オキシドール大魔神 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
食人植物との闘い
メキシコのとある街で見つかった甘い果実を双葉商事で押し出す事になり、その支部の部長に野原ひろしが任命され、野原一家はメキシコへ引っ越す事になった。
不便な生活に上手く行かない仕事で、あまり順風満帆な生活を送っているとは言えない中、サボテンフェスティバルを見に行った野原一家。
そこで、食人植物キラーサボテンが覚醒して……。
野原一家が引っ越しということだったが、春日部陣営との別れのシーンにはそこまで尺を使ってないため、それほど感動もない。
メキシコについてからは、ちょっとばかし日常をやってから、あとはキラーサボテンとの戦いに尺を使う構成。
驚いたのは、ポンポンキャラ退場していくところ。
しかもサボテンたちは、少々バラバラにされても再生し、合体などしてヘリコプターまでをも沈める程度の知能を持っていて、結構なパニック物になってるなあという印象。
もっとも、キラーサボテンに追われているメインキャラ陣営にそこまで悲壮感がないので、そこまで陰鬱した気分にはならない。
最終的には退場したキャラたちもキラーサボテンの中で生きていて、ハッピーエンドで終わる。
マザーサボテンを倒すための最後のピースが、春日部防衛隊の手作りのバッジの安全ピンというのも熱かった。
まあストーリー自体に文句はない。ただ、全体的に少し粗い。
ただバラバラにする程度では再生するので効かないというのが分かったところで、次に思い付くのは「燃やす」という事だと思うのだが、その辺は検討されない。
検討されていないので、燃やす事で倒せるかどうかは分からないし、仮に倒せたとしても、食われた人々も死んでしまうだろうし、重大な二次災害が発生するかもしれない。
と、その辺を検討して「燃やさない」という選択をされたのならともかく、そういった検討がない。
また、所々場面が飛び飛びになる。一箇所、「どうやってそこから助かったの?」という場面がある。
あとはやはり、意図しているとは思うのだが、キャラたちに悲壮感がなさすぎる。もうちょっと全体的にパニクっていても良かった。
とはいえ、本格的に絶望感を醸し出されたら、子供向け作品としてはあれだし、陰鬱な気分にならないのは良いところでもあるのだが、もう少しバランスを取ってもらいたかった。
池上彰モチーフのキャラも、サボテンに詳しい割には全然役立たずだし、キャラの持て余し感も否めない。
町長のわがまま、足の引っ張り具合もさすがに少し胸糞悪いし、細かいところが惜しい作品。
当たり前だが、メキシコが舞台なので、春日部陣営は序盤しか出てこない。やっぱり春日部防衛隊とか、その辺の連中が好きなんだなと改めて思わされる。
カロリーナは万能で人格者で良かった。その他はまあ持て余していた。
声優はそこそこ。指原もそれほど悪くない。