Crysiss さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タヌキだってがんばってるんだよォ(糸井重里氏)
生活圏を脅かされたタヌキたちが
人間に対してどう向き合っていくかを描いた話
タヌキたちの中にもいろんな主義主張があって
タヌキを見ているのに言ってることは何とも人間臭い
{netabare}
平和的解決を望むものもいれば
過激な思想に囚われたりするものもいて
それぞれが思い思いに行動していく
最終的にはいくばくかの自然が残され
苦しいながらも人間側の最低限の譲歩と
タヌキ側の多大なる譲歩で決着する。
印象的だったのは
序盤にタヌキが仕掛けた罠で人間側に犠牲者が出たことで
自分たちの思想の為とはいえ、犠牲者を出たことに対して
律儀に葬式を営んでいたこと。
さらに葬式で使われる黒と白の横断幕はひっくり返すと
紅白のおめでたい横断幕へと変わり
葬式が一転して宴会へと変わってしまう。
実際はほとんどのタヌキ達が人間に犠牲者が出たことが
嬉しくてしょうがなかったのだ。
これは人間の立場に置き換えてみれば
森林伐採や土地開発などでタヌキが犠牲になっても
気にせず酒を飲んで宴会をしている人間たちを模した
痛烈なブラックジョークに見える演出だった。
{/netabare}
何もできないし、しようとも思わないかもしれない自分は
こういうことを言う資格がないのかもしれないが
考えさせられる内容の作品だったと思う。