「京騒戯画(TVアニメ動画)」

総合得点
65.0
感想・評価
339
棚に入れた
2446
ランキング
3539
★★★★☆ 3.7 (339)
物語
3.5
作画
3.9
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.7

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ネタバレ

くまきっちん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

自己解釈レビュー(ネタバレ自己解釈あり)

まず前提としてwebアニメ第一弾と第二弾はほぼアニメで網羅され、「コト」の目的がweb第一弾(元の世界へ帰る)とアニメ版(母に会う)で違います
それを踏まえアニメ版を総括しあくまでも自己解釈・レビューします

物語は10話で、0話はweb第一弾と第二弾を合わせたもの、5.5話は声優さんたちの聖地巡礼、10.5話はまとめと振り返り
{netabare}

それぞれの目的がわかると内容の受け止め方が若干変わります
コト  → ママに会いたい
明恵(薬師丸) → 死にたい(稲荷=神によって作られたため死ねない)
八瀬  → ママに会いたい
鞍馬  → 外に出たい(一応両親に会いたい)
稲荷・パパ(神)  → みんなで暮らしたい(世界を消滅させたい)
古都・ママ(菩薩) → みんなに会いたいけど会えない


時系列でアニメを整理します

稲荷は神(観測者)という立場で世界はどうでもよかったが、古都と出会い薬師丸や鞍馬、八瀬と暮らして初めて世界と愛を知り鏡都(京都=13番目の世界)へ移住した(神社や宮司がどうにかしろと言ったから)

12の世界と言うのは年月(12ヶ月)や十二神将、干支(十二支)あたりで、そこから新しい物ができるとまずい・・・という感じで13番目の世界が認められない

稲荷と古都が鏡都を離れた理由は、古都の能力(未来予知=菩薩の能力)で世界崩壊が見えそれによって離れた(崩壊の原因は菩薩の体を借りたままにしたことが原因だと古都は思った)

稲荷と古都は鏡都を崩壊から救うために聖域に移り、コトが生まれた時に能力(未来予知)が失くなり不安定な存在となり神社の聖域から出られなくなった)

コトを育て直轄部隊として働くためにアラタマ(ハンマー)を渡した

コトは母を探すために13番目の世界の鏡都へと行き、他の兄弟達とも仲良くなりいろいろなことを知っていく

鏡都へアラタマを使って無理やり来たこと、アラタマで聖域をぶち壊し13番目の世界を繋げた(ずっと隠していたものを)バラしてしまったために崩壊が進む

コトが古都を探すためにアラタマで無理やり来ること、世界が崩壊することは恐らくアラタマを渡すときには予想していた(1話でアラタマを渡した時&9話で神だとバラした後「かがやきてかみなし」と同じことを言い未来がわかっていたかのよう)

再生の能力を使えば鏡都は再生するが元々13番目(鏡都)は認められないという前提(禁忌のため)で、全て崩壊かその他の並行世界を崩壊させるしかない(稲荷の元々の考え)

稲荷はできることなら宮司にお願いし鏡都を受け入れてくれるかもしれないという淡い期待を持つ

宮司は理を変えることはできないためやはり崩壊させる

聞き入れてもらえなかったが、コトが自分の意志を受け継いでくれることを確認しその重役(崩壊か再生、そしてその後決定)をコトと明恵に押し付けた(もし再生を選ぶのであればもっと前の段階で行動していたができず見守ることしかできないため押し付けた)

コトと宮司に剣を当てて気絶(コトは正気じゃなくなっているが)これはアラタマの破壊の力で精神破壊かなんらかの影響を与えたのかと(稲荷は神のため恐らく剣にもアラタマがあったのかと)

稲荷はあと明恵踏み出してくれればということで明恵を煽る
(破壊=終わりはコト 再生・創造=始まりは明恵)

