STONE さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
魂を持たぬ、悲しき男
原作は未読。
特別編とは謳っているが、「蟲師 続章」の前半が2回ほど落としてしまったためのようで、
正直なところストーリーにそれほど特別感は感じられなかった。
印象的だったのは本作で描かれたクマドという魂なき男の存在。
狩房 淡幽の回想からすると、魂がないとはいえ日々の経験で感情が徐々に生まれてきている
ようだが、本作のように吐き出すことでまた無に介してしまうかな。
なんとも報われない話だが、魂がないゆえに本人が自身の境遇を悲しむこともないのは、
ある意味救いなのかもしれない。
このクマドと言い、淡幽と言い、いずれも「禁種の蟲」に対して、そこまでしなければ
ならないことが、より「禁種の蟲」という存在がただの蟲とは異なるものであることを
感じさせる。
改めて気付いたが、蟲を呼び寄せる体質ゆえに定住が望めないギンコ、蟲を封じ込める
代償として移動の自由を奪われた探幽、同じく蟲による宿命とは言え対照的であるところが
面白い。