どらむろ さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
異能バトルと美少女学園物の双方が素晴らしい。全編通して劣等生・佐天さんの成長物語か
「とある魔術の禁書目録(インデックス)」のスピンオフ外伝ですが、本家を凌ぐ良作です。
女子中学生4人組(最強能力者もいれば、無能力者もいる)が「学園都市」という超能力者の街を舞台に、時に異能事件を解決したり、時に日常系で過ごしたり。
美少女中学生の萌えと、異能バトルや事件の燃えの両方を、最高水準で楽しめる。
テーマも若者特有の(いや、誰もが悩んだかもしれない)題材を真摯に掘り下げており、大変共感できる。
(佐天さん…ええ子や!)
…自分でも意外な程に高評価してしまった。
{netabare}『物語』
本編「とある魔術の禁書目録(インデックス)」でヒロインだった御坂美琴が主人公…なのですが、本作は友人の3人含めて4人全員が主人公といって良い物語でした。
強力な異能あったり、学園都市の治安維持を担っていたり「戦う女の子」系の萌えと燃えもバッチリ。
一方の日常系要素も非常にに楽しい。
黒子の美琴お姉様萌えを、ウザいと見るか御愛嬌と見るか…w
佐天さんの初春スカートめくりも良いですねぇ…
私は百合好きなので大好物ですが♪
本作の魅力は異能バトルや異能事件解決の少年漫画的な王道を、女子中学生の友情や成長に落とし込み、少女漫画的な良さも合わさっている事でしょうか。
男子は美少女の萌えと異能バトルに燃え、女子は女の子同士の機微に共感できる。
※sekimayoriさんのレビューを参考にしました。
メインの4人が時にケンカしたり葛藤したり、その過程で異能絡みの事件に巻き込まれ、紆余曲折あって、互いに成長していく。
仲良し少女達の微笑ましい日常系…の中に事件の伏線や各々の葛藤や関係性の機微があったり、異能バトル事件の緊迫感の最中にも、日常で培われた友情や関係性がしっかりと活きていたり。
異能事件と少女の成長ドラマや日常系の良さが乖離していない構成が大変観易いです。
回が進むほどに、日常系と異能事件の相乗効果で面白さ加速していく。
前半の山場、レベルアッパー事件が名エピソードでした。
学園都市では超能力のレベルが己の価値を決める(と多くの生徒が思っている)
…これは現実でも形を変えて多くの人が持っているかもしれない普遍的な悩みでしょう。
レベル0の無能力者の佐天さんの葛藤や劣等感は、大変共感できる。
4人がどんなに仲が良くても各々の立ち位置(主に能力の強弱)が違う故に、お互い全面的に理解し合えているワケでは無い。
なので佐天さんが友達にレベルアッパーの誘惑を相談する事が出来なかったのも、それを誰も気付く事が出来なかったのも、良く理解できます。
ここら辺の微妙な距離感や関係性の揺れが、今まで積み重ねてきた日常系含めてのエピソードがちゃんと活きており、本作の全編通しての構成の巧さが見事。
4人の、特に佐天さんと初春とのユウジョウ!すばらしい。
13話、かなりシリアスな事件一段落したタイミングでの水着回も素晴らしい♪
全編通しての緩急が絶妙ですな。
水着回で交流深めるのも、後々無駄にはなってないですし…
婚后光子(こんごう・みつこ)の強烈なキャラのインパクトが、終盤のサプライズに活きてきます。
14話「特別講習」は能力者としては劣等生な佐天さんが超能力の講習受けるだけの地味な話なのですが、かなり大事なエピソードでした。
講習形式で本作の基本世界観をおさらい出来ますし、佐天さん視点で劣等感と前向きに頑張ろうとする気持ちに共感できる。
レベルアッパー編を乗り越えての総括的なお話かも。
中盤のスキルアウト編も、テーマは引き続き「無能力者の劣等感や葛藤」
テンプレお約束なモヒカンもといスキルアウト相手に無双するベタな展開なのですが。
…能力への誘惑に揺れつつつ乗り越えた佐天さんや、特別講習で根性見せた無名男子の強さとの対比で、スキルアウト連中は反面教師として分かり易いのかも。
終盤に差し掛かり、4人の友情や学園祭などの日常もしっかり描きつつ、最後の事件「ポルターガイスト」発生。
それぞれに自分の出来る能力駆使して真相に迫っていく異能事件の面白さ健在でした。
黒子と初春の友情に亀裂が……でも、佐天さんは強かった。
紆余曲折を経て二人を仲直りさせるシーンは名場面でした。
終盤のバトル展開は正に本作の集大成といえる盛り上がり!
強力能力者組・(御坂&黒子+まさかの婚后光子)の華麗なる異能連携バトルが熱い!
(BGMに主題歌使われており、切り札の超電磁砲とシンクロして手に汗握る!)
能力者組の華麗な異能もカッコ良かったけれど…
MVPがまさかの無能力者・佐天涙子ッ!!!
最終決戦に向かう流れで(え?佐天さんだけ足手まといじゃね?)と思ってごめんなさい!
