じょー さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ミステリの古典を取り入れ、日常の謎に落とし込む
「遠回りをする雛」「手作りチョコレート事件」この2編の短編だけが、異質な雰囲気を醸し出していました。ほとんどアクセントくらいの存在であった、2組の恋愛模様が、はっきりと意識させられた2編だったのが、その原因かと思います。当初の予想通り、「遠回りをする雛」で、このジュブナイルストーリーは、見事に集結しました。原作を読んだ時に、この情景の美しさと、描写の素晴らしさに、素直に感心していたのですが、これが、アニメ界で作画には定評のある京アニで、ビジュアル化された様は、さすがの一言でした。告白にも至らないその微妙な心理模様を、桜と雛の描写で美しく描いて、千反田えるの置かれた立場を、哀しむでもなく、淡々と説明した後に、「これを紹介したかったのです」という言葉で占める最後に、なんだか失われたなにかを感じとれた気がします。最終回は特に素晴らしかったと手放しで称賛したいと思います。
ミステリとは言っても千差万別、日常の謎を中心に、謎解き半分、青春の苦さ半分で、描いてきた古典部シリーズ。アニメで見てみたいと思っていましたが、十分以上に満足できる出来でした。
以下各話感想
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21話「手作りチョコレート事件」
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19話、20話と壁殴りな展開が続きましたが、21話のチョコレートは米澤得意の青春のホロ苦いお話。「正体みたり」同様、全く救いのない話から、少しだけ救いのある話に改編されていました。アニメの雰囲気に合わせての改編には評価が分かれる所と思いますので、原作の方も読んで見られる事をお勧めしときます。個人的には、より現実的な原作の方が好きです。さて、本編は、短編集「遠回りする雛」の中から。こちらも同じく、同短編集からの1話Bパート「やるべきことなら手短に」との対比になります。一話で、奉太郎は自分のポリシーに照らして、千反田えるとの接し方を「保留」するのですが、同様に今度は里志が、摩耶花に対する接し方を「保留」します。「奉太郎の様には上手く行かなかったね」という言葉と、「千反田を傷つけた」という奉太郎の台詞に、心境の変化が読み取れますが、この伏線を繋いでの、次週「遠回りする雛」への展開で、奉太郎とえるの距離感を上手く描いていますね。
次週「遠回りをする雛」はおそらく最終話。個人的に映像化を最も期待していた作品ですが、京アニの手でこの短編が映像になると思うと、期待が大きくなります。
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19話「こころあたりのあるものは」
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登場人物は二人、「もげろ」という気持ちは分かりますが、まーおいておいて。放送の一文から、推理を展開していきます。ロジックを組み上げて形成された推測は、思わぬ方向の結論に至ります。ミステリに少し詳しい方なら、すぐにわかるかと思いますが、ハリイ・ケメルマンの「九マイルは遠すぎる」に対するオマージュです。ここを日常の謎に回帰させた所が非常におもしろいのですが、映像でみると、えるたそが可愛らし過ぎてミステリに集中できませんでした。なにこの可愛らしい生き物。
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18話「連峰は晴れているか」
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文庫、単行本未収録の本編。このシリーズで唯一未読の作品でした。奉太郎とえるの文化祭を越えた、二人の見方の変化を示してて面白いですね。奉太郎の過去の先生に対する「ただのヘリ好き」であるとすると相手に対し無神経に相当する。という、奉太郎の’表に出ない思いやり’に対してのえるの気持ちはどういったものでしょう。おそらく恋ではないのですが、好意以上の気持ちだったのではないでしょうか?ここら辺の変化を上手く表現していますよね。最初は興味から始まり、現時点では好意に近い段階でおそらく、この後、氷菓2クールを通じて、「遠回りする雛」までラノベ原作だったら、1pの半分ぐらいですすむステップを、ゆっくりとすこしづつ、非常に小さい進みですが、丁寧に積み重ねる描写は素晴らしいです。ちなみにミステリとしては、本作は残念賞です。えるですら、話の中盤で道筋を理解し、ある程度ミステリの回答を導き安くして、心境の変化の描写を持ってきているのかと。
次週は、「こころあたりのあるものは」、ミステリとしても、オマージュとしても、おそらく長短編含めて、個人的に本シリーズ最高傑作。期待のハードルを上げておきます。
