えてもハッピーな気分になるわけでもなく、モヤモヤとしたものが残る
しかし、ドキドキハラハラするような中毒性がある。