「たまゆら(OVA)」

総合得点
71.4
感想・評価
703
棚に入れた
3055
ランキング
1356
★★★★☆ 3.9 (703)
物語
3.8
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
3.8

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ネタバレ

蒼い✨️ さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

あたたかい春の訪れ、なので。

アニメーション制作:ハルフィルムメーカー
2010年11月26日、12月23日に発売された全2巻全4話のOVA。
原作・監督は佐藤順一。

【概要/あらすじ】

季節は春。自転車で登校する、ちっちゃな少女が一人。
彼女の名前は沢渡 楓(さわたり ふう)で御年15歳。

故郷の神奈川県横須賀市の汐入を離れて家族三人で、
広島県の瀬戸内海沿岸にある伝統的な古い町並みで知られている竹原市に引っ越してきた。
楓の父親が大崎下島の出身で、母方の祖母が竹原でカフェを営んでいる。

楓の父親・和馬が他界して五年になる。
悲しみに包まれないように亡くなった父との想い出を遠ざけていたが、変化のきっかけは写真だった。
昨年の夏に小学生の弟の香(こう)が、しまってあったアルバムを見つけ、
姉弟で想い出の写真の数々を眺めているうちに気づいてしまった。

写真に映る自分たち姉弟が楽しくて楽しくて笑顔の溢れていたあの頃。
一枚一枚に込められた、父がファインダー越しに我が子に向けた愛情のある視線。

もう会えないけれど、お父さんは確かに写真の中にいた。
お父さんが教えてくれた、いろんなことが楓の一部になっている。
それを忘れない限り、お父さんは楓の中で生きている。いつの間にか悲しさはなくなっていた。

楓は思った。お父さんが大好きだった竹原に移り住んで、同じものを感じ取ってみたい。
当初は楓一人で竹原に引っ越して祖母のお世話になるつもりだったが、
母が仕事を辞めて、もともと志望があって竹原の実母(楓の祖母)のカフェで一緒に働くということに。

楓はメンテナンスで写真屋のマエストロに預けている時以外は、
いつも父親の形見のカメラ・ローライ35Sを持ち歩いている。
写真を撮り続けることで父親と同じ気持ちになって、その先にあるものを見てみたいのだ。
楓は、幼い頃に父親に竹原に連れられる度に一緒に遊んでいた幼馴染の塙 かおる(はなわ かおる)と再会し、
更には、新たに同級の岡崎 のりえ(おかざき のりえ)桜田 麻音(さくらだ まおん)とも仲良くなった。
それは瀬戸内の小京都にて彼女たち四人の、ふんわり暖かくて優しさに包まれた高校生活の幕開けである。

【感想】

『ARIA』シリーズのスタッフとキャストを大幅に引き継いでいる作品ですが、
比較すると家族のつながりが強調されている点で監督である佐藤順一のカラーが強いかな。
キャラの造形とか割と乙女趣味ですよね。佐藤監督。

坂本真綾によるユーミンのカバー曲や、中島愛の歌によって感傷に浸ることが出来る作品なのですが、
この作品独特の空気感は、優しいとか暖かいとかいう言葉だけで表現できるものじゃなくて、
性格的に健やかで可愛い娘たちが、彼女らなりに思い感じて日常の中で少しずつ前に進んでいく姿を、
父性の視点で愛でる、見守るということでこそ堪能しうるものかもしれません。
多分、視聴者が亡き父和馬の視点で天国から見守っているというバーチャルな感覚かも。

まだ未来が決まっていない少女たちの、ふわふわな日常。
子供と大人の間の短い時代だからこそ彼女たちは、あんなにも明るくて輝きに満ちていて、
自分も、充実した未成年時代を過ごしたかったなあ。という悔しさと共に、
ひたすら眩しさが得も言えないですね。
心に暗いところがあったり、人間関係で失敗すれば暗い青春時代になることがあって、
『たまゆら』は彼女たちが良い親友同士であるという絶対条件で成立している世界ですけどね。

ゆるふわ過ぎる空気感が人を選ぶ部分もありますが、自分としてはありかな?
二次元の世界で心に癒しや潤いを求める、
嬉しいときにこそ泣きたい涙もろい人には、ちょうどぴったりなアニメでした。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2019/05/08
閲覧 : 651
サンキュー:

64

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