STONE さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
戦車愛に溢れた作品 (4DXの感想追記しました)
2時間というと劇場公開アニメとしては長尺の部類に入るが、まったく中だるみ感を
感じさせない中身の濃い内容。
テレビシリーズがきれいに終わっていたため、展開自体は多少の蛇足感があるのは
否めないが、ストーリーラインの流れ自体はよくまとまっている。
かっての敵が味方として加わる展開などは少年漫画などによく見られる王道展開だが、
こういうのって判っていてもワクワクすると言うか。。。
この展開ゆえにキャラ的にはオールスターキャストといったところ。
以前登場したキャラ勢揃いという展開は、他作品の劇場公開版でもよくあるが、キャラに
よっては顔だけ出しましたみたいなことが多かったりする。ところがこの作品はそれぞれに
ちゃんと見せ場があるのがたいしたもの。キャラによってアクション的見せ場だったり、ネタ的
見せ場だったりはそれぞれだが。
加えてテレビシリーズの展開を踏まえた天丼的ネタがうまいこと機能しているのも好印象。
こうした既出キャラに加えて新キャラも登場するが、西 絹代率いる知波単学園、ミカ率いる
継続高校のいずれもいい味を出しつつ、戦車戦でも見せ場あり。
他にテレビシリーズで登場済みの学校にも新キャラが登場しており、こちらもいい味を
出していた。
本作の敵?である大学選抜チームも、幼い容姿とは裏腹に個人技、指揮能力のいずれも強さを
見せる島田 愛里寿が印象深かったが、惜しむらくは西住流とは対峙する島田流らしさが今一つ
判りづらかったかな。
戦車の方も新たな車種が登場。
知波単学園、継続高校所有の戦車に加え、これまで歩兵戦車一辺倒だったグロリアーナに
巡航戦車登場。
一方の大学選抜チームだが、テレビシリーズの方でティーガー、スターリンといった戦車を
登場させてしまったため、より強敵感を出すためにはパーシングか、センチュリオンかなと
思っていたら、ちゃんと出てきてくれたのが嬉しいところ。
加えて今回もテレビシリーズのマウスに相当する反則級の戦車も登場して強敵感を印象付けて
くれた。
戦車戦に関しては、テレビシリーズでは回を重ねるごとにどんどんクオリティが上がっていく
印象があったが、本作は更にそれを上回るものでどれだけハードルを上げるんだって感じ。
テレビシリーズは逆転劇を主軸にしていたため、大洗女子が数で劣る展開であったが、本作は
量を同じくした多数の戦車同士による集団戦が見られるのが新基軸といったところで、やはり
大スクリーンに映える。
その内容の方もやりたい放題といった感で、これはもう戦車をテーマにしたファンタジーかも
という思いが。舞台もテーマパークだったし。
終盤のトップ対決は台詞こそほとんどないが、戦車戦の内容で西住姉妹の姉妹愛が充分
伝わってくる。言葉で語らず、戦車で語るといった感じ。
4DX行ってきました。場所はららぽーと豊洲。
まずガルパンうんぬんは別にして、アトラクションとして面白かったです。
過去に経験したものの中ではフロリダのユニバーサル・スタジオで体験したスパイダーマンの
アトラクションに近かったかな。(大阪のやつは未体験ですが、同じようなものだと思います)
もっとも4DXのご案内的なものだと3D要素もあるようなのですが、ガルパン劇場版自体が3D
作品ではないので3D要素はなし。それでも充分楽しめましたが。
で、4DXに対してのガルパン劇場版の親和性ですが、これが最適といった印象で、砲撃、
エンジンや履帯の振動音がシートから伝わり、戦車搭乗視点では座席が前後左右に動くなど、
迫力満点。
砲撃シーンでは空気の振動が顔をかすめ、煙が出て、硝煙の臭いがしたり、雨やプール関係の
シーンでは水が飛び散り、爆発シーンではフラッシュエフェクトが光るなど、なかなか魅せる
演出。入浴シーンでシャボン玉が出てきたのは笑ってしまいましたが。
特に終盤はほとんどセリフが無く、ひたすら戦車同士の描写ばかりなので一層映えます。
作品自体充分に面白いものですが、4DXにより更に臨場感が増した感あり。
通常の劇場版より公開館が少ない4DXですが、行ける機会があったら、是非お勧めです。