HATAKE さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
何もしないまま消えていくの?
このアニメから、いえ…ペコにスマイルにドラゴン、悪魔、出てきた登場人物達全員から「何もしないまま消えていくの?」と問われている、問いかけてきてくれているような素晴らしいアニメでした。
あまりに素晴らしいものだったので私がこの作品を褒めれば褒めるほど作品としての価値が落ちてしまいそうな、ただ単に私の持ちうる語彙では表せない、表そうとすればするほど安っぽくなってしまいそうな気がする。そんな気持ちにさせてしまう、そういうアニメでした。
私は気に入った作品はぜひとも二期、原作の方でも構わないが兎に角続編を望む性格です。が、この作品にはそれは望みません。
11話というワンクールものにしては少し短い話数にも関わらず、これで完成しています。付け入る隙も付け足す隙も無いほどに完璧に完全に最高の形で完成されています。
キャラデやスポ根もので敬遠している方、それはまるでこの作品を見る前の私です。はっきりいいます。キャラデなんかどうでもいい、線だけで書かれていたとしても面白いです。スポ根ものだからと敬遠している者、この作品が言いたいのはきっと「努力」すること…なんて当たり前なものではなく。才能を持ち努力をし結果を出すもの、才能はない代わりに才能を埋めるだけの努力をしたもの、才能もなく努力は人並みにしたもの、それらの人々がただ「卓球」というスポーツをし、自分の高校三年間を卓球に捧げ、その後の人生に何らかの形で帰ってくる…無駄なものは無いと教えられているような気がしました。
もちろん自分には無理だと諦める人もいました。諦めてたまるか…と必死に歯を食いしばり頂点を捉えようとしている人もいました。ですが諦めた先にも何かが待っていて、諦めなかった先にも何かが待っている。
「どちらに行こうとも君の人生は続くんだよ。さあ君はどうする?何もしないで消えるのかい?僕は先に行くよ、君はどうしたい?」
この作品が言っていることはきっと「何もしないまま消えていくもんか!」
なんだろうと思いました。
それでは