どらむろ さんの感想・評価
4.6
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
アイヌっぽい世界観の壮大な戦記ファンタジー。ケモミミ萌え、ハクオロさんならハーレム許せる♪
アイヌ文化をモチーフにした戦記ファンタジー、全26話。
戦国時代…より昔の部族社会っぽい舞台背景で、記憶喪失の主人公ハクオロが仲間たちと共に乱世を駆ける!
ヒロイン含め登場人物の獣っぽい耳や尻尾が大変可愛らしく、萌えどころです。
…アダルトゲーム原作ですが過度なエロ要素は控えめ、戦国シミュレーション風な作風です。
00年代屈指の名作アニメの一角だと思っております。
※2015年秋、続編「うたわれるの 偽りの仮面」放送開始されました。
本作は「偽りの仮面」より十数年前です。
{netabare}『物語』
記憶喪失の青年が目覚めると、目の前に獣耳尻尾の美少女エルルゥがいた。
名前すら思い出せない青年はエルルゥの祖母の村長から「ハクオロ」と名付けられた。
自分はいったい何者なのか…?
葛藤しつつ、ハクオロはエルルゥや妹のアルルゥたちと次第に家族のように親しくなっていく。
しかしこの世界は危険や戦乱の渦中、ハクオロは大切な家族や仲間を守る為戦い、乱世で頭角を現していく…。
「うたわれるもの」それは伝説となった男ハクオロの物語…
アイヌ文化をモチーフにした世界観が魅力的です。
村での生活や風俗、人名、宗教、価値観など、随所にアイヌっぽさが溢れており、これにケモミミしっぽと合わさり、独特の世界観を構築しています。
序盤、森の荒ぶる主(巨大オオカミっぽい魔物)の襲来、ハクオロが策を駆使して退治するくだりは、ジブリっぽいファンタジー全開で熱いです。
メインヒロイン・エルルゥちゃん(超かわいい!)にイヤらしく迫る強国の君主のドラ息子ムワンギの魔手から颯爽と守ったハクオロさん、カッコイイ。
自然ななりゆきで戦争に…
以降、戦国乱世の動乱に否応なく巻き込まれていく…
日本の戦国時代…よりも文明水準は前(銃火器無し、戦の規模や戦術も原始的)、平安時代の村落単位での地元武士同士の抗争っぽい感じ。
ハクオロさん(彼はさん付けしたくなる)が世話になっている村「トゥスクル」は弱小国だが、超有能なハクオロさんの内政や農業知識で力を蓄え、更に軍師としても優秀、次第に彼を慕う強者も集い、立ち塞がる強国を倒していく…!
戦国戦記として面白いです。
…ただし、ハクオロさんの戦術無双は割とベタなので、「銀河英雄伝説」や「コードギアス」等に比べると素朴で地味かも。
純粋に戦記として見ると、不朽の名作級!とまでは評価出来ないです。
とはいえ、名将ハクオロさんの元で英雄豪傑たちが大活躍して強国打ち破っていく爽快感は十分。
その過程での仲間たちとの絆やドラマもしっかりと描かれており見所あります。
ヒロイン達がそれぞれハクオロさんに惹かれていくハーレム展開…だがハクオロさんの器が大きい為か、軽薄な感じは皆無です。
幼き君主クーヤとの交流と結末など、かなり悲劇的な展開も含めて心打たれました。
終わりの見えない戦乱の中、次第に明かされていく、世界の秘密。
後半以降、終盤は超展開。
{netabare}ファンタジーかと思いきや実はSFでした。ナウシカみたいに人類文明滅亡から遥か時が流れた遠未来だった。エルルゥ達は滅んだ旧人類が作り出した人造種族、荒廃した環境に適応する為、身体能力など強化されていた。ハクオロさんは旧時代の科学知識あり、内政でも無双出来た理由である。{/netabare}
ハクオロの意外な正体、忌まわしき過ちの過去との対峙…
神話のような戦いの果て……彼は、うたわれるものとなる。
終盤の超展開は賛否分かれる模様ですが、それ含めての世界観が素晴らしいです。
アニメ内では全ての謎が明かされたとは言えないのですが、それでも世界観は存分に伝わるのでは。
総じて
「ケモミミしっぽアイヌ娘」萌え~♪
「ややベタだが戦国シミュレーションとして燃える」
「キャラクタードラマ抜群」
「終盤超展開!この世界の意外な真相とは!?」
原作ゲームから省かれた箇所はありますが、総じて完成度の高い名作なのでは。
4.5点でも良かったのですが、戦記としては意外と凡庸なので。
しかし実質キャラ評価(5点満点)に等しい位、面白かったです。
…続編の2015秋アニメ「うたわれるもの 偽りの仮面」も大いに注目です!
