「血界戦線(TVアニメ動画)」

総合得点
75.4
感想・評価
1205
棚に入れた
7018
ランキング
813
★★★★☆ 3.8 (1205)
物語
3.5
作画
3.9
声優
3.8
音楽
4.0
キャラ
3.7

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ネタバレ

yapix 塩麹塩美 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ボンズやるなぁ!すげーよこれ!!

すんげぇカッコいい!
ヘルサレムズ・ロットで繰り広げられるゴチャゴチャでドタバタで異常が日常の最低で最高な日々。
堕落王フェムトが
偏執王アリギュラが
絶望王が
異界の住人が
ライブラの面々が
引き起こし巻き込まれ過ぎ去っていくハイテンションな日々。
こんな日常だけでもお腹いっぱいになりかねない濃厚な世界観に、
ブラック&ホワイトを核にしたストーリーまで絡めちゃうんだもの。
面白くないわけがない!
原作は一話完結のバトル物?らしいが、
アニメ版は全話を通じたストーリーが存在し、
12話で物語として完結している。
これが、観終わった!という達成感を与えてくれる。

ブレングリード流血闘術
斗流血法・カグツチ
エスメラルダ式血凍道
どれも、すこぶるカッコいい!
歌舞伎の「見得」に連なるある意味伝統的な演出・・・痺れるぜw

全話つまんない回は皆無と言える出来栄えなのだが(総集編回すらも)、
{netabare}モンスタートラックの出鱈目さ、
アリギュラの恋バナの偏執狂ぶりとレオへの恋バナの無理強い。
そして、ラストの虚空を漂いながら崩壊していくモンスタートラックの長回し!{/netabare}
が印象的な第五話「震撃の血槌」
{netabare}魔笛序曲が神々しく鳴り響き、
レオナルドの絶叫がこだまする{/netabare}
最終話「Hello,world!」
も捨て難いが、今作の白眉は第三話「世界と世界のゲーム」。
{netabare}まさに第三話「世界と世界のゲーム」は出色の出来。
異界の深部へと誘う音楽のいかがわしさ。
プロスフェアー、複雑にして怪奇極まる盤上遊戯。
ウルツェンコの自惚れとドン・アルルエルの退屈。
クラウスの大見得と共に響き渡る第九第四楽章。
ドン・アルルエル vs クラウス
この闘いは歓喜そのもの。
無限と永遠の先に決して見通せない決着を欲してやまない魂の歓喜。
二つの歓喜が狂気と共に奏でる真実の「歓喜の歌」。
真の歓喜は常軌を逸した狂気の中にこそ宿る。{/netabare}

OPもEDもお気に入り。
OPはBUMP OF CHICKENの「Hello,world!」
摩天楼への憧憬、それ自体が生命力を持つかのように感じさせる都会の喧騒。そこにいるだけで、そこの住民となるだけで、力を得たように感じさせる魔力。そういったものを思わせる絵。悪くない。
EDはUNISON SQUARE GARDEN
恥ずかしながら全く知りませんでした。
「シュガーソングとビターステップ」
これ、めっちゃカッコいい曲です。
他の曲も聴きたくなるぐらいイイです。
曲についている絵がまた良いんです。
果てしなく続くパーティー、
非日常の毎日が延々と続く日常、
そんな日常をハイテンションに自然体で乗りこなす日々。
そんな気分が凝縮された観てて楽しいエンディングでした!

プロスフェアーについて再び
{netabare}ウルツェンコの敗因は・・・この盤上遊戯(ゲーム)の本質を見誤ったこと。
いや、このゲームの・・・と言うよりは、人生の、と言うべきか。
永遠ともいえる時間を生きるドン・アルルエルにとって「生きる」とは何を意味するのか?
ほとんど全てのモノを手に入れたドン・アルルエルにとって「人生」にはどんな意義があるのか?
彼にとって「人生」とはプロスフェアーそのものなのだ。
彼にとってプロスフェアーに興じる時間こそが「生きて」いる時間なのだ。だからこそ、彼は対戦相手に「人生」を賭けさせる。
彼の「人生」の舞台に上がる相手にも「人生」を背負ってもらわねばならないのだ。
「人生」に勝敗はあるのだろうか?
有限の存在である「人」という種は、やがて死ぬ。
これはどうあがいても避けられない必然の宿命である。
そう定められた「人」という種にとって、人生の勝敗とは・・・?
ナンセンスである。
ひと時の勝利に酔いしれ、一度の敗北に絶望する。
そんなことは無意味なのである。
一たび「人生」の舞台の幕が上がったならば、
幕の下りるその瞬間まで、その「人生」を愉しみつくす。
そう、プロスフェアーはチェックメイトを目指すゲームではないのだ。
そのゲームそのものを味わい尽くすべき盤上遊戯なのだ。
10時間、100時間、
その限りある時間を目一杯楽しみつくすこと。
それが、プロスフェアーの本質なのである。{/netabare}


 

投稿 : 2016/02/14
閲覧 : 297
サンキュー:

32

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