Hiro さんの感想・評価
4.5
物語 : 5.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
秀逸
ストーリー構成とキャラ設定が、中二病という比較的新しいスラングで練り込まれている秀作。
物語の構造はとてもオーソドックス。
「不可視境界線」というキーワードを基に、主人公である六花の主題が、一話からきちん明示されている。そして多少脱線しつつも、中盤、終盤とお手本のように主題から物語が展開、収束される。
極まっていると感じるのは、六花のキャラ設定。
心理的外傷や葛藤の突破口として、中二病をモチーフに置いたところが面白い。不可視境界線の意味、勇太に見出したであろう頼りがいや恋心、直視できないものをフタし、見えないものを見たいがための眼帯と邪王真眼、すべてがしっくりと収まる。
一人の主人公をしっかりと立体的に描いているため、シンプルな三幕構成で十分に観せられる。話をこねくり回す前にキャラをちゃんと描く、という王道中の王道で、まとまった視聴感が与えられる。
ラブコメのようでラブコメではないと思う。人の一生の中で、感性というものが一番つらい時期を過ごす少女が、自分の「混沌なるカオス」と闘い、成長する物語。
未視聴の方にはぜひおすすめです。