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17話「クドリャフカの順番」
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クドリャフカの順番解決編、米澤得意の青春の苦さを描ききりました。今回は特に出来がよかったように思います。クドリャフカのテーマは「才能」と「平凡な人の忸怩たる思い」「そこから生まれる期待という絶望」に集結させられた感があります。才能とは、残念な事にそれを望み努力を続けている人の元に現れるものではない、悲劇。というコンセプトは、太古よりあまたの作品ありますね。田辺から陸山へ、里志から奉太郎へ、摩耶花から河内へ、河内から春菜へ、様々な持たざる人から持つ人への思いを上手く照らされていたかと。特にアニメ化することにより、里志のキャラクターが非常に秀逸に造形されていると感じます。今回の摩耶花と里志の渡り廊下のシーンは素晴らしい描写だったと。
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15話、16話「十文字事件」「最後の標的」
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さてさて、やっとこさABC殺人事件をモチーフとしたミステリらしくなってきました。そして無関係におもわれた事柄を、姉の供恵という、チートにより無理矢理繋げて行きます。ここのところは多少強引さを感じ得ないですね。「クドリャフカ」が「愚者」とくらべてミステリとしては評価されてないのもここら辺が原因かも、ジュブナイルとしては一番楽しいのですが、、、
弦を盗まれたけいおん部ですが、中の人は皆さんおそろいでカンヤ祭にご参加の様です
氷菓のアニメ化で一番素晴らしいのは、里志の描写です。文章では伝わらない所にスポットが当てられなかなかに素晴らしいですね。
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14話「ワイルド・ファイア」
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この場面が原作でも、一番楽しいエピソード。わらしべの結果がチーム古典部を助け、最後の摩耶花無双で、古典部の優勝。愚者での一人先走る奉太郎と、奉太郎を含めたチームワークで勝利するワイルドファイアでの古典部との対比。漫研でのギスギスした関係にすり減っていく摩耶花と、古典部で可愛らしさいっぱいに表現された摩耶花。この対比が非常にくっきりしていて、面白いですね。そしてここまではエピローグ。謎がやっと形を見せてきました。
今回は、摩耶花タンの可愛らしさにやられました。
あと杉田フリーダムすぎです。「私、気になりません」が聞けなかったのは残念
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12,13話「限りなく積まれた例のアレ」「夕べには骸に」
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文化祭を舞台にした、クドリャフカの順番の導入部。課題は発注ミスで多すぎた200部の販売。原作通り、4人のそれぞれの立場からの描写が繰り返されます。若干あざといくらいの、えるの可愛らしさと、漫研での摩耶花の立場と派閥の形成、そして、謎が謎に成る前の伏線張りを進めています。にしても、11人いる!とか、懐かしい。個人的には、ミステリとしては、「愚者」が一番面白いのですが、「クドリャフカ」の方は、最も楽しい章かと。
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11話「愚者のエンドロール」
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そして本来の意味での解決編、作者得意の青春のホロ苦さが良く表れていました。結局に奉太郎フルボッコになった原因は、古典部ではなく、折木奉太郎として解決を試み、結局は入須冬美、しいては、供恵にいいように扱われてしまった事。そして、奉太郎が千反田のことを解らないというときには、必ず見落としがあること、自分の能力を過信して、結局に、本郷の本意に真っ直ぐに向かっていった千反田えるが”正解”を導き出す本筋であったこと見抜けない所が、いかにもほろ苦い青春だなと。愚者は綺麗に構成されたミステリです。
ライオンをコントロールしている女王、供恵は地球の反対側に居ながら、入須の本来の目的すら簡単に見抜いて、奉太郎を子供扱した入須に、しっぺ返しを食らわせていたのは面白い。常に最後の黒幕として君臨する供恵の存在感がいいですね。
この愚者の面白いところは、現代ミステリーの要素と、ミステリー史の展開を上手く利用しているところ、ミステリーという枠のなかで、密室殺人からどんな展開が予想されるか、スプラッタであったり、叙述であったり、さんざん考えさせた上で、結局にはさらに一つ上の視点からの解決により、読者を裏切る所が面白いミステリ作品だったと思います。
