ダレイオス さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.0
作画 : 3.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
ネトゲプレイヤーを傍から見ている感じ
2126年ごろの話でサービス終了日を迎えたネトゲを
寂しい思いでプレイしていた主人公、モモンガ(ネトゲ内の名前)が
思い出に浸っている所から始まる。中々いい感じですね。
主人公が現実世界ではサラリーマンなので
ここまで有給取ったり奥さんと喧嘩したりで少ない時間で
頑張ってきた思いが伝わり、今日で終わる残念さの演出は良くて
物語に入って行きやすかった。
最後にNPCキャラをチェックして、サービス終了したら
明日朝早いから寝る準備に取り掛かるという
何とも言えないリアルさの演出もあって最初から面白く感じることが出来ました。
そしてここで異変が起こる
何故かログアウト出来なくなりNPCキャラでAIにすぎなかった
自分の仲間が意識を持つようになり自分を従い
ゲームの世界がリアルのようになってしまった舞台での物語
2126年なので元のゲームはただのゲームではなく
フルダイブのバーチャルリアリティものでログアウトしないと元の世界に戻れない
危ない品物なのでしょう。
設定的にネトゲに閉じ込められるは最近では
よくみるものだけど主人公が現実世界ではサラリーマンで
ゲーム内では容姿もガイコツと少々異色なのが特徴的
そしてこのモモンガよく喋る、1話では自分が行っている事柄を
実況しているのがごとく語るのでこれが面白い。
自分がしている18禁に及ぶエッチな行為をまじめに実況したり
何か笑えました。
しかも容姿もガイコツなのでギャップもあってさらに笑えました。
とにかくキャラがいいと思う。
さらにモモンガは元NPC達のボスで魔王なので
元NPC達には威厳を保つために演技をしてカッコいい声で喋るのだけど
心の中はかなり不安で甘い声で喋るので、その温度差もギャップになっていて
イチイチ笑える。
そんなモモンガが匂いやを体温を感じることが出来るようになり
殆ど現実世界のようになった世界で冒険に出るのが
この作品の目的のようですね。
コプセントとしては既存の作品でよくあるネトゲの世界に出られなくなるタイプではなく
ネトゲの世界が現実になったら?を掲げているように見えました。
モモンガは1話にして人生に疲れていて現実世界に戻る気がないようにも
見えたので悲壮感も感じないし純粋にゲームの世界を楽しんでいるように見えました。
なので開始直後はこの手のアニメにありがちな悲壮感に襲われるシリアスで
疲れる展開にならないので純粋にゲームを楽しむ雰囲気作りが出来ていて
その辺の設定の工夫は中々のものだと思いました。
序盤はモモンガによる元NPCの紹介や元NPCがどんな奴なのかを
やっている感じで展開は遅いですね。
元NPCは「ぶくぶく茶釜」(字合っているか不満です。)となる
かつてのモモンガのネトゲ仲間と設定考えただけあって
いかにも男性が遊び心で考えたものが多くて
ネトゲというかTVゲームのキャラの設定を考えたことのある視聴者ならニヤリ
とするくらい設定は面白い。
さらにモモンガは現実世界化した世界のことは何もわからないので
まったく知らない素人な部分もあるので驚いたりしたりするのだけど
これだけなら単なる普通のファンタジーだけど
このネトゲを全てやり尽くしている所があり
その2つの要素があるので
イチイチ元NPC達に戸惑うモモンガなど
素人な部分で楽しめる部分や全てやり尽くしたからこそ
その知識で楽しめる部分もありでその融合は面白かった。
ただしやっぱり基本的には「俺強い」系ですね。
キャラが知識が豊富な所がありで楽しめるだけならいいけど
そうではなく最強レベルで強力な魔法、便利な道具は相当持ってそうで
ネトゲサービス終了時のステータスなんだから当たり前なのは
わかるけど、元がネトゲならどんなにステータス高くて道具は豊富でも
1人で無双出来るバランスはおかしい気はするし
都合がいい気がしてならない。
仲間同士で協力して倒しているならまだしも
そうでないので純粋にストーリーを楽しむというよりは
