「シリアルエクスペリメンツ・レイン[serial experiments lain](TVアニメ動画)」

総合得点
77.0
感想・評価
883
棚に入れた
3910
ランキング
655
★★★★☆ 3.7 (883)
物語
3.9
作画
3.6
声優
3.5
音楽
3.9
キャラ
3.7

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ネタバレ

zu さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

あたし、あたしはどこにいるの……

1998年7月から9月までの放送されていた時に観ていたら、多分内容の1/3も理解ができずにこれから先のネット環境がこうなるのかもしれないSF作品なのかな?と思ったぐらいだと思うんだけど、今観てみると17年も前に作られた作品で、今現在のネットの在り方を予想と言うか予言しているような内容と凄さには驚かされた。

この1998年と言えば、Windows98(日本語版)やiMac(インテリア性が高く、電源とLANケーブルを繋げるだけで、インターネットが出来たモニター一体型PC)が発売されて、PCブームの始まりつつある年だったんだよな。

NTTドコモが「iモード」サービスを開始したのが1999年2月からだったのにこの作品中で使われているコミュニケーション用コンピュータネットワーク端末の携帯NAVIは、現在のスマホとしか思えない事や、次世代プロトコルについても語られていているなど、この作品の制作スタッフが高度情報化社会の行方についてどれだけ考えて作り、今では現実になっているがこの時代では斬新な発想をひねり出してきたのは本当に凄いなぁ思った。

プロトコルとは
「情報をやりとりするための通信規約。システム間を通信により接続する際には、その通信に固有の情報処理のルール(通信規約)があり、これが異なると通信できない。このルールをプロトコルと呼んでいる」

また、本編中にインターネット接続にISDNモデムが出てましたが、ADSLのブロードバンドインターネット接続の普及が始まったのも1999年からでした。



前置きが長くなりましたが、感想です。
正直、難しい内容だったなぁw
物語の展開もサブタイトル前の語りや時々画面に出てくる文字の情報を観る人によって感じ方が違うように感じるように考察の余地を与えるリドル・ストーリー的な作り方と現実と幻想が混濁していて実験的で超現実的な作品で確実に観る側を選ぶと思いました。

と言うのも、この作品を観る人の持っている知識(特にPC関係の知識)と情報量によってかなりの差があると思います。それだけ専門用語が多いので…

それでも、現実と幻想が混濁している中にとホラーの要素が入っているので、不思議な感じのものが観たいという方にはいいのかもしれませんよ!

5話などはかなりホラーだったし、9話もMJ-12(マジェスティック・トゥエルブ)ロズウェル事件(ストーリー的には全然関係ないです)が出てきたところは個人的にはおもしろかったw

主人公の岩倉玲音(いわくら れいん)

本編の中では玲音、レイン、lain、れいんと4人が出てきますが、本体?となるのは玲音なのかなと…
この玲音こそがネット上で自我を持ちリアル世界と仮想世界(ワイヤード)に干渉する事が出来て、肉体の身体を実体化する事が出来る実行プログラムだったのではなかったのかと勝手に解釈をしています。

なぜなら、最終話にリアル世界をALL RESET Returnで全てが無かった事にした後にワイヤードの女神的存在のれいんを拒絶し、唯一の友達だったありすが大人になった時にも中学生のままの姿を現し、最後はモニターの中から「私はここにいるの、だから一緒に居るんだだよ、ずっと」のセリフから玲音はどこにでも遍在し実体化が出来るという存在になったんだろう思った。

それとこの作品の舞台であるWired(ワイヤード=繋がれたもの)
ワイヤードとはネットワーク上の仮想世界だと思っていましたが、この話の中では、死後の世界とも繋がっているんですよね。

1話で自殺をした 四方田千砂(よもだ ちさ)の死後の世界から来たメールや最終話でリセットした後は、玲音の存在は消えてしまっているが、物語の途中で死んでしまった人達がリアル世界に生き返ったという事は、死後の世界もワイヤードの一部だったんだよなぁ。

それならば、玲音がプロトコル7に書き換えてリアル世界の壁を壊してもワイヤードと繋がっていれば、肉体の身体の必要性が無い事も何となく納得できるけど、薄気味悪い話だよなぁ!

この「serial experiments lain」という作品はアニメがデジタル環境で作られ始めた頃のものなので、最近の3DCGとかを見慣れてると決して綺麗な出来ではないと思うんだけど、これを作った時代を考えると内容とか設定は凄い作品だと思います

個人的には、観て良かった作品でした(^^♪







余談です!
最初から最後までかなりの頻度で、重低音のヴーーーンという音が使われているですけど、何か聞き覚えのある音だなぁと思っていたんだけど、アルミのTIG溶接の時に出る音と同じなだよなぁw

投稿 : 2015/11/03
閲覧 : 487
サンキュー:

45

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