愛花 さんの感想・評価
4.9
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
『お前は、青春をしたんだ』
阿良々木先輩が卒業したあとの、高校3年生の神原駿河の物語です。
セカンドシーズンの恋物語を見る前にこのお話を観たので、プロローグの神原の語りで、えっ⁉︎阿良々木くんと戦場ヶ原さん死んじゃったの⁉︎と焦りました。もう(学校には)いないということですね。まったく(._.)
{netabare}
学校で悪魔様の噂を聞いた神原駿河は悪魔様に会いに行く。その正体は神原の中学時代のライバル沼地蠟花だった。沼地は他人の相談事=不幸話を蒐集しているのだった。
沼地に会った翌朝、神原の悪魔の左手が元の手に戻っていた。その晩、神原は貝木に出会い、話をする。
再び沼地と対面した神原は、沼池が悪魔の左手をとったのだと知る。沼地は神原を1on1に誘い、コート上で神原と沼地は語り合う。
その後、火憐からの連絡で神原は沼地が3年前自殺していることを知る。
神原は自分の中でモヤモヤする気持ちのために走り出す。がむしゃらに走って倒れこんだところで車に乗った阿良々木先輩に拾われ、話をする。
阿良々木先輩との会話で決心した神原は貝木に助けを請い、母から譲り受けていたというレイニー・デビルの頭蓋骨を手に入れる。
神原は再び沼地と対峙し、バスケで1回勝負に挑み、勝利する。すっきりしたような顔で倒れ込んでいた沼地は悪魔の身体を残して消えた。
{/netabare}
悪魔の左手が消えた朝に走ってバランスを崩し倒れこみ、笑いながら泣く神原を観て、悪魔の左手について、自分の責任であるから愚痴ることもできずに背負いこんで、本当に苦しくて辛かったんだな…と思いました。
沼地は神原に、ほとんどの問題は時間が解決してくれると言いました。世の中には逃げれば解決するのに逃げないやつが多すぎると。しかし神原は貝木との会話から、時間が解決しない問題もあると感じます。
そして、幽霊になって不幸や悪魔を蒐集している沼地をどうすれば良いのか、沼地は幸せそうで、他の人にも迷惑をかけていないのだから、自分が手を出すのはただの自分のエゴではないのかと迷います。
しかし阿良々木先輩との会話で、少なくとも神原自身は困っている、「見ていられない」と感じている。それはエゴなのかもしれないけど、神原が動く理由として不足はないし、憧れの阿良々木先輩もずっとそうしてきたと聞き、神原は沼地を止めることを決心します。
沼地の問題に関しては、まさに時間が解決する問題ではありませんからね。そもそも沼地は死んでいるので永遠にでも不幸を集め続けるかもしれないし、悪魔の身体が揃ってしまったら沼地だけの問題ではなくなる、自分のときのような惨事が起こる可能性もあります。
決戦の直前、沼地は自分が死んだことに気づいていないということを知った神原は、これから自分がしようとしていること、お前は死んでいるんだという事実を突きつけることに怖くなります。しかし逃げていては解決しない問題もある。ちゃんと踏み出せた神原は本当に強いと思います。
阿良々木先輩は神原に、お前はいいことも悪いことはしていない、お前は青春をしたんだと言いました。この物語はまさにこの一言に尽きると思います。
ぶつかって、悩んで、がむしゃらに走って(神原は本当に走ってましたがw)、人に影響されて、心を決めて、またぶつかって……
物語シリーズにしては珍しく、清々しい終わり方でした(*。・ω・`*)決戦のバスケコートが澄んだ湖のようになって表現されていたのも、神原の長い髪をバッサリ切って終わったのも良かったです(^_^*)
神原の母親についての話は今回初めて出ましたが、依然謎だらけですね。
そして貝木さんはやっぱり名言メーカーだった。。一方的でまとわりつくようなトークを展開してきますね…しかし聞き入ってしまう。名言だらけ。
それに「与える情報は半分まで」という自分ルールに従っていたとしても、神原に対しては決して嘘はつきませんでしたね。
そしてその貝木が愛した、もしくは憧れていた神原の母親がさらに気になってしまいます(>_<)いつか説明があるのでしょうか…
ところで今回の貝木って、恋物語で死んだあとの幽霊だって説があるのですね(笑)
私は生きてるんじゃないかなって思いました。死んでたら姿が変わらないイメージが。八九寺ちゃんのように。
まぁどちらだったとしても存在自体が怪奇のような貝木さんに関しては大した問題ではないと思いますが(^_^*)