xx-ryu さんの感想・評価
4.1
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 3.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
現代の都会にはもうない心の奥底に響くノスタルジー
高度経済成長期の片田舎の少年、花田一路は地元で有名な悪たれだが悪戯をして逃げる途中に車にはねられて頭を9針縫う怪我をする。それがきっかけで幽霊が見えるようになるが、それを当てにした幽霊たちが生前に思い残した事を果たそうと一路に頼み込む。お化けの類が苦手な一路はいやいやながら頼みごとを引き受けるようになっていく。
ノスタルジックな日本の古きよき時代。貧しいながらも人と人の繋がりはとても強い。話が分かるんだか分からないんだか…な父親の大路郎に肝っ玉かあちゃんの寿枝、孫の機嫌をとってばかりの祖父徳路郎、思春期真っ盛り、弟との仲は悪い姉の徳子、一路が近所のばあさんに託された子犬の二路。個性豊かな家族に家族ぐるみのつきあいの村上家(市川家)、仲人をしたがるタバコのババア、犬のチロを飼っている吉川のばあちゃん。
出てくる幽霊たちは皆残した人への思いを一路に託していき、一路はその頼み事をこなしながら多くの人と出会い別れて少しづつ成長していく。
面白おかしく進むストーリー、でも最終話は決して涙なしには見られない。
豊かになるのと引き換えに荒んだ現代人の心にしっとりと染み渡る、そんなストーリー。
声優陣も豪華、一路を演じるくまいもとこや母ちゃんの田中真弓、山口かっぺい、高山みなみ。自分も小さいころから(あ、平成生まれです)聞きなれた声が子供のころの記憶を思い出させてより一層引き立てる(学級王ではないしバーローとは言いませんし腕も伸びませんが)。
てか1話見てください、気がついたら全話見終わってますよ、きっと。
(追記)以下過度なネタバレになるかも?まだ見てない人は注意
最終話に出てくるカタクリの花、花言葉は「初恋」そして「寂しさに耐える」。これを知って再び涙が出てきました。このはなしの最後を見事にまとめた花では無いでしょうか 。寂しさに耐えた倫子に幸多からんことを。