mkt03 さんの感想・評価
3.8
物語 : 4.5
作画 : 2.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
意外と良かった
本作の原作漫画は読んでいなかったのですが、
本編の原作小説・アニメはチェック済みで視聴しました。
観る前は、正直あまり期待していなかったです。
なぜ製作会社が違うのかとか、原作ストックがたくさんあるのに
なぜスピンオフなのかとか。ハルヒのアニメがまた観られる!という純粋に
嬉しい気持ちもありましたが、いろいろ不満の方が大きかったです(笑)
ですが、いざ観てみたら意外と面白かったですね。
本作の見所は何といってもオリジナルとの違いであります。
まずはやはり主人公の長門有希。
原作では無口無表情であり、今やその手のキャラの代表格と
言っていいほどの彼女ですが、今作では実に表情豊か感情豊かに
描かれています。まあ初めは、こんな長門は長門じゃない!と
斜に構えてたりしたんですが、やっぱり可愛いですね。
2話目くらいからすっかり心変わりしてました。
それから、朝倉涼子の存在ですね。
この朝倉さんがまた良いキャラしているというか、
一件ツッコミ役に見えて結構な大ボケをかますこともあるんですよね。
おかげで、ハルヒが純粋にツッコミ側に回るという原作では
まず見られない光景を観ることができました。
他に印象に残ったのは、長門と朝比奈さんの絡みでしょうか。
この2人、原作ではまず絡まないどころかまともな会話すらありません。
第三者に向けて、互いの事を言及することはあっても、
とにかく直接のコミュニケーションがまずなかったので、
本作で普通に会話していたりするところがとても新鮮でした。
特に長門の「朝比奈先輩」という呼び方にはぐっときましたね。
ストーリー面では、前半はほのぼの日常ラブコメで、
このラブコメというのが本編ではあまりないというか抑え目ですから、
それだけでもまず楽しかったです。
また、そのラブコメも、例えばハルヒと長門によるキョンの取り合いみたいな感じになるのは、
個人的には微妙だなあと思っていたので、早い段階からキョンと長門2人に焦点が絞られたのが良かったですね。
そのまま最後まで行くのかなと思っていたら、
一転して中盤はシリアスなラブロマンス。
事故のショックで長門有希の人格が変わってしまうというもので、
それまでの表情豊かな彼女がオリジナルに近いというか
ほぼオリジナルの読書好きの無口少女になってしまいました。
こういうショックで人や性格が変わってしまうというパターンは
よくありますが、その変わった人格がそれを認識し、別個体として
内面を描くというのは結構面白かったですね。
また、その人格が徐々に戻るというのも良かったです。
大抵は同じショックを受けて戻るというパターンが多いですから、
タイムリミットが設定されたことで、彼女の内面や彼女を取り巻く変化が
より印象深くなってました。
一方で、マイナス点を上げるとするなら、
作画はキャラによって差がありましたね。
特にハルヒとキョンがコレジャナイ感満載でちょっと残念でした。
全体的には、期待以上の面白さで良かったです。
改めて、涼宮ハルヒシリーズの持つ魅力は素晴らしいなと思いました。
と同時に、開店休業状態の原作や本編アニメが
今後動き出してくれることを願いたいですね。