スパイ隊長(休止中) さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ただ一言、「脱帽です」。。
「傑作」
※自分のレビューを見るときはプロフィールを参考にしてください。
週刊少年マガジンで連載している瀬尾公治さん作の「風夏」(2014年~連載)の前々作。
高校進学に伴って秋月 大和(主人公)は広島から上京し、伯母さんの銭湯付きのマンションに独り暮らしすることにした。
そして入学直前の高校の校庭で走り高跳びをしている朝比奈 涼風(ヒロイン)を見て、一目惚れした。
実は涼風は大和の部屋の隣に住んでいた。
ここから物語は始まる・・・。
恋愛・陸上アニメで良いのかな?まあ、学園ものですね。
「君のいる町」で瀬尾公治さんのファンになって、気になってはいたんですが後回しになってしまいました・・・。
さて、内容に触れると、
12話ぐらいまでは一回フラれてもめげずに大和は涼風に一途に想い続けます。
大和は身体測定で、自覚はなかったが短距離走がずば抜けて速い。
そして距離を縮めるために途中から陸上部に入部したりする。
ただ12話で涼風に「別に好きじゃないわ、大和君なんて」という言葉を聞い(てしまっ)た大和は悟りきったような表情で「朝比奈(涼風)が俺のこと好きじゃないのは知っているから」と言う。
はい、恋愛アニメ王道の「ツンデレ」&「すれ違い」のコンボですね^^
現実ならこの二人の関係はほぼ修復不能ですね・・・。
んで、ここで物語を盛り上げてくれる、主人公を想う「恋敵」である桜井 萌果(ほのか)が一気にたたみかけます。といっても、その子自体悪意とかはないと思いますが。
萌果は子供のころに(時たま)東京に来ていた大和に出会い、それから大和にずっと片思いで、何とか距離を縮められるように頑張ります。
そして、インターハイ兼合宿中に萌果がふいに大和にキスをする。
その次の日に大和は萌果と付き合うことにする。
ここで、大和を、オーストリアの精神分析学者のフロイトによる「防衛機制」という概念から擁護しようと思います。
「防衛機制」とは、欲求不満に陥った時などに自分(の心)を守る心理的作用である。
その一つに「取り入れ」というものがある。それは、他者の感情や考えがあたかも自分のものであるように感じること。
その視点から見ると、涼風と上手くいかない大和は萌果にキスされて、「自分は萌果が好き」という感情を「取り入れ」によって抱いた、と言える。
てことで、大和はダメ男でない、ということにしておきましょう。いや、そういうことにしてください(泣)
・・・話を戻して、
大和と付き合い始めた萌果だが、自分に自信が無いせいか、「大和くんは涼風ちゃんのことをまだ好きなんじゃないか」という不安を抱き続ける。
そして、萌果の誕生日プレゼントを買う時に「女は何をもらったら嬉しいか」わからない大和は涼風に頼んで一緒に買いに行った。
それを偶然目撃した萌果はその不安が増大していく。
そのプレゼントを渡す時に、大和は正直に涼風と買いに行ったという事実だけを明かす。(当然)そのことを知っている萌果は怒り・不満を抑え許そうとする。
そんな気も知らず、大和は、涼風と買いに行った日を楽しげに話す。
そのことが原因で別れることに。
あれ、やっぱ大和はダメ男だって?いや、きっとどこかの「クズ主人公」達とは違うはず・・・。
主人公を想う「恋敵」を乗り越えてゴールか、と思いきや、涼風に暗い過去があって、それも相まって鬱な展開が続く・・・。
それは、ヒロインを(が)想う「恋敵」の存在である。
その人は中学時代の涼風の1つ上の先輩で短距離走がめちゃくちゃ速く、涼風とよく言い合ったりするが、実質、両想いと言っても過言ではない。
だがその人は涼風に告白し、「(この大会で)俺が全国一位を取って帰ってきたら、その時(返事を)聴かせてくれ」と言った、その次の日にその人は事故で亡くなった。
というトラウマがあって、どこかその人の面影のある大和に素直になれない。
告白されて、(好きだと)返事しようとしたら、その人がいなくなってる、なんて自分だったら辛すぎる・・・。
そりゃ、次の恋愛に進めないよね。
涼風のツンデレの割合がツン☓10デレになるのも頷ける。
まあ、最後には涼風エンドに収束するわけだが。
物語全体を通して、エロさもほとんどなく、それでいてヒロインの涼風がツン☓10デレなので「すれ違い」の激しい鬱展開も結構あって、自分の中では大満足だった♪
この一週間ぐらいは「涼風」の余韻に浸ることだろう。
原作未読なので、いつか全巻集めよう^^
おすすめは、
君のこと/COACH☆(ED2)。
この最後のサビの
君の名を 呼んだだけで しあわせな気持ちになる
一緒にいることで 強くなる 優しくなれる
君のこと大好きだよ 君のこと大好きだよ
ふたりで未来を描こう
が特に好きです^^
長文・駄文ですみません・・・。