おむえむ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:今観てる
約束された勝利のパンチ
隣のヤングジャンプで絶賛連載中のワンパンマン。一話の動きまくる戦闘シーンを始めとする作画やJAM Projectが歌うOPテーマなど見どころ満載で気合が入っているのがもの凄く伝わってくる。
監督はスペース☆ダンディの夏目真悟。制作は前期のオーバーロードに続きマッドハウスという陣容のギャグ系バトル漫画で今期の目玉的な作品の一角だ。
ワンパンマンの根底にあるのはドラゴンボールなどの戦い続けるヒーローに対する冷ややかなパロディ意識だと思う。
最初から最強のヒーローであるサイタマは戦うことにも悪役にもどこか冷笑的で戦いに本気になるということがない。そんなサイタマと大真面目な悪役との温度差が本作を特徴づけるシュールなギャグを生み出している。
“苦戦してもどうせヒーローが勝つんだろ”というバトル物への一種の諦観は誰しもが一度は持つものだ。そんな諦観を主人公が視聴者と共有している時点でサイタマはある種非常にメタ的な視点を持つ主人公であると思う。
主人公の苦戦や修行といったパートをどうせ無駄なんだからいいよねと切り捨て、強大な悪役や協力しあう味方。全てを凌駕する主人公の勝利などバトル物のオイシイ部分とギャグを融合させたワンパンマン。
ずいぶんと昔にWEB連載のワンパンマンを読んだとき、商業作品に比べて上手いとはいえない絵柄ながら衝撃を受け引き込まれたのはそういった部分にあった気がする。
ウケるべくしてウケたように見えるワンパンマン。アニメ化という追い風を受けてどこまでいけるのか楽しみに観てみたいと思う。