どらむろ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
駆け出し声優の視点で「声優」を紹介する業界アニメ。声優に関心ある人は、観て損は無いです。
自身も人気声優である浅野真澄さんが原作の、声優業界を描いたお仕事アニメです。
駆け出し女性声優3人の視点で、様々な苦労話や色んなタイプの仕事の裏話などが興味深いです。
決して甘くは無いシビアな作風な一方で、可愛さや前向きな成長ドラマでもあり、1クールアニメとして親しみ易かったです。
アニメ好き、声優に多少なりとも関心がある人は、視聴して損は無いのでは。
{netabare}『物語』
「SHIROBAKO」を、声優業に絞った感じのお仕事アニメでした。
極めて狭き門な声優業の厳しさを情け容赦なく突き付けてくるのですが…
主人公トリオが可愛くて仲良しなのと、駆け出しとはいえ最低限の役は貰えている恵まれた立ち位置な為か、適度に笑ってみていられるバランスが良かったです。
「頑張っている女の子の可愛さ愛でる」楽しみ方も一応は可能な辺りが、毎話楽しく視聴できました。
アニメ好きにとっては無視できない声優の、興味深い裏話で(へぇ~)と勉強になりました。
仕事内容にバリエーションあり、声優のお仕事ってただアニメだけではないんだな…と分かりました。
ゲームやナレーションやアニメ映画など、要求されるモノが全く別なのが興味深く、終始面白かったです。
…特筆すべきエピソードは、8話の真地勇志さん登場回。
アニメでは馴染みが無いですが、TV番組のナレーションでは超大物。
声優といえば深夜アニメ…程度の認識でいた視聴者(半ば私も)の、声優業に対する認識を広げてくれる話でした。
真地勇志さん以外にも名だたる大物がゲスト出演し、大先輩として興味深い話を聞かせてくれました。
最終話でのいちごの御当地キャラ吹き替えも、声優はアニメだけじゃないぞ、という幅を見せてくれて良かった。
三者三様に悩み多き駆け出し声優たちの、それぞれの人生と声優業との関係がちゃんと描かれてました。
子役から中学生にして人気声優となった鈴(りん)ちゃんの普通の中学生らしさを知らぬ悩みや進路の迷いを、親友サヨちゃんの後押しで前に進む話は大変良かった。
人生ドラマとしては特に深くはないものの、エンタメとしては深すぎないのはむしろ観易いので良し。
イヤホンズというユニット組んで、アイドルみたいなライブやる展開は(声優なのにアイドルやる必要あるのかな?)と些か疑問ではありましたが。
…そんな事は言ってられませんね。とにかく出来る事は全部やらねば生き残れない!
※同時期の「潮崎西」最終話「それも声優」でどこが声優なんだ!?
と思いましたが、よく考えると確かにそれも声優のお仕事の一環なんですよねぇ。
総じて
可愛さと興味深さと業界の厳しさのバランスが取れていて安定して面白かったです。
…最終話が厳し過ぎるのは良し悪しあり。
エンタメとしてのアニメとしては萎縮してしまう厳しさあり、それでも前向きに頑張る双葉の言葉に希望を感じさせる良いラストだったのでは。
『作画』
キャラデザは「ハヤテのごとく!」の畑健二郎先生が担当、安定した可愛さあり。
大物声優陣もイメージばっちりです。
『声優』
主人公・一之瀬双葉を高橋李依さんが好演。同時期の「がっこうぐらし!」のみーくん、「乱歩奇譚」の小林少年の人でした。
テンパった際の未熟な演技と、本領発揮したシーンの落差が凄い。
かなり非凡さを感じました。
演じ分けも上手い…逆に、このレベルですらスタメン落ちスレスレなのか…と本編の厳しさ強調してくれましたw
いちごの長久友紀さん、鈴ちゃんの高野麻里佳さんも良い演技だったと思います。
…それでも生き残れるか厳しい、という事実が厳しいですねぇ。
ゲストが超豪華なのが特徴で、野沢雅子さんや銀河万丈さん、小山力也さんら超豪華でした。
原作者の浅野真澄さんが色々と出ていたり、汐留さんは生天目仁美さんっぽい。
特筆すべきは真地勇志さん、声優はアニメだけじゃないんですね。
『音楽』
あさのますみさん作詞の主題歌「それが声優!」が素直で完璧な主題歌。
良いアニソンのお手本のような良主題歌、2015夏で「うまるちゃん」「監獄学園」と並び「歌詞が主題とシンクロしている」
…このアニメの予備知識無い人がこの歌聴いても、声優アニメなんだな?と分かりますよね?
こういう主題歌は高評価です。
EDのパロディ曲も懐かしいです。
『キャラ』
イヤホンズのトリオが三者三様の可愛さで良し。
一之瀬双葉は一見冴えないですが、頑張り屋の眼鏡っ娘で何気に胸あって良いですな。
精神的に安定感に欠ける面はありましたが…作劇的に仕方があるまい。
ふたふたは本当に成功して欲しいものです。
いちご姫は随一の努力家でした。大人の女性ならではのしたたかさもあり、単なるイタイ娘では無いです。
鈴ちゃんは萌え的に一番可愛い。作中でも視聴者からも多分一番人気なのでは。
ほんと礼儀正しくて良い子で可愛いです。
サヨちゃんも可愛いです。良い子ですねぇ~。
厳しい先輩の汐留さん、やはり厳しい集(あつまり)さん、新米マネージャーの紺野さんなど、女性陣のキャラ立ってました。
紺野さんは4人目の主人公でした。
イヤホンズのプロデューサーは有能なんだか無能なんだかよく分からん人物でしたが、いちごを責めたりしないシーンで良い人だと分かります。
…本作の見所、豪華ベテラン声優陣がキャラとして登場。
大ベテランならではの貫禄あり、人間的魅力ありカッコイイです。
銀河万丈さん、小山力也さん、そして真地勇志さんが見れたのは嬉しいです。{/netabare}