
退会済のユーザー さんの感想・評価
2.3
物語 : 1.0
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 1.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
高級感に満ちていました
※レビュー読み返してみて、我ながらやっちまった感じがしました。近々観直して、レビュー見直します。
このレビューにネタバレはないと思います。
声優、作画、キャラデザ、それぞれの完成度の高さは尋常じゃないレベルです。
しかし、アニメの完成度としては、どうでしょうね…。
美術では、100%憶測ですが、おそらく実写や3Dを多用していると思います。とても、いや、ものすごく異彩を放っていました。
描写には言語外描写が多く、一つ一つにおそらく意味があるのだと思います。ところが、深すぎるのか、あるいは、いらないものなのか、作品に与えた影響はあまり良いとは言えません。
キャラクターの表情の変化がほとんどありませんでした。感情の浅いキャラクターならばそれで良かったんでしょうが、今回はそうではなかったと思います。綺麗な絵と相まって孤高な感じを引き出していました。
対する声優。
声優はとても良かったです。感情もこもっていて、とても聞き心地が良かったです。
しかし、前述のキャラクターには、はっきり言えば全くあっていませんでした。感情表現が裏目に出ています。ここは、どちらかがどちらかに合わせるべきでした。
具体的には、少しトーンが高かったです。ここは個人差のある部分だと思いますが、私にはあのキャラクターから出る声だとは到底思えませんでした。
ここからはこれまで以上に好き勝手に書きます。ネタバレではないつもりですが、一応囲っておきます。
ここまでも大分雲行きの怪しいレビューでしたが、ここからは更に追い討ちをかけるようになります。
先に書きます。不快にさせたらすみません。
{netabare}
ストーリーがひどいです。迷走しています。
私はストーリーに目的を求めている訳ではありませんし、目的しかないストーリーなんて論外です。しかし、言の葉の庭は、何がしたいのか全く分からなかったです。
キャラが死んでいます。特に主人公。
確かに現実の人を切り取ったらこうなるでしょう。夢に理由がある場合など滅多にないでしょう。行動を起こす理由など気分が大半で、きっかけがないとウジウジしてしまうのが人間でしょう。
でも、それをわざわざアニメにして発信する意味がありますか?
せめて感情をきちんと分かりやすく表現して欲しかったです。キャラクターに通う血が全く感じられませんでした。
ものによっては作品を高めるのに一役買うはずの言語外描写が、ただの足枷になっていました。
45分がすごく長く感じられました。
それぞれに光るものがあってもダメな部分があればそこに引っ張られてしまう。また、調和が取れていないと良いものも色褪せてしまうのだなあ。
そんな感想が正直なところです。
そして、まとめ方。
これは何かの後日譚ですか?
登場人物がいつの間にか心に傷を負っているところからスタートしている作品、これ自体は珍しくもないですし、そこを解消する過程で物語が起きるのだからいいです。
しかし、その場合、傷の説明や解消は避けられないですよね。そのはずです。少なくとも私はそれでないと納得できないです。
そこをすっ飛ばして、ただ傷を舐めあってめでたしめでたしは、いくらなんでも無理があります。
傷を放置したままの安寧なんて、影を抱えたままの真っ暗な未来しか見えません。
いくら画面を明るくして、色遣いを明るくして、空にカメラを向けても、それは欺瞞です。何も解決してないではないですか。
そこからは何も生まれません。ただそこから落ちていくだけです。
良いものを掻き集めれば良いってものではないと思うのです。それが一つの作品を高める相乗効果を生まなけれぱ意味がないんです。それなのに、それぞれの目指している先がてんでバラバラだった印象でした。
しかも、その主軸となるストーリーがこれでは、どうしようもないと思いました。
本当にごめんなさい。私にはこの作品がこんな風に見えました。良い評価をされている方々を批難する気は毛頭ありません。それに、自分の理解力が足りないというだけなのかもしれません。
しかし、この作品にはこういう見方もある、くらいには思って頂けると幸甚です。
最後に
私は言葉には力があると思います。私は言霊信奉者です。
その立場から、
もう少し言葉を使って欲しかった
言葉には出さないところでの繋がりというものは確かにあります。それが美しいこともあります。私はその美しさも大好きです。もろくはかないそれは、場面にそぐえば大きな波となって心に押し寄せます。
しかし、このストーリーにするのなら、言葉を使って表現する必要があったと思います。言の葉の庭は、言葉無しで終わらせて良い作品ではないです。
言葉によって何かが変えられること、それが人の人生を変えること。それを描く作品なのではないですか?
そうすれば、もう少し心に響いたはずです。
少なくとも、私はそう思います。
{/netabare}