chariot さんの感想・評価

4.0
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

1期の軽さはどこ行った？？

全13話。
少年誌に掲載中の漫画を原作とした作品。
2014年冬期に放送された作品の2期になります。
2期からでも観られなくはないですが1期を観てからの方が良いと思われます。

社を持たない神様・夜卜、彼の武器となる神器・雪音、事故で幽体離脱しやすくなった少女・ひよりの3人をメインに神と神器たちの対立や友情（？）を描いた作品。

1期は比較的お気軽なギャグテイストで後半に向けて次第にシリアスなる展開でしたが、今期は初っ端からシリアスモード。


6話まで視聴。
毘沙門編完結のようです。
{netabare}過去に因縁のある夜卜と毘沙門。
夜卜の神器である雪音は毘沙門の神器の少年・鈴巴と出会う。
神器は人には認識されにくい為に同年代の友達のいない雪音は初めて出来た友達に喜ぶが・・・

まだ1クールの半分ですがとても濃い前半戦でした。
1期のラストがこれだったらもっと評価上がってたかもしれないなんて思うぐらいに。。
最強の武神である毘沙門のメンタル面の弱さ。
主を思う気持ちが強すぎる神器。
ありえないぐらいの夜卜のカッコよさ。
雪音、いい子になったなあ・・・。
1期もそれなりに楽しんで観ていましたが2期は本当に毎回楽しみでした。

{netabare}こじらせた因縁、毘沙門が自らの過ちを自分の目でしっかり見つめ改めるラストは良かったと思います。
しかし6話は大団円を目指したのだろう、毘沙門の乙女な発想「交換日記」とかヤスミ治療中の囷巴が首にエリザベスカラー（犬猫が患部を舐めないようにする為に首に巻くヤツ）してたり、ほのぼの感も良かった。

神と神器の在り方が特殊で一般的な考えでは理解出来ないシステムだったりしてその意外性が面白い。
神が成す事は全て善。
なので主である神が道を間違えないように人である（元、人か）神器が正しくあり導かなければならない。
・・・神器ってただの戦力だと思ってたんで、そこは神器が悪い事や間違った事をすると出るヤスミとか1期からあった流れが綺麗に繋がって、良く出来た設定だなあと思わず感心しました。
しかし神器自身が正しいと思っている事に関しては刺されない・・・
だから陸巴は刺していない。
主を正しく導く為にも神器は常に正しく生きないとならない・・・
なんだかそれも自然とモラルの備わった神器じゃないと結構な苦痛を感じそうな生き方だけれど。{/netabare}


謎。
兆麻が陸巴を名で縛れなかったのは何故か？
これアニメでは説明されてないままなんですが・・・
原作愛読者である友人に説明を求めた所の回答がこちら。
{netabare}「名で縛るのは全ての名を呼ばなければならず、陸巴は実は他にも契約している神がいる（＝野良）ので「陸」の名だけでは縛れなかった」 {/netabare}
・・・さらっとネタバレかよ。。
まあ、原作が続いている話なので仕方ないですね。

とりあえず次回から新章突入。
次はどんな話なのか、楽しみです。{/netabare}


全13話視聴完了。
音楽関係でトラブルがありまして（宗教関係の扱いは細心の注意が必要ですね…）放送予定がズレまくって終わるのか心配しましたが無事放送終了となりました。

毘沙門編は先に書いたので恵比寿編の感想を。
{netabare}いやぁ…なんというか、面の存在が1期から不穏な空気を出していたので面持ってる＝恵比寿が悪という構図を無意識に構成して、途中まですっかりラスボス扱いして観てしまいました。
夜卜が黄泉見つけた辺りからあれ？天然なの？？あれ？？？と恵比寿本来の人となりに気づき・・・（遅いです）
勝手にミスリードされちゃってましたが、真の目的を知るともはや聖人にしか見えなくなりました（笑）

夜卜が神様の在り方を考えるようになる良い話でした。
正直言えば毘沙門編ほどのバトルの熱さや神器と神との絆的な感動は得られなかったのですが、人の為にあろうとする恵比寿の姿勢が最終回の夜卜が野良を放ち人の為に妖を斬る（今までもそうだったとしても意識が違う）エンドに繋がり、とても綺麗にまとめられていたと思います。

また毘沙門の恵比寿を守ろうと奮闘するシーンも毘沙門編を経てからの活躍なので天の意思に反しても恵比寿につく彼女の仲間を想う優しさが感じられました。

しかし、最終回のCパートが…
3期やる気あるんでしょうか？
何も更なる黒幕の存在をあの形で出してくるなんて。。
藤崎がひよりにした事は夜卜への当て付けなのか？
父様は何をしたいのか？
いいエンドに無理矢理押し込んできた不穏。
2期はとても良かったので3期への期待を持てるのは良いのですが、今回は今回でいい感じで終わらせて欲しかった気もします。{/netabare}


間に入った7話。
6話の時点で毘沙門編終了と思ってレビューを書いたのですが、どうも7話も繋ぎ回であり、6話の続きでもあったようです。
これが個人的に神回。
お社を持たない夜卜にひよりがお手製の小さなお社を作って上げる回です。

{netabare}小さなオモチャのようなお社。
ひよりはホントいい子だなあ～と思って観ていたら夜卜が泣き出す展開にびっくり。
過剰反応すぎないか？と思ったのですが、その後の小福のセリフで人からの感謝、ずっといて欲しい気持ち、認められる事、そういった「社」の本来の意味に気づいた時、目頭が熱くなりました。
今まで個人的に同調する事のなかった夜卜というキャラに対して素直に良かったね、嬉しいね、と思えた・・・非常にベタで狡猾な手法なのに。。
これは夜卜の今までの描き方もポイントだと思います。
社を建てたいと常々言っていましたが理由を明確にしていなかった。
家が欲しいだけなんだと思ってましたし、単に他の神様は社があって羨ましいだけなんだと思ってました。
それが誰からも必要とされずに今にも消えそうな存在のまま生きてきた彼を必要だと認めてもらえた証が「社」、このポイントが自分の中で綺麗にまとまった結果が、このシーンの感動の元なのかと思います。
大変素晴らしい回でした。{/netabare}


まとめ。
1期では変な神・夜卜と仲間たちのやり取りが面白いだけのかなりライトな作品だと思っていました。
雪音関連では重い場面もありましたが、ラストも呆気なく、基本キャラ推し作品だと。
しかし2期は一転してシリアスモードが大半を占める展開で、引きの上手さも相まって毎回次回を楽しみに出来る作品でした。
キャラの立て方や心情がやや女性寄りに感じられる作品ですが、良いポイントを押さえた流れで大変面白かったです。


{netabare}ライオンさんが可愛いので小恵比寿のように僕もモフモフしたいです。。

恵比寿爆散シーンは衝撃でした。。普通に息を引き取るのかと思ったら。。{/netabare}