退会済のユーザー さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
説明不足を上回る魅力
評価は「劇場版air/まごころを君に」を含む。
出現を預言されている敵、使徒と人類の戦いを通して
少年少女の悩みと無垢、大人の葛藤と汚さを描いた作品。
ロボットアニメとしては珍しく緊張感や絶望感が前面に押し出され
人の不完全さに目を向けた斬新な切り口が特徴。
使徒の脅威が上手く表現されており、コレどうやって勝つの?と思わされる個体もしばしば。
いつ誰が脱落してもおかしくなく、手に汗握る戦闘は並の作品では味わえない魅力。
また、温もりを求めながら人と接する事を恐れる矛盾、性に対する興味と嫌悪
トラウマに対する向き合い方など難しいテーマへの取り組みも見事。
別にそれらの悩みや葛藤が解決した訳ではないのが如何にもこの作品らしいのだが
彼らが何を考え、それに対してどうリアクションするのかと言う部分が緻密に描写されている。
ストーリーが難解で説明する気さえ感じないのはマイナスだがそれを補って余りある名作。
(ただ、アニメ版のラストは駄目。自己満足でちっとも面白くない)
作画は古い作品だけあって粗も目立つがダイナミックで躍動的なアクションが見物。
無機物でなく人造人間である事が大きく寄与しているのかもしれない。
OPの「残酷な天使のテーゼ」は言わずと知れた名曲。
以下、視聴の役に立つかは分からないが特に説明不足と感じた部分。
{netabare}
・アダムとリリス
どちらも星を支配する生命体の始祖として宇宙から飛んできた。
通常一つの星に一つの始祖が降り立つはずが何故か二つも飛んできてしまったのが地球。
最初に第1使徒アダムが降り立ち第3使徒から第16使徒まで生み出す。
その後第2使徒リリスが地球に衝突、ファーストインパクトが起こる。
その衝撃でアダムとその子らは活動を停止したと思われる。
結果、リリスの生み出した第18使徒リリン(人類)が先に地球を支配してしまう。
・使徒の目的
アダムと接触し、サードインパクトを起こす事で人類を滅ぼしその支配権を得る事。
始祖の存在を感じる事が出来るもののアダムとリリスの区別はつかない。
ちなみにリリスと接触してもサードインパクトは起こる。
・人類の行動
死海文書で予見されたアダムとその使徒の接触を避けるため、アダムを卵まで還元する事を試みる。
しかし余計な実験を同時に行った為アダムが暴走し失敗、セカンドインパクトが起こってしまう。
アダムの肉体はバラバラになり、やがて退化した状態で強化ベークライトに押し込められる。
また、使徒に対抗する為の準備も本格的に進められるようになる。
対抗戦力(違う用途がメインだが)であるエヴァの開発及びリリスの直上に建造された第3新東京市である。
アダムが隠された場合、使徒がリリスに向かうとの予測は当たっていた。
・死海文書(裏死海文書)
アダムの取り扱い説明書。ロンギヌスの槍の用法も書かれている。
アダムが飛来した際に一緒に入っていた原典を昔の人が翻訳編纂したものっぽい。
ゼーレの中でも眉唾ものとされていたが、アダムの発見で一挙に真実味を帯びた。
・ロンギヌスの槍
始祖の還元や活動停止が出来る安全装置的な槍。始祖とセットで飛来してきたがリリスの槍は行方不明。
ATフィールドを無効化したりインパクトの引き金になったり用途は多彩かつ物騒。
・渚カヲル
第17使徒。肉体がバラバラとなったアダムの魂に人間の体が与えられた存在。
自分の肉体を求めてセントラルドグマを目指すがそこにいたのはリリスであった。
接触するとサードインパクトが発生してしまうため、自分の首を差し出した。
・人類補完計画
人類を完全な生命体へ進化させるための計画。
ゼーレとゲンドウでは目的が異なるため方法も違うのがややこしい。
過程で全人類のATフィールドが消滅し体が液化、一つの海となる。魂も一体となる。
・綾波レイ
リリスの魂に人間の体が与えられた存在。セントラルドグマのリリスは肉体だけの抜け殻。
人類補完計画の際、リリス=レイとなって中核を成すがゲンドウを捨てシンジの願いを叶える。
*なるだけ説明を簡略化するため触れてない単語も多く、語弊があるかもしれませんがご容赦願います。
{/netabare}