ようす さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
「音は、必ず響く。必ず響いて、そして、伝わる。」
軍隊に所属する女の子とトランペットのお話。
日常作品っぽい雰囲気が強いですが、
実は平和や未来の世界について語られる哲学的な部分も多いです。
正直中盤辺り(5話ぐらい)から
「あまり内容ないな…。」と惰性で観ていましたが、
一番引き込まれたのは最終話でした。
ここでこの作品に対する見方が大きく変わりました。
この作品は、
最終話({netabare} カナタが「アメイジング・グレイス」を奏でるシーン {/netabare})を描くためにあったものだと思っています。
なので、ぜひ最終話まで観てから
評価してほしい作品だなと思います。
全12話(+番外編2話)です。
● ストーリー
空深彼方(そらみ かなた)は、
幼いころに聴いたトランペットの音に憧れ、
自分もトランペットを習いたいと軍隊に入った。
長年続いた戦争によって荒廃した世界。
カナタの住んでいるヘルベチアは長年戦争状態にあったが、
今は講和条約を結ぶために休戦状態となっていた。
カナタが配属されたのは、1121小隊。
女兵士5人の小隊だった。
軍隊が舞台ですが、この世界では
「講和条約を結ぶ話し合いが行われている最中」なので、
実際に激しい戦闘が繰り広げられているわけではなく、
平和な時が流れています。
しかしその背景で見え隠れするのは、
過去の戦争で人々や兵隊が負った心の傷、
国の存続と戦争再発の危機、
などの戦争による傷跡と脅威。
しかしこれらのエピソードは
各回の中でもうっすらとしか登場しません。
気を付けないと、ほのぼのとした日常にかき消されてしまうので、
見逃さないようにご注意を。笑
物語を通して描かれる登場人物たちの絆が素敵だと感じました。
そう感じた瞬間、
これまで何を伝えたいのか理解不能だった日常回さえも、
なんだか味わい深いものに感じられます。
噛めば噛むほど、味が出てくるタイプの作品かもしれません^^
● キャラクター
1121小隊は
カナタ、クレハ、ノエル、リオ先輩、フィリシアさん
という女だけの隊です。
おっとり隊長フィリシアを筆頭に、
みんなが和気あいあいと生活しています。
この作品の主人公はカナタです。
カナタは自分のやりたいことには一直線で、
どんくさくて、みんなから愛される少女。
この作品のほのぼのとした日常作品っぽい雰囲気の大半は
彼女が原因と言えるでしょう(笑)
そんな彼女と対照的な存在となるのが、リオ先輩。
普段は優しくて頼りになる、カナタにとって憧れの先輩ですが、
彼女は何やら特別な過去を隠し持っている様子。
彼女はこの作品の核を担う導き手のような存在で、
世界や出来事を哲学的に語ります。
彼女が主役だと作品は一気に重くなりそうですが、
カナタが柔らかく受け止めるので、そうはなりません。
カナタとは相性抜群のいい師弟関係です。
そして素敵な上司なのだよ…;;
『先輩や上官は迷惑をかけられるためにいる。
後輩はその悔しさ、無力さ、守ってもらった嬉しさだけを覚えておけ。
それはいつか、お前が守る立場になったときの糧となる。』
↑このような台詞を話せる上司になりたい…。
● 音楽
【 OP「光の旋律」/ Kalafina 】
いやーこの曲が素敵!!
異国情緒あふれる曲調がお気に入りです。
私のこの作品の一番のおすすめはOPです。絶賛です。
聞けば聞くほどこの曲の世界観にはまっていきます♪
【 ED「Girls, Be Ambitious.」/ 戸松遥 】
この曲、何度聴いても大塚愛さんにしか聞こえないのですが
それは私だけでしょうかww
個人的にはOPがすごくよかっただけに、
EDももうちょっと考えてほしかったな~と残念に思っています。
この曲がこの作品の世界観を明るい展開に引きずり込み、
かすかに感じる作品の繊細さを壊してしまっているように感じ、
がっかりです^^;
曲単体なら好きなのですけどね。
音楽担当は大島ミチルさん。
OPと似た雰囲気もあり、
どの曲も美しくて好きです^^
作中で何度も登場する「アメイジング・グレイス」も美しい曲です。
元々好きな曲ですが、この作品でもっと好きになれた気がします。
とても素晴らしいアレンジなのだよ…。
このBGMを聞きながらいろんな空を見上げたいです。
この曲こそまさに「ソラノヲト」。
● まとめ
自分は中盤から飽きてしまっていたのもあり、
半分いい加減に観ていましたが、
実はしっかり観なければならない作品だったのかと
終盤で後悔しました^^;
もう1周すれば伏線にもたくさん気付けるのかな~。
この作品の象徴でもあるトランペットも所々で活躍しますので、
トランペットが好きなだけでも一見の価値があるかも♪