蒼い✨️ さんの感想・評価
3.9
物語 : 3.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
冷静に観たほうが良いかもしれない。
ネタバレだらけですので、ご注意ください。
革命機ヴァルヴレイヴという作品は、
作画は華やか。
キャスティングも良い。
OP&EDも素晴らしい。
宣伝にお金かけまくってる
だけど、ストーリーの矛盾点を検証すればするほど評価が下がる作品ですね。
個々に見れば盛り上げるシーンも多くもあるのですが、一連の物語として見ればイマイチな感じでした。
実は2部の第13話~第19話までは若干のツッコミどころがあっても、
まじめにロボットアニメしてるなと思ってたのですが、
終盤にきて、モブを中心に登場人物の精神状態の変遷が物語を進めるための単なる舞台装置みたいでした。
1期を思い出させる超展開が印象強くて、
ショーコというヒロインが出ると何故かおかしくなるのかな?
この作品のキーワード「世界を暴くシステム」かっこいい言葉ですね。
でも、暴かれた秘密って…、この物語の黒幕扱いのマギウスという宇宙人が、
人類から迫害されて殺されてきた歴史から、身を守るために築き上げたシステムなんですよね~。
人間社会に隠れて生きるのを目的に組織を作って権力を裏から操りつつ、ひっそりと生きていたい!
そう主張するマギウスですが人間の肉体を奪って何百年も生きていく存在ですので、
化け物として迫害されるのもわかりますし、
本当に可哀想なのは肉体を奪われて精神を消滅されていった人達ですよね。
生存のためとはいえ人間の生命力を食料にしている種族ですし、
必要とあれば秘密を守るために邪魔な人間を殺していく連中なので有罪といえば有罪ですけどね。
このアニメの主人公は、
「人間とマギウスがともに暮らせるための国を作る!道を拓く!」なんてことを言っています。
しかし、やってることは単純に武力で、敵対しているマギウスを倒すのみ。
あれ?普通こういう物語ですと、
地球人と異星人という相容れない異なる種族が和平に向けて話が進んでいく、
融和がテーマなのじゃないでしょうか?
バイファムとかマクロスとか、過去にそういう作品がありました。
主人公らの行動を見る限り、
マギウスは地球に要らないから倒す!という主張ならまだ理屈が通ります。
ジオールに侵略した責任をマギウスにとってもらう!
(侵略したのはマギウスに乗っ取られる前で人間だったころのドルシア総統とはいえ)
死んだ仲間の仇を取る。
俺達の居場所を守るために敵を排除する!
でも良いでしょう。
いかんせん、言行不一致な印象を受けました、
争いの結果、マギウスのメンバーが全世界に公表され、
「化け物は皆殺し」「害虫は駆除」といわんばかりに、
魔女狩りで無関係の人もたくさん巻き添えにして、
マギウスのメンバーは、ほとんどが人間の手で殺されてしまいました。
これって、マギウスにとって最悪のバッドエンドじゃないでしょうか?
人間とマギウスが分かり合うための物語なのに、こんな結末。
主人公の思いとは別に、一番怖いのは人間であり、主人公の思いは踏みにじられた!という話なのでしょうか?
それとも、主人公の主張「人間とマギウスの共存」に賛同しないから最終回でドルシアのマギウスを力で打倒したように、
目的のためなら、邪魔者は排斥しないといけないということなのでしょうか?
分かり合うというテーマから、外れている気がします。
もしくは、キレイ事をいくら言っても通用しない相手がいるから手段を選ばなくていいよ!という教訓?
このアニメの物語が目指したところは何か?焦点がぼやけてしまった気がしました。
結局、200年後の世界を通して、目標は達成されたみたいな扱いになっていますが、
その経緯は語られてません。
この事例からも見る限り、
かっこいいことを言って作画と音楽で雰囲気を作っているのが、革命ヴァルヴレイヴなのですが、
よくよく考えてみると、脚本が練り込み不足なんじゃないかな?
だから、称賛の声より苦言を呈されることが多い作品であるのかな?と思いました。
これにて感想を終わります。
読んでくださいまして、ありがとうございました。