ガムンダ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
孤高の鬱アニメ ※追記
さてーえらい物を観ました。
「ねこぢる」以来の評価不能※です。
形容詞で伝えると 重い 暗い 怖い
監督脚本コンビが同じ「神霊狩/GHOST HOUND」に似ているとのことで視聴してみましたが、雰囲気と演出が僅かに似ているだけでした。
これに比べたらあれは普通のアニメです。
どっちが好きかはともかく、あっちの方が敷居はずっと低いです。
「魔法少女まどかマギカ」からポップでお洒落な絵や萌キャラさえも排除した感じです。
もっともあれのポップさはそれ自体が不気味さにつながりますがこちらはストレートに怖いです。
「笑うせぇるすマン」は狙って狙った感を出しますがこっちは素です。
ストーリーはゆっくり進行です。
中盤過ぎくらいまで観て「ひょっとして意味なんかないんじゃないか」と思い始めますが、そこから物語というか謎解きが展開していきます。
結末は・・・ 観てのお楽しみ。
万人にお勧めはしません。
1話観て合わなければ合わないでしょう。
ただLain的な物はLainしかあり得ないし代替の利かない作品です。
コアなファンが居るのもうなずけます。
※追記:評価不能の理由ですが、例えば観てるあいだ私はのっぺりした声優の演技にイライラに近い感情を覚えましたが、観終わってそれはそうあるべきだと思ったのです。万事がそうなのです。
不能と言うより今は簡単に評価したくない気分なのです。
→評価付けました
追記 2015/12/12
サイバーパンクの元祖と言えばWギブソン「ニューロマンサー」(映画「マトリックス」の原典の一つ)が挙げられますが、それより以前に星新一「声の網」があります。
それ以前にもロボットが自我を持ったり人間の記憶を書き換えたりと言う作品はありましたが、ネットワークとユビキタスの概念が描かれた最初は「声の網」ではないでしょうか?
(「2001年宇宙の旅」もある意味ユビキタスエンド(?)ですけど)
私は「Lain」を観てこれを思い出しました。
冒頭、死者から連絡が来た時点でビビっときました。
二つの違いは視点です。
「声の網」は人間の側、「Lain」は声の側から描かれています。
もしかしたら「声の網」の声も自ら苦悩しながら生まれたのかも知れない、と、物凄い昔に読んだ小説の再解釈にもこの作品は役立ちました。
興味を持った方は「声の網」も是非。
ちなみに「Lain」同様エンターテインメント性はほぼ無です(笑)