yokoryo さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ただの青春映画と思う事なかれ
久々の良作だったと思います。
どの点においても質の高い素晴らしい作品でした。
各キャラの感情表現や、地域交流会なるイベントの実行委員という立場の元、他者との関わりを通して、それぞれの気持ちの整理を付けてく演出。
そして2時間という短い時間でストーリーを紡ぎ、まとめ上げる構成は見事です。
ちょっと脇役達の言葉が直接的過ぎて、分かりやすい反面、結構パワープレーな感もありましたが。
でもそれはあの花でも感じるトコはありましたから。
それを含めても全体に於いてとにかく良い。
良い作品を観たなと思います。
この映画での自分の感じた部分は以下です。
言葉の力の大きさ。
時に傷付け、時に癒し、時に幸福を与える。武器にも薬にも花にもなり得るもの。
感情、思い、気持ちを伝えるためのツールとしての言葉。
心にない事も、言葉に乗せてしまえばそれが真として伝わってしまう。
伝えると言う目的に対する言葉というツールの有用性の高さ。
使い易い、伝え易いがゆえに、自分達は安易に言葉を使用しているのではないか。
「喋ったらもう戻ってこない」とは上手い表現だなと。
1度言葉として自分を離れた感情は、自分の中に戻す事は出来ない。
その結果、人を傷付け、そして傷付けられた恐怖から言葉を使えなくなる事。
だからこそ、言葉は丁寧に、慎重に選ばれ使用されるべきなんだと再認識。
ただ、伝え方は言葉だけではないことも改めて実感。
「喋らなくても考えている事がバレバレだな」と。
伝えるための方法はひとつではなくて、本当に伝えたい事をちゃんと正しく伝えられているのか。
伝えずに、伝えられずにいて後悔するような事が無いよう、伝えるべき事、伝えたい事は素直にしっかり伝えようと思う。
そう思える映画で、
久々にもう一度観たいと思える作品でした。