御坂と黒子の超能力はチートだが、その超能力者を封じる音波兵器?の存在で、一躍佐天さんが切り札になる展開は大いに燃えました。
※能力者封じのギミックは他作品だと「絶対可憐チルドレン」とか「ワンピース」(海楼石)とか、古いですが「トランスフォーマー」(トランスフォーマーだけ腐食させるけど人間には無害なので、人間が頑張る)とか、割と定番ではありますが。
本作程に効果的に作劇に活かされた例はあまり無いのでは!?
スキルアウト編でこのギミックお目見えさせておく伏線の張り方も巧い。
…本作はいくつもの燃える名場面ありましたが、佐天さん値千金の大活躍は拍手喝采ですよ!
振り返ると本作は無能力者代表の佐天さんの成長物語と言えそうです。
一つ一つのエピソードの積み重ねの結果が全員の友情であり、全員の活躍に繋がっていく。
日常系の萌えも異能事件のバトルも無駄なエピソード一つも無いです。
全員が主人公。
全員特に佐天さんに共感できる。
ラストも後味の良い解決していて一安心。
ライトノベル原作アニメ全般から見ても、最高水準の面白さでした!
『作画』
全員可愛い上に、特に初春と佐天さん黒髪組のキャラデザ大変好みです♪
中学生という事もあり…全員胸が小さめなのも好感持てますな♪
異能バトルもド派手な超電磁砲と技巧派のテレポート等バリエーションあり飽きさせない。
ここ一番の盛り上がりも抜群でした。
特に終盤のバトルは全ラノベ原作アニメ通しても名場面の一つなのでは。
静と動の組み合わせが大事、一瞬のタメがあるからこそ切り札のレールガンが映える!
『声優』
白井黒子の新井里美さんのインパクトが凄まじい。
「お゛姉え゛さま゛あ゛~~~!」
御坂美琴に次いで主役張れるスターヒロイン・白井黒子、新井里美さん以外に考えられない。
他で代替不可能な名演技!新井里美さんをもって5点だと決めてました。
佐藤利奈さんの強さと可愛さ両立した御坂美琴、豊崎愛生さんの可愛さも絶品。
佐天さんは伊藤かな恵さん演じるキャラでは一番好きです(次点で大正野球娘の鈴原小梅)
春上さんの花澤香菜さんの可憐な感じも良いです。
本作陰のヒロイン格の木原先生をベテラン・田中敦子さんが熱演。
普段の残念美人から鬼気迫る悲痛さ心に響きました。
声優陣は豪華かつ好演揃いでした。
『音楽』
前半OP「only my railgun」後半OP「LEVEL5-judgelight-」共に御坂美琴のテーマとして申し分のない名主題歌な上に、クライマックスの戦闘シーンで効果的に使われており、大いに盛り上がりました。
EDも良曲揃い、良いアニメは音楽が良いと改めて思った。
『キャラ』
主人公はタイトルでもある超電磁砲(レールガン)こと御坂美琴だが、相棒のテレポーター・白井黒子も単独でヒケを取らぬ華麗な異能バトル主人公だったり、弱能力でがんばる初春飾利も傷付きながらも健気な大活躍、そして無能力者の佐天さんも全編通して裏の主役であったり…
4人全員が主人公格といって過言では無い存在感と魅力を放っています。
他作品なら1人でも不動の主人公級が4人、彼女たちが日常系や異能事件通じて着実に友情深めていく、素晴らしいです。
黒子のインパクトは絶大でした。
普段の百合モードとシリアスでの強さのギャップが凄い。
お姉様に心酔しているが、ジャッジメントとしての立場と矜持は譲らぬ頑固さも魅力。
御坂美琴はなんだかんだでメイン主人公、やっぱり一番華がありますね。
初春は本当に優しさと強さ併せ持つ良い子でした。
黒子とのケンカは彼女の方が分が悪いように思えますが…無理もないと思うんですよねぇ。
本作のMVPは無能力者の佐天さん。
一番視聴者(原作読者)の心情や立場を代弁していて共感できる、普段はミーハーでウワサ好きだったり、とにかく普通の女の子らしさが自然に出ていて好感持てました。
…ラノベでもアニメでも、佐天さんみたいなタイプは意外と見かけないですね。
作中何度も値千金の活躍をしており、超能力無くてもキャラの魅力は遜色無いです。
佐天さんをもって5点なんですが、4人全員の相乗効果で全員が魅力的です。
この他キャラクター層は厚いです。
先輩や大人(先生や寮監)の層が厚いのは良作の証。
裏のヒロインともいえる木原先生、テンプレなカマセお嬢様かと思いきや終盤値千金の大活躍な婚后光子など、存在感あるキャラ多し。
春上さんも可愛かったですねー(天使ちゃんっぽい可愛さ)
上条さんもゲスト出演?御坂の可愛さ引き立ててました。
その他、佐天さんと少し交流した無名モブ男子も何気に好感持てました。
読者(視聴者)は佐天さん(とモブ男子)の立場なので、なんだか(自分も頑張ろう)と思えますので。
モブ不良やスキルアウトがテンプレなのは、ご愛敬。
ラスボスは最期惜しかったが敵役としては及第点なのでは。{/netabare}