セメント さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
日本ひきこもり協会
"あなたは私のプロジェクトに抜擢されました"
引きこもりの主人公・佐藤達広と主人公を救おうとする中原岬、オタクの後輩・山崎薫の主に三者が社会復帰のためになけなしの努力をするハートフルアニメです()
人間の内面描写のえげつなさは定評があります、見てて辛いと思うこともしばしば。
佐藤君も大学に向かうある日突然に、周りの目が怖くなって外出できなくなるわけですが・・・
人付き合いが嫌になったとか、人間関係で少し失敗したとか、理由はなんでも言いようがあって、誰しもが佐藤君みたいになってしまわないと限らないのです。
そこがまた怖いというか、引きこもりになってしまうかもしれない危険性がどこにでも潜んでいる恐怖。
佐藤君という至って普通の青年が引きこもりになった様はとてもリアリティがあって、その恐怖を強く実感しました。
佐藤君でいえば"引きこもり"に関した話になってくるのですが、その他にも"薬物依存"や"宗教"など、これでもかというくらい社会不適合なお話しが満載で、そのどれもが胸糞悪い展開ではあるのですがやはり面白くハマってしまうんですよねー。
萌えに全然媚びてない作風です、のぺーとしたキャラデザです。
それでも女性キャラには匂い立つようなエロスがあった気もします。
アニメーション制作はGONZOです。
佐藤君を演じるのは小泉豊さん、あまり演技が旨いとは言えないんですが、そこが佐藤君に合ってました。
最近だと「輪るピングドラム」とかに出てましたよね。
岬ちゃんは牧野由依さん、幸の薄そうな儚げな声で、岬ちゃんといえばこの声だよなぁ!って感じでした。
山崎は坂口大助さん、私の坂口さんのオタクキャラのイメージはこれで完全に定着しました。
OP「パズル」はずっと変わらず、EDは前半と後半で二つあります。
1stEDは「踊る赤ちゃん人間」、かの大槻ケンヂさんが歌う激しい楽曲です。
あの名曲「踊るダメ人間」も2006ver.となって劇中で流れています。
2ndEDは「もどかしい世界の上で」、岬ちゃん役の牧野さんが歌う静かな一曲で、どちらもこの作品を端的に表した名曲なので是非聞いてみてください。
根強い人気を誇っていますよね、岬ちゃん。
未だに岬ちゃんが玄関のドアを叩いてくれることを心待ちにしているオタクは多い。
私もこのアニメに触れてから10年が経とうとしていますが、心待ちにしているうちの一人です。
そうか、どうして今まだこんな簡単なことに気づかなかったのだろう。
アニメと言えばオタク、オタクと言えば人付き合いが苦手だ。
そういう人間は得てして引きこもりがちになる。
つまり、面白いアニメを見せることによってアニメオタクを量産し、ニートの大量出現に一役買っていたのではないか?
すなわち、NHKとは・・・