この作品は、チョコレート殺人事件に対するオマージュ、所々にでてくるチョコレートの描写が示唆していました
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10話「万人の死角」
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さてさて解決編。上手いこと上級生のいわゆる、”いい女”に乗せられた奉太郎。見事に事件を解決して、めでたしめでたし。
とはいかず、ミステリ的なプロットの回収がまだほとんど終わっていない事に気付く所まで、真の解決編の手前まで。いよいよ本格的な謎解きに入ります。ここら辺から、いわゆる20則に反した内容になってくるところが、この作品の面白み。いわゆる叙述トリックです。そして女帝と里志による、才能のない人の比喩も、見所でした。ここの苦さも、上手く表現されてましたね。古典部ではなく、奉太郎を踊らせたのは何故なのでしょう?もういちど先週の古典部面々のセリフを思い出してみてください。
それにしても、ヒロインなにしてんの?いや、「後でです」可愛かったけど、今週は巨乳先輩と、摩耶花さんにもってかれてますよ。存在感ないですよ。
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9話「古丘廃村殺人事件」
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ウイスキーボンボンでしたが、ここにも微妙な隠しテーマが。それにしても、よっぱらいえる。ちょっとあざとくないですか?ちょっとやり過ぎじゃないですか?かわいいけど。ちょーかわいいけど。凄くかわいいけど。複数の登場人物による、推理が進みます。ミステリとしての考え方の違いを3人が如実に示します。正確には、サスペンスとミステリとホラーの違いなのですね。
まー今回は、酔っぱらいえるに全てもってかれた感じですが
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8話「試写会に行こう!」
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今回から、愚者のエンドロール編へ突入。ミステリとして、本格的になっていきます。あまりにも多数の伏線、なんだか少しつつくだけでもネタバレしそうな、伏線の張り方です。下記クリック注意ください。そして、棒声優たちの豪華な事。この上ないですね。
まずは、携帯とチャットの画面。ここだけで、大体誰が会話しているのか解ってしまいますが、ここが大きな伏線です。そして、Lとの会話で、古典部の面々が試写会へ誘われます。
タロットカードもまた、各人の個性を示していますね。この話に解釈できそうな、カードの意味を引っ張ってみると
0.愚者 (える)好奇心・冒険・無心・夢想・勇気
1.魔術師 (里志)創造・意識・スタート・指導力・意志・手腕・外交
3.女帝 (入須)理解・聡明・実り・行動・手紙
8.力 (里志の奉太郎像) 独立独歩・理性的・誠実・寛大・名誉
11.正義 (摩耶花)平等・正しさ・行政・正当な判決
17.星(えるの奉太郎像)希望・ひらめき・願いが叶う・新しい発見・未来の可能性・啓示
なかなかにキャラクター付けがされているのが解ります。そして、題名が愚者のエンドロール。”愚者”とはだれでしょう?
普段ミステリに慣れ親しんで居る方は、チョコレートが出てきた時点でピンと来るかと思いますが、今回の愚者に関して、ある作品のオマージュです。ヴァン・ダインの20則を持ち出しながら、”探偵役は一人でないといけない”を破り、複数探偵による推理とそれを評価する奉太郎と古典部という図式に持って行きます。この非正統的な手法にて、正統な探偵小説の図式を解説しながら進むというのが、愚者の楽しい所です。
最後のWhy didn't she ask EBA?は、アガサ・クリスティの小説から。
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7話「正体見たり」
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枯れ尾花ですが、米澤氏本人もツイッタでおっしゃっていた通り、この「正体見たり」こそが、日常の謎。今回のを面白く感じないのであれば、あまりこの先も楽しめないと思います。一応俗に言う温泉回だったのですが、えるたそより、里志のサービスシーンがメインという、がっかりはあったものの、千反田さんの意外に着やせしてるとことか、デルタとか、湯上がりの浴衣で看病とか、最後のシーンの笑顔とかもうね、、、気になります。最後の笑顔は良かったのですが、これは、原作がほろ苦い兄弟の事実を示したままだったのに対して、改編されていました。どちらが良いとは言えませんが、ビターな青春うんたらのポリシーはドコいったのかしら?
