セメント さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
ドリ系
ボクラノキョリ
ロボットが実用化されて久しく、アンドロイドが実用化されて間もない時代。
人間とアンドロイドの交流を描く、ありがちといえばありがちなSFです。
が、見せ方にメリハリがあって、すんごく面白く仕上がってます。
感動する回もちらちらあって、差し詰め、これぞジャパニメーションといった具合です。
近い将来、こんな風になるのかしら?と妄想を煽られるような、繊細な世界観を綿密に描かれて頼もしい作品です。
出ました、第14回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門審査員推薦作品です。
これには納得です、監督、脚本、演出のほとんど全てを吉浦康裕ただ一人でやられておられます。
スタジオ六花は吉浦さんが立ち上げた会社、少数精鋭でクオリティの高い作品を作ろうとせんクエリエータ―集団です。
元々、インターネットで配信されてたのが、口コミを通して評判が広がって、最終的に映画として公開されるまでに至っています。
声優はベテラン揃いで、1話15分程度なのですが(最終話のみ30分)、アニメ映画かと思うような顔ぶれです。
福山潤さん、野島健児さん、田中理恵さん、佐藤利奈さん、他ゲストキャラも豪華です。
私、実は映画の方は見てないのですが、主題歌をkalafinaが歌ってるんですよね。
主題歌も良いと思いますが、劇伴も壮大且つノスタルジックな雰囲気で聞く者を圧倒する出来です。
とにかくキャラが立ってます、というよりもキャラの感性が私に近い物を感じて投影しやすとでもいうのでしょうか。
深夜番組で、"お笑いに一番必要なのは常識、常識を知っていないと観衆を笑わせられない"とインパルスの板倉さんがおっしゃってたのをチラッと見たのですが全くその通りだと思っていて。
常識というのは持っていると思っているようで、実は何が常識なのか考えてみないと分からないことはままあります。
この作品のキャラ達にはそのような一般的な常識が色濃く組み込まれているように思います。
キャラクターの台詞であったり、次の行動であったり、制作サイドの常識があってからこそ、そういったキャラの言動が違和感なく受け入れられると思うんです。
こんな短い時間の作品の中でよくキャラを掘り下げられるものだと感心しますが、そういったスタッフの才能が一因となってる部分もあるのだと思います。
今時2クール使っても全然キャラが把握できないアニメなんてよくありますから。
勿論、他の作品のスタッフが常識を忘れているというのではありません、この作品はその部分が際立って感じられたというだけです。
全部で6話しかないということで、かなりオススメの作品です。