血風連あにこれ支部 さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
ハードボイルドな聖杯戦争
FateシリーズではこのZeroが一番出来がいいと思う。
その理由は戦いのシビアさがあった事。stay/nightが士郎を中心として青臭いキャラばかりで状況判断の甘さが色々目立っていたのに対して。
Zeroはハードボイルドな大人キャラが多くて、それぞれの状況判断も迷いなく固まっている。シビアな戦争をやっているという感覚があってとてもよかったと思う。
特に切嗣、ライダー、ギルガメッシュのキャラ立ちがいい。ギルはstay/night以上にキャラが立っていて別人かと思ってしまう程だった。
ただ、11話の聖杯問答に関しては少し頭でっかちだなーとは思った。
{netabare}国のための統治の正しさなんてその時々によって千差万別だと思うのに、ギルもイスカも暴君である事以外に聞く耳を持たず、民衆のために王であろうとしたセイバーを厄介者扱いしているだけだった。
これに関してはセイバーが押されていたが、単にそれは彼女が少数派だからで、言葉で言い負かされてたって感じでもなかった。むしろ正しさに関してはセイバーの方が勝っているんじゃないだろうか。
自分達の元いた時代ではそれが正しいかもしれないが、新しい時代に来てまで古い考えのまま。意見を吸収しようとしないのはまさにオールドタイプの暴君だなと思った。
まあ、これに関しては単なる意地の張り合いって部分もあるんだろうけどね。セイバーもビシッと反論決めたれよって思った。{/netabare}
まあ、そういう騎士王さんのだらしない所はZeroで随分クローズアップされていましたね。
{netabare}切嗣にずっと無視されていた所とか、キャスターの触手に捕まっている所とか、ランサーに助けられてる{/netabare}所とか。
これ見よがしにウェイバーとイスカの仲が良すぎたのは、サーヴァントとマスターの信頼関係の有無って奴を対比してたんでしょうか。
そういう意味では、リベンジを果たす意味でも今後のstay/nightに繋がってくるって事なんでしょう。
ZeroはZeroで、stay/nightを支えるための構成になっている。原作ゲームのスピンオフ作品としてあるべき姿だと思いました。
あ、ちょっと気色悪い連続殺人鬼とか出てくるので、そういうのが受け付けない人はやめといた方がいいかもですね。