オキシドール大魔神 さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
駆け抜けろ!極限の一瞬を!
1話でのステラvs主人公からもう面白い。火vsほぼ身体能力の対決だったので戦いが分かり易かったし、ステラが詠唱している間に主人公のモノローグを挟むことで、間延びしやすいそれらをすっきりさせていたのもナイス演出。作画もなかなかだった。2話からは妹やオカマも登場し、それがまたいいキャラしている。3話では、口周りに阿保ほどクリームをつけるステラには笑った。4話ではいよいよ実戦で、流血しまくりの意外とエグイバトルに、全校生徒による煽り、ステラの公開告白からの、パーフェクトビジョンには脱帽した。何が新鮮って、ヒロインが公開告白する事だ。そんでもって主人公と両想いで、原作読んでないので分からないが、おそらく1巻終了時点でカップル成立というところだ。いやまあ実は両想いなんてのはままある方だが、カップル成立というのは意外となかったりするものだ。ちょっとがっかりだったのは、透明になる奴の攻略法が、能力の弱点をつくとかではなく、思考の掌握なんていう普通に考えれば土台無理な力技だったこと。しかも今までの通常攻撃に対応できるのはまだしも、ミリオンレインとかいう初見の技にも対応できたのにはちょっと首を傾げざるを得なかった。同じハチャメチャでも、キルアや剣八のように「食らった瞬間に止める」方が納得できた。まあこれだと遠距離タイプの今回の敵相手には、ダメージを与える手段がないわけだが。弓矢が空気を切り裂く音とかを聞いて、とかじゃダメだったのだろうか。魔法の弓矢っぽいから、そんなのはないのだろうか。まあでも、ここまでハチャメチャな方向に舵をを切るのなら、それを貫き通してほしい。普段はステラといがみ合う妹が、公開告白するステラにはさすがに敵わないと思ったのか、主人公とステラを二人きりにするために病室の外で待ってる健気さには、おかまの「あなたのそういうところすごく好きよ」にすごく共感できた。
声優は、主人公に逢坂をはじめ、細谷や金元、小林ゆうに東山奈央など、安定した人たちから、MAOや藩めぐみ、ずっちなどの若手まで揃っていた。松岡は嫌いだが、桐原がハマっていたので良かった。
我慢できずに 原作を全部読みました。相当面白い。
ちょくちょく意味不明なちょっとした改変や時系列の入れ替えのようなものがあるが、全体的に再現率はなかなか。ここぞという場面での演出などの工夫が見られたのも良かった(先述した、vsステラでの詠唱とモノローグをかぶせる演出など)。残念だったのは、vs倉敷での、天衣無縫の演出。あれだと、『攻撃を全部受け流している』というトンデモ技のすごさが伝わらないだろう。それと、一輝が軟禁され弱気になったステラに、雫が小太刀を突き出すところ。あそこはもっと雫の怒りを演出してほしかった。他には、ステラの父親へ挨拶云々の会話や、熱で弱りながらもゴーレムを倒すステラ、刀華の強さの源泉を語るなどの場面の改変やカットも残念だった。
原作を超えたと思うのは、まずはvsステラ。原作だと一刀修羅を発動してからペラペラ講釈を垂れ流す時間が合ったりするのだが、アニメではスピード感があるいい勝負だった。次に、vs桐原。完全掌握からのバトルが派手に動いていて良かった。次に、珠雫vs会長。原作だとそこまで尺を使っていた印象がなかったが、アニメでは半分以上の尺を使って派手派手なバトルをやってくれた。最後に、やはり一刀羅刹。これに関しては越えたとまでは思わないが、目を血走らせ血涙を流し、鼻や口の端からは血を垂らして、腕や脚からは血が噴き出し、文字通り極限まで振り絞る一刀羅刹の壮絶さの表現力は称賛。原作からして代表選抜戦終了という区切りがあるので、未完アニメなのにひとまずすっきり感があるのがまたいい。アニメ化で映える、アニメ化に適した作品を、スタッフはよくぞやってくれたと思う。
基本的に理不尽にもめげない一輝に、変態皇女ステラ、ブラコンをこじらせた珠雫、いろんな意味で有能なオカマ有栖院、卑怯な手を使っても、結局騎士の誇りは捨てられなかった綾瀬、やり方は乱暴だけど、一人の剣客だった倉敷、誇り高い破軍最強の騎士、東堂などキャラもいい。
クズなキャラとして、桐原や解放軍のビショウ、赤座などがいるが、こいつらはしっかりと叩き潰されるので、すっきりする。この時点だと父親との確執が解決されていないが、原作だとそれも一段落しているので、気になる人は見てみてほしい。
ちなみに、今後も完全掌握や天衣無縫などと同レベルののトンデモ技やトンデモ敵が出てくるので、今作のバトルの方向性が気に入った人は、原作もお勧め。
OPは、最初はあまり好きではなかったが、、原作を読んでから改めて聞いてみると、作品や主人公を表している事が分かり、回を重ねるごとに好きになっていった。スタイリッシュさはないけど、作風にあった熱い歌。映像についても、あえて白黒と赤で構成し、編が変わるごとにマイナーチェンジをするなど、工夫が見られたのも良かった。EDは、アリプロが好きではないので好きではない。
やっぱり最終話は熱かった。原作からして、魔力だけはあるものの、体力精神共に満身創痍、刀は一回しか振れない。もっとも、弱っていなくとも、真正面から勝ちに行っていただろう一輝。開幕必殺技を使い特攻。受けて立つ会長も、楽に勝てるプランがあるのに、クロスレンジに絶対の自信がある為、真正面から斬り返そうとする。という王道熱血シチュエーションから、限界を進化させ勝利。ただ単に戦いに勝っただけでなく、黒鉄家からの圧力などの理不尽などをまとめて叩き捨てるというカタルシスもある名勝負だったのだが、OPが挿入されてさらに熱くなった。何せOPのサビの後半なんて、ようはこのvs雷切と、勝利によって代表選手になるという未来を切り拓く主人公の事そのまま表現しているんだからなおさらだ。
ただ、欲を言えば一輝が勝利できた理由を原作通りに解説してほしかった。一刀羅刹はあくまでからくり、vs会長での勝敗をわけた本質的な理由は別にある。会長は限界を引き出して、これまでで一番美しい雷切を放てていた。だが、対する一輝は限界を引き出すに留まらず、限界を進化させた。100%を引き出したものと、100%以上を叩き出したその差が、勝敗を分けた。その解説がまた少し熱かったのだが、それがないのが少し残念ではあった。
恵まれたアニメ化かと言えば、そこまで恵まれているとは思えなかったが、作品に対する愛などは感じられた。なかなか良かったアニメ化だった。
南郷寅次郎は、フェイトゼロのイスカンダルみたいなのを想像していたのだが、意外と本当の本当におじいちゃんだった。