ポッチャマン さんの感想・評価
4.8
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
僕の思い出の傑作!
2015年3月当時の僕にとって深夜アニメに興味をもつきっかけになった作品。僕にとっては思い出深い作品で、今でも見返しては元気をもらってます。
本作はP.A.WORKSさんの“お仕事アニメ”の第1弾。
女子高生の松前緒花がとある理由で、祖母の経営する小さな旅館で働きながら、いろんなことを経験していく青春ドラマ。
こうやって書くと、内容は確かに言われてるとおり、アニメらしいとこはあまりなく、NHKの朝ドラみたいだけど、登場人物みんなのそれぞれの思いがにじみ出ていて、喜翆荘の経営を頑張って、というか「ぼんぼって」る緒花たちを観てるととても元気をもらえる。
高校生の主人公、緒花はいろんなことに前向きでそれでも自分が今いる所でいいのかとかなんで東京に帰らないのかとか、自問自答しながらもそれでも喜翆荘にいて良かったと思えてる。
お気に入り回はたくさんありますね。
8、9話の緒花の奮闘や、11~13話での孝一との葛藤、母との和解。そして、修学旅行、文化祭も!
所々で小さな発見や経験をして、確実に成長していく緒花は僕にとってもお手本です(笑)
基本的に緒花の目線だけど、ときどき見れる他のキャラたちの描写も面白いです。
1人ずつ見ていく。
まず、緒花が喜翆荘に来ていきなりホビロンを放った鶴来民子(みんち)。民子は板前を目指して喜翆荘で修行中で、板前の先輩の徹さんに恋い慕う。また、あまりおしゃべりではなく職人気質だけど、教室では姫と呼ばれる男子の人気者。 {netabare}第19、20話は学校での文化祭と絡めて彼女の回でもある。クラスのレストランの準備で出す料理を、オムライスはガスではできないだけなのに、オムライスをやりたいと言う別の娘の意見をボロカスに踏みにじってしまう。自分に料理の自信があるだけに、何でも一人でやろうとしてしまうのが彼女の悪いところ。でもここでもやっぱり助けるのは緒花なんですね。オムライスをつくるうちに仲直りするんだ...
高校生で既に夢に向かって走っているみんちの行動力は高く、すごいんだけど、基本的に自分にしか興味がなさそう。でも回が進むにつれて緒花に一番感化されているのも彼女だと思う。回ごとにいろんな表情を見せてくれる彼女に僕はいつも笑わされました。個人的には呆れた顔がgoodです。あと、徹さんとはどうなったのかな...?{/netabare}
ほんとに良いキャラです。(笑)
押水菜子(なこち)は緒花と同じ仲居さんのバイトの子。序盤で得意な水泳を活かし次郎丸を助けたことがあるけど、普段はかなり引っ込み思案。でも緒花の同級生ながら先輩でもあるため、普段誰も気づかないことにもしっかりと目を向けられる縁の下の力持ち的な存在。こういうデフォルメしてそうで、実は細かいキャラ設定はこの作品の上手いところ。ただの日常系にはならないようにしっかり調整されている。
{netabare} 第18話はなこち目線の回で、実は家で弟妹たちに慕われているお姉さんであることがわかる。家では年上らしく親にもものを言えるが、外では自分を出せてないと思い悩み、空回り。では...
結果的に女将の一言で、まるで水上に出る目的を得た人魚のように、自分がここで働く理由と外での自分を認めた。このときの菜子ちのキモカワ笑顔は個人的に大好きですねw
終盤では、女将さんのいない時でも緒花に同調し、皆に流されそうになる緒花を励ましたりと、{/netabare}けっこう重要な役目をもらってるのが、この子の凄いところかな。
和倉結菜は、緒花と同じ、ライバル館の女将の一人娘。言動が他とは違う、おちゃらけなちょっと変わった娘だけど彼女の価値観はかなり緒花とは違うところにしっかりある。 {netabare} これは第15話で分かりますね。緒花と違ってやりたいこと、興味が人一倍多いので、身近な旅館のことを全く知らなかった。修学旅行先で会った許嫁関係?の洋輔たちの仕事をみて、改めて緒花たちに興味を持つ。風呂掃除のシーンの悔しがるとこは、普段と違う彼女を見れて可愛かったです。何しとりゃーす
{/netabare}
「ぼんぼる」...願いを叶えるために目標に向かって頑張ること。
終盤のぼんぼり祭りが近づいてきたとき、この言い方は緒花独特の感性があっての言葉と思った。ただ頑張るんじゃなくて目標をもって頑張る、大好きな喜翆荘を守るためにみんなが一丸となってぼんぼる。だからこそ最後はほんと感動した!
書きたいことがたくさんあってとても書き切れないけど、とにかく僕の心の中にいつもある作品になりました。本当に何回も観て元気をもらってるので、何かを頑張りたい人全員に自信をもって勧められますね。