タマランチ会長 さんの感想・評価
3.2
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 2.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
思春期の女の子の矮小な世界
TVで放映されたので観ました。米林監督の前作アリエッティがひどいものでしたので、期待せずに視聴。しかし、前作をはるかにしのぐ出来栄えでした。とにかく画面がきれい。レイアウトもよい。見入ってしまいました。
ただ、話の方は全然共感できませんでした。くだらないことにこだわり、矮小な世界に閉じこもってしまった思春期の女の子が、そのくだらないこだわりから解放されるって話ですから。「そうだよ?くだらないんだよそんなこと。」で終わりですよ。
この作品で、私が入り込めなかった大きな要因は、ストーリーを進めるために都合よく行われるご都合主義的演出ですね。まず主人公転び過ぎ。よくつまづくし、気を失うし。あと、絵描きの久子さん?魔女宅のウルスラに匹敵する、不自然極まりないご都合主義的キャラ。こういう人がべらべらネタばらしをするのを見ると興ざめしてしまいます。おばあちゃんがマーニーの元となっていたってオチは、命のつながりというか、そういう感動があったんだけど、それだけに久子さんのおしゃべりは残念。悪気はないんでしょうけどね~。(笑)
マーニーの妄想は、幼少期の祖母との思い出がもとになっているということでした。私は主人公が空家の別荘で事前に祖母の日記を読んでいたんだと思いましたが、そういう描写はなかったです。そういう描写を少しでもはさんでくれればすべてつじつまがあったと思うのですが。
総合的に判断して、よい作品だったとは思うけど、私にはイマイチでしたね。思春期の女の子の矮小な世界に共感できる人じゃないと、この作品は楽しめないかも。