-?- さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ディストピア作品 超高度医療発達文明の末路の話であり百合な話
原作小説、伊藤計劃の最後のオリジナル小説
ノイタミナムービー第2弾、Project Itohの第2⃣作目(全3作)
原作読破済み
原作にほぼ忠実に再現、Goodです
PG12です、若干グロいです(個人差があります)
ディストピア作品の中ではちょっとない雰囲気の作品です
物語:2019年、アメリカ合衆国で発生した暴動をきっかけに全世界で戦争と未知のウィルスが蔓延した"大災禍"によって従来の政府は崩壊し、新たな統治機構"生府"の下で高度な医療経済社会が築かれた世界
WHO螺旋監察事務局の上級監察官として活動していた霧慧トァンは生府が禁止する飲酒・喫煙を行っていたことが露見し日本に送還されてしまい、零下堂キアンと再開し事件が巻き起こる…。13年前に自殺した親友(同志…百合)御冷ミァハの影を追う物語
声優:豪華です、御冷ミァハの声はイメージしていたのと違って新鮮だった
キャラ:ほぼ原作通りかと思います、主人公・霧慧トァンは印象が違うと思います
作画:セル画と3DCGの組み合わせが良い、人物も3DCGのところがあるがセルと見分けがつかない質感には驚いた、あと食事のシーンは作るのは大変だろうけどズルイナーと思いました
音楽:やはりEGOISTはよい、BGMも印象的ではないけどいい味があると思います
・まず映画単体としてで考えた感想から
まず全体的に暗く冷たいどことなく気味の悪い世界観だと思うと思います
(まぁなんとも日本が気持ち悪いこと)
ほぼ原作に忠実な感じに仕上がっていたのが良かったです
〈ラストシーンや微妙に削っているところなどありますが〉
原作ファンは満足されるかと思いますが…
やはりエンターテイメント向きな作品ではないかな~といったのがが正直な感想です
(単純なアクションアニメ寄りではなくて考えさせられるアニメなので)
ただとっつきにくいのですが、閉じてはいないという点がほかの作品と違うのではとも思いました
(専門用語とかで頭詰にされる感じではないということ、大体の人がなんとなくでもわかると思います)
作者の言いたいこと、つまり"意思"や"意志"、"魂"について、作者の意図をちゃんと汲んで作ってるところが良いです
でも、予備知識を持って見たほうが断然楽しめます
(せめて、虐殺器官だけでも読むことをお勧めします、ハーモニーの前の時代の物語なので)
・原作から考える映画の感想
主人公の霧慧トァンはアルコールを飲んで煙草を吹かすシーンを入れたほうが良かったのではと思いました。
〈映画の中では象徴としてチラっと出ますが、やはり実際に飲んで吸ってるシーンを見せたほうがとで後々のシーンやトァン自身の印象が結構変わったと思います、PG12なんだからヤロウヨ〉
上記に書いたことにも関連して、ラストシーンの印象が変わった印象がしました
エンターテイメントとして楽しむというより考えさせられるアニメの部類だと思います
予備知識があればあるほど楽しめる作品で肌に合わない人は少なからずいると思います
(メインがアクションではないので)
原作ファンや暗めのディストピア作品が好きな人にお勧めです
追記:Project Itoh作品の虐殺器官が制作続行が決定しました
(アニメ制作会社のマングローブの経営破綻で一時は中止になるのかと思ってましたが)
2016年内を公開予定だそうです