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6話「大罪を犯す」
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新章に突入する前に、今回と次回の2回に、「遠回りする雛」からの短編2作のアニメ化。今回は「大罪を犯す」です。奉太郎の中での、千反田える像の確立がメインテーマですが、一応、申し訳程度の、お粗末なミステリもあります。テーマの千反田える像を造っては壊す作業を続け、この中で自分が傲慢であることを知りますが、自分が千反田える像を造り、それに惹かれつつあること自体に、意識が向いてない所がジュブナイルな感じですね。
クドリャフカの順番の後に、それまでの話を補完する形だった、「遠回りする雛」。こうやって時系列に並べると、また違った見方が出来て面白いです。次回は温泉回ですが、あまり不埒な期待はしない方がよろしいかと。
最後の副題が、Little birds can rememberに変わっていましたが、これは、「遠回りする雛」の英題。こちらも、「時の娘」同様、クリスティの「象はわすれない」をもじっていますね。この英語題が、出典を示す様です。
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4-5話
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謎解きです。45年前の事件と氷菓の題名の謎が解き明かされます。奉太郎の心境の段々の変化と事件の深みが上手く表現されて、原作より印象深く出来ていました。奉太郎の心境は、バラ色と灰色という印象的な言葉で、わかりやすく説明されていたと思います。謎解き自体は単純であまり捻りがないのですが、そこに込められた意義を印象深く演出していました。5話については素晴らしかったと思います。氷菓でこの出来だったら、原作力のもっと高い、愚者や、クドリャフカなどの今後が楽しみです。
キーパーソンの折木供恵ですが、ベナレスからの手紙と関谷純の行方不明から、インドで何かがあったと、うがった見方もできます。そうすると、結局に、上手く奉太郎を使っただけという印象も受けますね。
来週の「大罪を犯す」もミステリとしては今ひとつですが、京アニの料理の仕方に期待してみたいです。
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3話「事情ある古典部の末裔」
{netabare}
3話は、「事情ある古典部の末裔」と「由緒ある古典部の封印」から。
題名にした、折木供恵の言葉ですが、年を取ればとるほど、身につまされる言葉です。さて、3話は、いよいよ氷菓事件の本題へと近づいていきます。45年前の事件についての、身内について調査を依頼するえる、受ける奉太郎。ここら辺の微妙な距離感がなんとも、初々しい。ろりたそ~。壁新聞部から古典部の文集氷菓のバックナンバーを手に入れ、いざと言うとこで、「すべては古典になる」というセリフの優しさと思いやりが素敵です。
今回は監督に代わって、演出とコンテが石立太一さんに変わりました。この方は、けいおんの1話アバンとか、ハルヒの長門串刺しのシーンの演出をされている方です。今回も演出の冴えがありましたね。
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2話「名誉ある古典部の活動」
{netabare}
ポニテのえるたそ可愛い~、私服のえるたそもイイです
原作の「名誉ある古典部の活動」から愛のない愛読書の謎解きでした。伊原摩耶花が登場。かやのんはこういうのも出来るんですね。心配していたのですが、不要のようです。物語の方は原作通りに、まったく進展なく、だらだらと進行します。「氷菓」編が終わるまでは多分この調子だったかと。来週あたりかたいよいよ本題に入っていきます。千反田えるのさらに詳しい説明、気になりますモードのときの距離の近さ、面倒くささ。そして、4人の基本的な立ち位置を比較的丁寧に説明したかと。
前回の「現状に対する保留」は、無理矢理選択させられそうな、メニューという形で補足。奉太郎の葛藤をもう少しわかりやすく表現しています。
最後に書かれている、The niece of timeは、「時の娘」へのオマージュ。歴史から、真実を紐解いていく物語に相応しい副題ですね。これらの副題は、各巻事にあります。古典部シリーズそのものが幾多の東西のミステリのオマージュ的な部分がありますので、この副題にもそのヒントがあるかと。ミステリ好きの方は、こちらも注目してみてください。
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1話「伝統ある古典部の再生」
{netabare}
えるたそ~~ これは可愛い
とうとう待ちに待った、古典部シリーズのアニメ化、かなり話題になっていましたが、この話題を裏切らない、高いクオリティのアニメでした。「氷菓」の「伝統ある古典部の再生」と、「遠回りする雛」から短編「やるべきことは手短に」の2つのショートストーリーで物語の背景を説明しています。ともに、ほうたろが千反田えるの瞳に捕らわれていく理由を説明した2編で、原作では分かれていた時系列を、並べてきました。尺のせいか、女郎蜘蛛の会の部分は特に説明不足というかは切っていけない所をはしょったと思います。演出も若干くどいですね。
里志のいう所の「現状に対する保留」。この意味を捕まえられるかどうかで、今後の楽しみ方が大分変わってくる、大事なコンセプトと思うのですが、あえて詳しく説明しすぎない所は好感を持てました。おそらくコレを説明するために、「やるべきことは手短に」をこの位置にもってきたのだと推測します。
