「GATE(ゲート) 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり(TVアニメ動画)」

総合得点
83.6
感想・評価
1864
棚に入れた
10185
ランキング
320
★★★★☆ 3.8 (1864)
物語
3.9
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ネタバレ

ビアンキ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

良い意味でも悪い意味でも「軽い」作品

BS11にて、録画して全話視聴。
原作は未読。


本作の感想を書いてみる。


まず、
この作品「軽い」

私がそう感じた理由は主に2つある。


1つ目は戦闘描写
どの戦闘もバンバン銃を撃ちまくり、
たくさんの人が死んでいく。
死体が転がり、血も飛び散る。

しかし流血や、死体の描写に関しては
サラッと勢いよく流して
後を引かないようにしている。

謎の光や黒いモヤをグロい所に当てて、
「テレビ放送では出来なかったけど、DVD/Blu-rayでは解禁します!」
的なシーンも私の見る限りは無く
「いかにもグロ」といった感じは薄かったように思える。

刺激が強くなく、軽く見られるのはいいのだが、
一方で迫力も薄れてしまっていると感じた。

これは良い点でも悪い点でもあると思う。


2つ目は主人公及び自衛隊の面々
どのキャラも精神的にタフな上に結構ノリが軽い。

第1話でゲートから来た人間を大した躊躇いもなく刺し殺す主人公。
その後、それを重荷に感じる描写も特に無く
警察を主導し人々の安全を確保していく。

後に主人公が自衛隊の一員であることが視聴者に分かり、
主人公は同人誌即売会に行けなかったことを悔やむ。

…ノリが軽い上に、
人ひとり殺したというのに精神的にタフすぎる主人公である。

その他自衛隊の面々も主人公と同じく
大量の死体を見ても大して動じず
敵なら割と躊躇いなく人を殺せるキャラとして描かれている。

そしてやっぱりどれだけ死体をみても
どれだけ殺してもケロッとしている。


…と、こう文章で書くと「ちょっとこの主人公たち大丈夫か?」
と思われそうだが、そこは見せ方・描き方。

前述の通り
敵しか殺さない上、残酷なシーンは結構サラリと流されるため、
主人公たちの殺人は、重く「殺人」というよりは
「俺TUEEEEE!!」的に軽めに描写されている。

その上味方側の人々を避難誘導したり、
人々を救助するシーンには、そこそこ力を入れているためか、
主人公達は結構ライトに、ヒーロー的に、アニメらしくて見易い描かれ方をされている。
しかしやはり、まともに考えると少々問題はあるが…
それは後述。


上記2点と、王道なシナリオが持つ「軽さ」によって、
本作はライトで気軽に見られる作品になっている一方で、
特に自衛隊の面々の性格において違和感の強い作品にもなってしまっていると感じた。

もうちょっと詳しく触れよう。



まず良い点、
ライトで気軽に見られるというのは本作の大きな魅力だと思う。

主人公達自衛隊が異世界を探検し、
異世界で様々な人間と交流していく。

その最中に戦いに巻き込まれ、
圧倒的な戦力を見せて敵を倒したり
傷ついた人々を救助したりすることにより
異世界の人々に感謝され、自衛隊の良い評判が異世界に広まっていく。

そしてある日、異世界の美少女たちを連れて…


冒険し、時々戦い、 時折異世界の住民(というか美少女)が仲間になる。

本作はそんな
王道なロールプレイングゲームのような異世界交流物語が展開されていく。

{netabare}日本に戻ってからの、主人公たちの行動の裏で行われていた政治的な争いも
そこまで複雑にせずに締めて終わらせたので私としては好印象。{/netabare}

ベタでライトだがそこそこ面白い物語になっていると私は思う。

物語の途中途中で仲間になった美少女目当てで見ても、
それなりに楽しめる出来になっているのも良い点であろう。



気になった点

おそらくだが本作の制作者は自衛隊を
「淡々と任務を遂行する、戦闘及び救助に於いてのプロフェッショナル」
として描きたかったのだろうと思う。

そう考えると
大量の死体を見ても動じないことや、
大した躊躇いもなく人間を殺せることも
まぁ納得がいく。

しかし、
戦闘中・作戦行動中以外の「普通の人間」といった感じの描写や、
戦闘中でも時々垣間見える、主人公ほか自衛隊の面々の性格やノリの軽さが、
「淡々と任務を遂行するプロ」のイメージと相反し、
結構な違和感を視聴者に与えてしまっている。

この制作者が描きたかったと思しきイメージと、
キャラクターが元々持っていた性格が噛み合っていないような違和感は、結構気になった。


もうひとつ、似たようなことだが、
主人公たち自身のやった殺人と性格に関して

さっきも書いたが主人公たちは
大量の死体を見ても動じない上、
敵なら大した躊躇いもなく人間を殺せる
そして殺してもケロッとしている。

たとえ、
あくまでたとえ
「訓練を受けていて殺し慣れている」…なんて設定だと考えて見ても、
もうちょっと精神的にクルものはないのだろうか?
と思ってしまう。

ただ、だからといって
主人公たちがあまりにも殺人を重く負担に感じ、
苦しんでそれをずっと引き摺ってしまうと、
この作品にある「良い意味での軽さ」が無くなってしまう気がするので
そこまでは私は求めない。

しかし
そういう部分での躊躇いだったり、殺したことに対する嫌悪だったりは
戦闘の前後や最中くらいは少しでも描いて欲しかった。

現状の描写では、主人公たち自衛隊の精神面に
あまりにも人間味・現実味が無さすぎる、
サッパリしすぎている。

この悪い意味での軽さはかなり気になった。



まとめ
タイトルにも書いた通り、
良い意味でも悪い意味でも「軽い」作品だと思う。

私はそこそこ楽しめた、
第2クール、どうなるか期待している。
現時点の作品の評価としては佳作。

下手くそで纏まりのない文章、お読み頂きありがとうございます。

投稿 : 2015/11/21
閲覧 : 387
サンキュー:

28

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