どらむろ さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
虚淵脚本(ニトロプラス)&板野サーカス!陰鬱ストーリーとCGバトルが見所、前半は面白いが後半ダメ
GONZO(ゴンゾ)とニトロプラスのコラボ作品、全24話。
ジャンルとしては超人バトル系(近い時期だとキスダム等)か。
いじめ・貧困・移民への差別など、かなり陰鬱なストーリー。
前半のドラマは素晴らしいのですが、後半まるでつまらないのが非常に難。
見所はCG駆使した「板野サーカス」のアクションが迫力満点な事でしょうか。
虚淵さんの鬱展開が好きな方には結構いける…かも?
{netabare}『物語』
近未来のドイツを舞台に、融合体「デモニアック」という異形の化け物と戦ったり、自らがデモニアックになってしまう男たちの苦悩を描く。
SF寄りの異形バトル系で、緊迫感は中々のもの。
前半というか序盤の、栄光から一転挫折に苦しむトップレーサー・ゲルトの物語が非常に濃厚で引き込まれました。
ゲルトに憧れ、彼の言葉に救われた男・ヘルマンとの友情も熱い。
人生の光と闇、立場が逆転して今度はヘルマンがゲルドを救っていく流れは感動でした。
…しかし、本作は美談にはならぬ、サツバツとした作風であった。
ゲルドの妻めっちゃムカつきますw
イジメ…というレベルではない、移民への苛烈な差別は気分悪かったです。
※ドイツ舞台で移民排斥と言えば「マスターキートン26話」でもありました。
こちらはハッピーエンドで後味良かったんですが…。
ここら辺が終始後味悪いのですが、「GANTZ」よりはちゃんとストーリーに活かされているのでマシかも。
インガオホー!マレク君がクソガキ殺っちゃった時正直そう思った。
虐げられる者の悲劇、それでも信じ戦う者たちの信念は終始惹き込まれました。
1クール目の終盤の盛り上がりは非常に良かった。
絶望的状況の中、仲間を信じ希望を託して散っていく…王道ながらここは手に汗握りました。
…残念ながら面白かったのは前半クールまで。
ジョセフの過去回想が凄まじく胸糞悪い…。
あ~、これザーギンが闇落ちするの当然ですわー。人間クズすぎる。
過去回想で本作のバックボーンが判明、舞台をツヴェルフという組織に移しさあここからどうなる!?
…ここからが今一つ盛り上がらなかったです。
主人公が不在だったり、ポッと出のキャラがすぐに死んだり。
展開が単調過ぎる…。
バトルは激しいので、板野サーカスの迫力で何とか観れました。
むやみにヒロシマとか反米とかの左翼的な気配を感じるのもマイナス。
しかも唐突で底が浅いのも萎える。(まあ底が深くても興醒めするが)
ラストはまぁまぁ綺麗に纏まってた点は評価、終わりよければ…です、かろうじて。
総じて、前半に限ればかなりの力作でした。1クール終盤辺りは素晴らしい。
全般的には退屈かつ胸糞悪い作品でしたが、板野サーカスという見せ場あるのが救いでした。
『作画』
流石は板野サーカス、レースや空中戦やロボットバトルが熱いです。
CGはちょっとゲームっぽさもありますが、当時としてはかなりのレベルなのでは。
メカデザインもカッコイイです。作画で大分救われている作品。
キャラデザはまぁまぁ。
『声優』
実質メイン主人公だったアマンダの伊藤静さんの、強い女性キャラ良かったです。
ジョセフの松風雅也さん、ヘルマンの三宅健太さん、ゲルドの石塚運昇さんなど渋い男たちが良い感じ。
皆川順子さんの少年声もお見事。
花澤香菜さん、中原麻衣さん辺りは…キャラ的に地味な為か、ちょっともったいない感じ。
『音楽』
主題歌とBGMは中々カッコ良く、作風に合ってました。
板野サーカスと相まって、大分本作を救っていた感。
『キャラ』
ジョセフが主人公…なハズなのだが、あまりにも印象が薄すぎる。
実質的にアマンダが主役、強い女性でステキなんですが、彼女も後半今一つ精彩を欠いたような。
序盤主役のゲルドが一番共感できる男なのだがすぐにフェードアウト。
マレクも含め終盤活躍するが…それまでがムダに退場した感が強い。
XATの仲間達がカッコよかった。彼らが奮戦するシーンに限れば非常に良かった。
ウォルフは良い感じにゲスくて素晴らしい敵役であった。
ザーギンは…気持ちは分かるがボスとしては影が薄い。
良いキャラ達のハズなんですが…
ジョセフ含め、今一つ乗り切れないです。{/netabare}