「さすがモモンガさん凄い・・・」を楽しむ内容でした。
凄そうな敵の魔法や兵士に対してさらに強力な魔法や道具で無双する。
敵の阿鼻叫喚はそれはそれで戦闘はシュールかもしれないけど
あんまり面白くない気はするしストーリーとしてもうーん?かな
敵との戦力差がありすぎて虐殺でしかないし・・・
敵に対してはうんちく言って自分には通用しないと言って
敵を絶望させ悲鳴を上げさせる。
主人公側がラスボスみたいで今のアニメは「俺強い」が主流なんだなっと思った。
ただしこのアニメ戦闘時間は長いので戦闘シーンは丁寧に進めているようですね。
敵が調子に乗ってからモモンガの強さに阿鼻叫喚するまでも
割りと時間かけているので、個人的には虐殺だとは思うのですが
人によっては丁寧に時間をかける「俺強い」は面白いと思えるのかもしれません。
敵さんの悲鳴が凄かったのでモモンガって魔王なんだなって
この時誰にでも悟れるでしょう。
中盤はお金が事情で使えなくなってしまいお金を稼ぐために
クエストで自分の元NPCの部下ではなく仲間集めて
みんなで冒険に出るのだけど
意外にこのクエストシーンは丁寧に交渉しながら進めていたかな
町の探索が丁寧で進むのでわかりやすかったのも良かった。
ただモモンガは強いので、「モモンガさん強い」と仲間から尊敬されたり
やっぱり「俺強い」「俺凄え」などの要素が大きいですね。
敵も戦う前から負けフラグ立てっぱなしだし
これはもうモモンガが強いというシーンを見せられる展開ばかりだったかな
こういうのは今流行みたいなので好きな人には合うのではないでしょうか
さらにモモンガは最強ステータスで道具も豊富に持っているので
戦闘時豪快に魔法や道具を何だかわけのわからない呪文や道具名を豪快に喋りながら使うので
「凄いな」とは思いました。
いったいいくら魔法や道具を使うのかと、これは驚きますね。
まあこの道具はモモンガがサラリーマンしながら涙ぐましい努力の結晶で
手に入れられたと語られるので、そのエピソードは泣けることもあってしんみりしますね。
後半は「俺強い」だけでなく意外に頭を使う戦闘もあったので
個人的にも最後の方の戦闘は見れる出来はあると思いました。
キャラについては元NPCの部下はモモンガにベタ惚れの女の子も多く
男性元NPCもモモンガが忠誠を誓い評価も高く親身になって
心配してくれると至りに尽くせはこのことだと思う。
魔王の部下だから当たり前だけど
何よりモモンガの演技しているキャラが良かったので
ここまでマンセーされても説得力があり変な感じはしなかったです。
モモンガに感情移入出来れば魔王になった気分になれるので
部下達は悪くなかった。
モモンガも私が見た限りではリアルについては
リアルとネトゲの両立の難しさなどの苦労話は語られたけど
どんな仕事に就いているのかとか詳しいことは
まったく触れなれてなかったと思うので
よくあるネトゲプレイヤーを傍から見ている気分で見れるのも
良かったかな、個人的には中の人はどんな人なのかな?
と想像出来るくらいが丁度いいと思うので
作画は地味ですね。崩れないもののキャラの作画は地味ですね。
モモンガはガイコツなので作画的にあまり代わり映えがしないのも
あるのかもしれません。
作画的に個性を出すために仮面したり鎧着てたんでしょう。
戦闘の作画も序盤こそ動くものの中盤以降はあまり動かないので
演出でカバーしている感じでした。
地味だけどギリギリ普通と言える作画の質はあると思います。
声優さんについてはモモンガ役の日野さんは二面性のある役ですが
上手く両方の個性は感じることが出来たので満足ですね。
カッコいい声と甘い声の使い分けは上手かったです。
仲間のNPC役の声優さんも役には合っていましたし
演技力はありました。
3話まではかなり丁寧で良かったのですが4話以降は「俺強い」
の良い部分と悪い部分両方が見られる作風だったかな
基本的に「俺強い」が好きな人は楽しめる出来だったと思います。
冒険したり、町を探索しているシーンは丁寧だったし
ストーリー進行は意外に丁寧でした。
ただ評価的にはあまりにも中途半端な終わり方だし
個人的な価値観で倫理的に問題がある所もあるので(いくら悪い奴とはいえやむごい殺し方、13話の、ん?な展開)
この評価ですね。