ですがなにより、この作画の素晴らしさは、これだけでも一つの価値がありますね。OPの絵や、えるの振り返るシーン、えるの手を出すシーンなどなど、非常に印象的な絵で、しかもぬるぬる。超ぬるぬる。これが最後まで続いてくれることを祈ります。
少し心配であった、しゅがえる。若干軽い気もしますが、なかなかよかったと思います。なにより可愛らしさを重視してますね。振り返るあのショットだけでも、えるの魅力に引き込まれます。
男性陣の方は、意外にも中村さんの方に違和感が、まーでも多分慣れるでしょう。
(でも、まー黒髪ロングのセーラー服がもっと似合う声優さんもいるのに、、、)
でもやっぱり、地味だな、、、、
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視聴前レビュー
{netabare}
現在は、ベストセラー作家と言っても過言ではない米澤穂信さんのデビュー作であり、古典部シリーズの第一作となる「氷菓」が京都アニメーションによってアニメ化されます。ヒロイン、千反田えるの印象が強く、一般文庫で挿絵のない作品だったので、ビジュアル化して欲しいと願っていた作品だけに正直嬉しいです。それも京アニ。
京アニのサイトで、キービジュアル、キャラクターデザインの公開されています。える嬢の可愛らしさが十分発揮できてたので、ちょっと楽しみです。そして1話のカットも公開されていますが、なんというか、える嬢がイメージ通り過ぎてちょっと期待が過多になりすぎてしまいそうです、
京アニでは、以前から「ミ」のつくジャンルの新作を作成するという噂が流れており、ミリタリーのフルメタ4期かと騒がれてました。が、蓋を開けてみると、ミステリーそして、米澤作品のアニメ化と驚きの発表でした。
古典部シリーズは、北村薫から繋がる、いわゆる「日常の謎」を題材とした作品で、青春ミステリーという呼び方をされています。現在まで、「氷菓」「愚者のエンドロール」「クドリャフカの順番」「遠まわりする雛」「ふたりの距離の概算」の5作品が刊行されています。氷菓はこの一作目で、作品が移る度に、アニメの方も題名を変えていく予定と。初出は角川スニーカーでラノベだったのですが、現在は一般の角川文庫になった作品です。主人公はどことなくハルヒのキョンを彷彿とさせますが、氷菓の方が発表は先であることを米澤氏の名誉のため書いておきます。
主要登場人物は4人
折木奉太郎
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に」無気力系主人公の探偵 ホームズ役
千反田える
「わたし、気になります」好奇心旺盛なお嬢様 依頼人役
福部里志
「データベースは結論を出せない」傍観者、記録者 ワトソン役
伊原 摩耶花
「ひさしぶりね、会いたくなかったわ」
アクが強い活発系だが、里志一筋 レストレード役
神山高校の古典部に、OBである姉に無理矢理入らされた奉太郎が入部するところから物語が始まります。4人を中心とした出来事に対して、えるの好奇心答える形で、奉太郎が謎を解いていく作品です。
配役は、
折木奉太郎 中村悠一
千反田える 佐藤聡美
福部里志 阪口大助
伊原摩耶花 茅野愛衣
折木供恵 雪野五月
遠垣内将司 置鮎龍太郎
入須冬美 ゆかな
糸魚川養子 小山茉美
読書中は、千反田えるの声は、能登麻美子で再生していました。ちょっと予想外でしたが、佐藤さんのチタンダエルは雰囲気もあっていて、期待できるかも。ご存じの様に、中村さん、坂口さんはまんまCLANNADのコンビ、あの二人と関係性も似ていますね。茅野さんが一番以外だったかも知れません。少し気の強い摩耶花をどう演じるのでしょうか。遠垣内の名前がクレジットされているのは、クドリャフカまで行くかもしれませんね、少なくとも入須冬美は愚者まで出てこないはずなので、氷菓だけで終わる訳ではなさそうです。
そして、小山さんとは、また凄いの連れてきましたね。40のおっさんが小学校に入る前には、すでに一休さんの弥生ちゃんで、小学校の時にキシリア・ザビしてた人です。雪野さんや、ゆかなさんもですが結構渋いキャストです。
スタッフは、
シリーズ構成:賀東招二さん
キャラクターデザイン:西屋太志さん
監督:武本康弘さん
ハルヒ2期以来の監督となる武本さんと、「フルメタ」の賀東さんという組み合わせ。作者の米澤さんも構成に参加するとのこと、これは益々楽しみになってきました。アニメ化の難しいミステリーではありますが、PAの「Another」につづいて京アニの挑戦、いまからワクワクしています。作画のクオリティには定評ある2社の比較という意味でも注目してみたいです。とはいえ、ホラー色の強い「Another」と、学園ドラマ風、日常の謎の「氷菓」は同じミステリと言えども180度雰囲気の異なる作品。比較にはあまりならないかも知れませんね。
{/netabare}
あとおまけとして、こう言うの読んでたら、氷菓をもっと楽しめると思いますって感じのミステリ集
時の娘 ジョセフィン・テイ
毒入りチョコレート事件 アントニー・バークリー
三つの棺 ジョン・ディクスン・カー
なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか? アガサ・クリスティー
ABC殺人事件 アガサ・クリスティー
九マイルは遠すぎる ハリイ・ケメルマン
十三号独房の問題 ジャック・フットレル
アイザック・アシモフやら、共産党宣言やら、確かにこうやってみると何故古典部なのか解りますね