めっちょん さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 3.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
日常を「推理する」という事で楽しむ高校生たちの物語
正直1話目の主人公とその友人の第一印象は最悪でした。1話で切ろうか迷っちゃったくらいです笑
すかした野郎に理屈っぽい友人
いかにも自分は特別。他の連中とは違うという中二病的オーラがプンプンします
思わず松岡修造ばりに「もっと熱くなれよ!!!!」と叫んでしまいたい相手です笑
まぁいかにも推理小説っぽいキャラではありますね笑
1話目の2人の行動もあかんかったですね。純粋な千反田さんを騙す詐欺師2人組。将来が心配です笑
しかし後ろめたい描写もありけして本意ではなかったことも垣間見れます
1話切りを回避出来たのもこの描写があってこそです。彼らのこれからの成長を予感させる良い演出でした
のちに千反田さんの興味をそらさなければならない事態が幾度となくやってきます。その度にこの話を持ち出され後ろめたさからかえって押し切られる原因を作ってるのは笑えます
まぁくだらない策や嘘は弄するなってことですね
その後もいろいろなキャラがくだらない策や嘘を弄してはことごとく見透かされ撃沈してますよね。そういうこってす笑
面白いのは最初に主人公がこの見透かされる側に立ってるという事です。まぁ実際に千反田さんが見透かしてたかはわかりませんが。天然な娘ですから笑。推理というものの本質を垣間見れる良い構成です
そしてその後ストーリーが進むにつれこの2人の印象がどんどん変わっていきます
挫折し思い悩み、お互いにぶつかり合ったり助け合ったりしながら少しづつ大人に成長してゆく青春劇という側面があります
繊細な心理描写はキャラに愛着を湧かせます。その手法が見事とおもいました
観終わる頃には「奉太郎かわいいー」「福ちゃんがんばれー」という気持ちになってました笑
あ、もちろん千反田さんと摩耶花も最初から可愛かったです笑
女の子ってほら、男よりずっとしっかりしてて大人な考えの生き物ですから笑
この作品の作画でとくに特筆すべきなのが「目」です
「目は口程に物を言う」というように目でそのときどきの心情を繊細に描写しています
千反田さんの全てを覗き込むような目。奉太郎の謎解きを見る千反田さん摩耶花のキラキラうるうるの目。疑いの眼差し。真剣な眼。物憂げな目。物思いに耽る目。
目の描写というのは簡単なようで非常に難しいです。アニメではデフォルメでごまかすことも多いです。この作品ではそれは一切ありません
目のアップも非常に多いです
京アニさんがこの作品で目にこだわって作画してるのが良くわかります
肝心の話の内容についてですが今回はあえて第6話「大罪を犯す」と第18話「連峰は晴れているか」の対比について自分的見解を書きたいとおもいます
どちらも各イベントの間にはさんだ小休止のような非常に地味な回ですね笑
簡単にいえば第18話ラストの千反田さんの台詞「それって・・・」に続く言葉の自分的解釈ですね。興味のある方はどうぞ
{netabare}
この2つのエピソードを観て感じたことは2人が立場も性格も行動の仕方も違うのにすごく似た者同士だなぁという印象を持ったということです
千反田さんは教師にたいして怒ったのを教師の事情も良く知らないで怒るのは自分に非があるのではないかと考えました
一方奉太郎のほうは事情も良く知らずに呑気に受け流すことは気を付けなければならないなと考えました
感情も行動も全く違うのにこの2人が良く似た考え方をしていることがわかるとおもいます
第6話最後での千反田さんに対する奉太郎の心の中での評価。それをそのまま第18話の千反田さんの心の中にも当てはめればわかり易いと思います
奉太郎はこういう人なのではないか。しかしそれを分かった気になって言ってしまうのは傲慢というものだ。そう考えたのではないでしょうかね
6話18話でのお互いの言葉に対する「ハッ」という反応。「意外な一面」という共通した言葉。この2つのシーンが見事に対比されているのが分かると思います
また、話しの話題がまさに「無神経に」「良く知りもしないで」ということだったため余計に言うのを思い止まったんでしょうね。ほんとうに奥ゆかしく思慮深いお嬢様です
もうおまえらさっさと付き合っちゃえよこのリア充が!!!!(心の声)笑
「それって・・・」に続く言葉としては「とても良く分かります」とか「とても私と感じ方が良く似てます」とかじゃないでしょうかね
じつはこれは千反田さんの「気になります」の本質をあらわしてるエピソードともとれるのではないかと思います
叔父に対しても脚本の子に対しても千反田さんが気になるのはその人が実際はどんな思いでいたのかという事です。だからこそ色んなことが気になって知りたくなるわけです
18話の奉太郎の行動と言葉はなぜ気になるのかその本質を千反田さんに示してあげた回だったのではないかと思います。千反田さんの雲が晴れるような反応もそう感じたからではないかと思います
{/netabare}
もう1つ。みなさんは洋画「風とともに去りぬ」はご存知でしょうか
生まれた土地と住人を守るためなりふり構わず戦う女性の物語です
千反田さんを見てこの女性スカーレット・オハラを思い出しました
スカーレット・オハラは激動の時代に生まれ波乱万丈の人生でしたが千反田さんには良い仲間と恋人に巡り合って穏やかで幸せな人生をつかんでほしいとおもいました
奉太郎はもっとしっかりしなさい!かしこ。お姉ちゃんより(笑)