『作画』
アイヌ文化とケモミミ美少女融合させた作画は色褪せていない。
むしろセル画の作画として近年よりも良い位。
OP映像からも、クオリティーの高さが分かります。
細かく見ると粗はありますが、評価を下げる程では無い。
…エルルゥアルルゥはじめ女性陣めっちゃかわいい♪
『声優』
ハクオロさんは小山力也さんを代表するキャラクターなのでは。
「うたわれるものらじお」も含め、ハクオロさんといえば小山力也さん!
小山力也さんあってのハクオロさん!完璧なベストキャストですよ!
多くの名キャラ演じておられますが(衛宮切嗣とか)小山さんで一人挙げよと言われれば真っ先にハクオロさんで決まりです。
エルルゥの柚木涼香さんの清純な美少女ヒロインたまりません。
アルルゥの沢城みゆきさんのロリ幼女は至高です。未だに沢城さんにアルルゥのイメージ連想してしまいます。
大原さやかさんのお姉様キャラ、釘宮理恵さんの元気っ娘、田中敦子さんの姉御肌などいずれも絶品。
三宅華也さんの代表キャラ・うっかり侍トウカもベストキャストです。
飯塚昭三さんの老武人、秋元羊介さんの狂気、そして池田秀一さんのカリスマ感も素晴らしい。
超豪華キャストです。
『音楽』
OP「夢想歌」は00年代のアニソンでも名曲の一つです。
とても美しく、情緒溢れ、聴く程に心打たれます。この曲だけでも名作の予感が…
BGMもかなり良いです。
『キャラ』
記憶喪失の仮面の主人公、ハクオロさんの魅力に尽きる。
己の存在に葛藤しつつも人格、知性に卓越した、まさに英雄の器。
エルルゥアルルゥに対してはまるで父親のような優しさと包容力。
他ヒロインたち、更には男性陣からも篤く慕われていく…
割とハーレム展開ある本作だが…ハクオロさんなら慕われるのが納得です。
メインヒロイン・エルルゥの可愛さも外せない。
格闘ゲーム「サムライスピリッツ」のナコルルっぽいアイヌ娘+ケモミミ尻尾…更には心優しく奥ゆかしく清純…素晴らしいヒロインだ素晴らしい。
その妹のアルルゥの幼女萌え…当然アイヌ服とケモミミしっぽ、ハクオロさんに娘のように甘える可愛さ最高。
ヒロイン勢の魅力が高いです。
盲目病弱なユズハの、薄命故の葛藤や焦り、交流による救いのドラマ良し。
{netabare}原作だと、「偽りの仮面」のヒロイン・クオンちゃんは彼女とハクオロさんの娘っぽい。でもアニメでは身籠らずに逝去。{/netabare}
巫女のお姉さんウルトリィ、黒い羽っ娘カミュ、気風の良い怪力姉御カルラ、義に厚い凄腕少女剣士トウカ。
幼き君主クーヤは悲劇的ヒロインでした。
男性陣もヒケを取らないのが本作の魅力。
オボロ、ベナウィ、クロゥ、ドリィグラァ兄弟それぞれハクオロさんを慕う武将たちも大活躍。
テオロのおやっさんなど、退場しつつも見せ場しっかりありました。
武人ゲンジマル、得体の知れぬ青年ディーとの友情も熱かった。
小物ムワンギや戦闘狂ニウェ、悲劇の武将オリカカンら敵将も個性派揃いです。{/netabare}