TAKARU1996 さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
孤独な群衆の反逆者
突然ですが、あなたは自分の友人が間違った道へと進もうとしていたら、どうしますか?
1 助ける
2 知らないふりをする
3 間違った道へと導く
選択肢は大体この3つに絞られます。
大体の人は1か2を選ぶでしょうか?
しかし、私は思います。
あなたがいくら友人の為に身を粉にして行動したとしても
友人の行いを無視して知らんぷりしたとしても
はたまた、悪の道へ友人を誘いこもうとしたとしても
結局は、その友人が自分で間違っていると理解できなければ、自身が救われる事は絶対にないのです。
さて、それでは『下ネタという概念が存在しない退屈な世界』のレビューをしていきたいと思います。
この作品を三拍子で表すなら、エロい!変態!(何故か)深い! ですかね…
正直ここまでぶっ飛んだアニメは初めて見ました。
下ネタに抵抗のない人は特に必見の内容となっております。
まず、この作品は「公序良俗健全育成法」という法律で性的な事柄を全て抹消し、日本から性的な言葉=下ネタが喪われた時代の話です。
少しでも該当する言葉を言えば即逮捕。
変なふるまいをすればすぐにお縄に頂戴される世界です。
とても常識的範疇から見事に外れた綺麗な世界、それがこのアニメの舞台装置となっております。
冒頭で私は奇妙な文章を書きました。
これはこのアニメの世界観を表す比喩表現として書いた物です。
タイトルにもなっている「世界」と言う単語は最初に書いた道を違えてしまった友人その物なのです。
この世界=友人ならばそれに対処する私達はどうでしょうか?
差し詰め1=反体制派、2=一般人、3=体制派と言った所ですね…(わかりにくい例えですみません)
間違っている事を間違っていると認識できない、やっている行動はどこかおかしいのにそれをおかしいと判断できない。
認識力の欠如、自己判断能力の皆無。
表現の自由を奪われた世界がこのアニメでは常識としてまかり通っているのです。
その結果、子供の作り方も、性欲と恋愛の区別も、性欲のはけ口の史料も全て消され、多くの主要キャラが生物として大事な部分が欠落した人間として描かれてます。
私は正直、このアニメを観ていてぞっとしました。
こんな世界になった日本に未来などあるのでしょうか…
しかし、その悪行を打破せんと立ち上がった者達がいます!
それがアニメ内で1を選んだ者達、反体制派の方々です。
主人公はそのレジスタンスに組み入る1人、雪原の青こと華城綾女先輩に協力する形でこのディストピアへ叛逆していくという内容となっております。
彼らはこの世界が間違っている事を客観的に判断し、もう一度一般人の心を見つめ直させようと様々な活動をしていきます。
この作品はそんな彼らの戦いの記録を記したいわばレジスタンスSOXの活動日誌なのです!!
とまあ、ここまで真面目にダラダラかきましたが、決して身構える事はありません。
ただの安心なエロギャグアニメなので(笑)
自分の性で何でも小難しく考えてしまう私の悪い癖がまた出てしまいました。
では見所を1つだけ紹介したいと思います。
これはもう既にご存知の方も多いかと思いますが、登場キャラクターの1人、アンナ・錦の宮先輩です!
彼女の行動に何度腹を抱えて笑ったか。
夢に出そうなくらいの凄まじいインパクトとおかしくなる前のギャップで笑い過ぎて過呼吸になりそうな程でした。
アンナ先輩演じる松来未祐さんの演技でこのアニメは一気に面白くなったといっても過言じゃありません。
今から見る方々は少なくとも4話までは必聴です!!
最後に1つだけ
松来未祐さんに心よりお悔やみを申し上げます。
最後にこんな素敵に爆笑できるアニメを残してくださって、本当にありがとうございました…