にゃんた さんの感想・評価
3.5
物語 : 2.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
融合失敗
2012.2.20(第2レビュー)
2012.3.26(第3レビュー)
物語は、前作を上回る規模の戦争を題材とし、各国の登場人物達の思惑や葛藤を描く。
世界観は独特・壮大で、戦争を描く。
そして、戦争である以上、ストーリーも必然的に重くなる。
その一方で、全体の色調、キャラクターの性格、デザイン、戦闘シーンの質感などが明るく軽い。
「暗・重」と「明・軽」
相反するこれらの要素を上手く融合させることができれば、
お互いがお互いを強調する結果となり、
「暗く哀しい現実を打破できる終局的な武器は、純粋な理想である」
という、強烈な説得力のあるメッセージ性の強い作品になったはず。
しかし、結果的には、その融合に失敗してしまったように思う。
それは、登場人物達の掘り下げを欲張ったことに起因するのではないだろうか。
登場人物が少ない前半は、各人にスポットが当たり、丁寧に心理描写ができていたように思う。
しかし、登場人物が増えた中盤以降も、その調子で全員のキャラ立てをしようとするものだから、結局メリハリが無くなってしまった。
さらに悪いことに、そのキャラ立てをするために無理にシーンを描いたために、
ストーリー自体のメリハリまでもを失わせる結果となってしまった。
ストーリーを上手く表現するために、どのような描写をすべきか、という思考ではなく、
ある描写をしたいがために、ストーリーを犠牲にするという、
根本的な考え方の間違いがあったのではないかと思う。
映像はとても綺麗で、空戦はスケールも迫力も十分。
なかなか世界観を明かさない設定は、1期と同様、良い意味で味を出している。
単体としてみれば、そこまで酷評するような作品ではないが、
前作の優れた部分を打ち消してしまった点で、大きな不満を感じる結果となった。