世界が崩壊へと進むとき稲荷は古都と聖域へ向かいその際に、明恵に数珠=再生の力を与えた

稲荷は重役を押し付けたのは心の何処かで子どもたちなら何か違った未来を作ってくれるかもしれない、そう判断し託すも本音は口では言えず結局押し付けになってしまった

人を愛し、自分を愛するということを知らなかったが家族ができ世界と愛を知ったが、神でありながらも見守ることしができずにいた自分を最後まで愛することができなかった

明恵に力を与え神としての力が失くなった稲荷は神としての役目を終え消滅する

自らが消えることで世界は崩壊ではなく家族や鏡都、並行世界が救われるのならやっと自分を愛せるという思いになる(崩壊がとまり再生されて神の力が子どもに移ればその子どもたちが再生させた世界を失くす訳にはいかない→鏡都を含む13世界)

明恵はコトを見つけ、稲荷の精神破壊を再生の能力で治す

その後、明恵はコトと話して稲荷の崩壊案とは違い全部残すという決断を出し吹っ切れ鏡都や並行世界も再生する(明恵は元々再生の能力で不死になったため再生の能力が嫌い・使いたくなかった)

高天原に行き稲荷父から全て聞き神になれと言われるが稲荷に確認をとるため聖域へ

途中、コトが明恵に「もう少し一緒にいられないかな?」と言いわれ明恵も受け入れる

聖域にてコトと稲荷は愛情を確かめ合う(拳で、親子喧嘩)

稲荷は自らが消えることで世界が救われるのならそれが家族へ、そして自分への愛だと考えていた

しかしコトは、家族は一緒にいて笑ったり泣いたり少し早く帰ったりすることが愛だ、消えてほしくないと

稲荷はそれを受け止め、そして認めた

結果元々自分が消えるはずだったがコトと話し一緒にいることを受け入れたため、神としての力(魂)は子どもたちに渡し、いるだけの存在になれというのが稲荷父の判決

力は無くとも帰る場所はある、だから帰ろう

「愛と再生の物語」は家族と世界の愛、家族と世界の再生


・・・という感じです

この物語はキリスト教や神道が関わっています

コトや明恵(生き返るシーン)が食べた果実というのが恐らくイチジクで、旧約聖書で「禁断の果実」でしょう

エデンの園(鏡都=13番目の世界)を作る(楽園創造)・明恵を生き返らせる(禁断の果実)・鏡都を離れる(楽園追放)・コトと明恵が世界を再生(楽園再生)

あとアラタマ(荒魂)は神道の言葉で簡単に言えば破壊などの祟で、逆に和魂(にきたま)が恵みなどの平和

コトの持っているアラタマはアニメの中でもありましたが鏡都のものでも再生できないという点で破壊の「荒魂」であり明恵の持っている数珠が再生や創造することができるという点で「和魂」

その他にも歴史上の「明恵」は鎌倉時代の僧で京都の高山寺を開山した人、式神は阿吽像、高天原、八瀬と鞍馬は京都の地名、稲荷とコトがいた木は旧約聖書の命の木?など多々あります


あくまで個人的な解釈(ネット情報参考を含む)・レビューです

私自身ここまで勝手に解釈するのに少々時間がかかりましたし、好き嫌いが大きく現れると思います

他にも解釈があるでしょうし私自身まだ若干不明な点もありますので完璧ではなく一個の解釈としてください

このような「俺達の戦いは始まったばかりだー」的な終わり方の作品のように視聴者がいろいろと考える作品というのは最近減っているので素晴らしい作品だと思います

なんとなく作画や世界観はGAINAX(特にグレンラガン)や有頂天家族、化物語になんとなく似ている感じがします

この作品で感じたことは、作画などだけで幼稚だとか物語が意味不明といい視聴を断念するのは視聴者が作品を選ぶように、作品が人を選ぶものなのかもしれません

万人受けしない作品だと思いますのでおすすめはしません
長くなりましたが上記のような解釈もでき、そうするともっと楽しく見れる作品だと個人的には思います
{/netabare}

投稿 : 2015/10/19
閲覧 : 335
サンキュー:

4

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