Ka-ZZ（★） さんの感想・評価

4.4
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

そっか、これが見たかったんだ･･･

この作品は、私の中で今期1,2を争うくらい視聴を楽しみにしていた作品です。
「key」と「P.A.WORKS」のコラボ･･･「Angel Beats!」の再来･･･
色んな前評判がありました。その評価も賛否両論ありましたが、それだけ話題性のある作品だった･･･という事だと思います。

この作品の主な登場人物は以下の通りです。
主人公の妹である歩未以外は全員高校生です。
乙坂 有宇（CV：内山昂輝さん）：この作品の主人公です。
友利 奈緒（CV：佐倉綾音さん）：星ノ海学園の生徒会長です。
高城 丈士朗（CV：水島大宙さん）：星ノ海学園の生徒会員です。
西森 柚咲（CV：内田真礼さん）：ロックバンド「How-Low-Hello」のボーカルです。
乙坂 歩未（CV：麻倉ももさん）：主人公の妹で中学1年生です。

期待値MAXで視聴に臨んだ第1話･･･まず目に飛び込んでくるのが思わず見とれてしまうくらい綺麗で緻密な作画･･･アニメーション制作がP.A.WORKSさんなので、良さが折り紙つきなのは理解していますが、今回の作画も半端ありません。
その綺麗な作画を背景に主人公が登場するのですが･･･想定外の言動に唖然としてしまいました^^;
別に「Angel Beats!」の音無 結弦と比較するつもりはありませんでしたけれど･･･
けれど、あまりのゲスさに面食らってしまった･･･というのが正直なところでしょうか^^;

この主人公本当に大丈夫なんだろうか、と思ったのも束の間･･･
あっという間に暴かれてしまいましたが、これは結果オーライだったと思います^^
「過ぎたるは及ばざるが如し」のことわざがありますが、正に主人公そのものを言い表す言葉だと思いました。
振り返って見ると、1話は「これからへの布石」という位置付けだったようです^^

気を取り直して再び期待値MAXで視聴に臨んだ2話･･･この作品でもオープニングで心を鷲掴みされちゃいました(//∇//)
どこまでも深く吸い込まれそうな友利の瞳･･･
駅のホームで佇む友利のうつむいた瞳･･･
歩未の純真無垢な瞳･･･
たった1分30秒の枠の中で様々なキャラの表情を見る事ができるのですが、今回のP.A.WORKSさんの作品も登場人物の瞳にやられました･･･
結局毎回オープニングを見る度に瞳ばっかり目で追いかけるようになってしまいました^^;
何度もオープニングを見ているうちに思ったのですが、友利は本編よりオープニングの方が表情豊かだったのではないでしょうか?
というより、本編で見た記憶の無い表情がオープニングで描かれていたように感じたのですが気のせいですかね^^;?

あっという間に過ぎ去る思春期に神さまがくれた宝物･･･その宝物に気付くか否か、またその宝物をどの様に使うかは本人次第･･･ただしそれが個人の範疇で収まる宝物であれば･･･ですけれど。

最初はやんわりしていました･･･宝物を手にすると有宇2号、3号の様なゲスさが顔を覗かせるのは、人間の心が弱いから･･･その心の弱さは個人差はあるけれど皆んなが持っているモノです。
本来あるべき自分を見つめ直す･･･進む道が間違っていたのなら、戻って正しい道を進めば良い･･･
生徒会の活動はその一助になっていたと思います。

こうして物語が進んでいくのですが、これはkey作品で原作は泣きゲーのパイオニアとして有名な麻枝 准さんが手掛けているんです･･･そんな順風満帆に物語が進むわけがない、と思っていましたが、その辺りも周到に準備されていましたね^^
「Angel Beats!」は終盤に向け物語が一気に盛り上がり、ラストで涙腺が崩壊する構成になっていました。
この作品も物語の大きな流れは同じ様な感じですが、泣き所は物語の中に散りばめられていたと思うのは私だけでしょうか^^;?
私は序盤の「想いを伝えられるのはこれが最後･･･」という場面で、既に涙で前が見えなくなっていました。
なので、中盤に起きた出来事ではもうティッシュじゃ全然足りず、タオルケットを抱えて号泣でした(//∇//)
「うぅ、この展開は苦しいよ･･･切ないよ･･･」と思って視聴を続けたところ「ひでん」で再び涙腺が崩壊です^^;

物語の序盤からは想像もできない出来事の数々･･･これまで内容を深掘りが主でしたが、終盤にさしかかるにつれ、物語が規模的広がりを見せ始めます･･･
その広がりの中で、登場人物達は何を考え何を行動に移すのか･･･気になる方は是非本編をご覧下さい。
そこには絶望･･･希望･･･決断･･･約束･･･別れ･･･奇跡といった様々な要素が絡み合いながら･･･たった一つ握り締めたお守りが鍵となり物語が動いていきます。
ここからはもう決して画面から目が離せません･･･物語の展開は怒濤の勢いです。

そして最終話･･･エンディグテーマ「君の文字」をバックに心に染み入るシーンを経て最後に見れたのは友利の満面の笑み･･･
「そっか、これが見たかったんだ･･･」と心から思えるほど最高の笑顔だったと思います。

オープニングテーマは、Liaさんの「Bravely You」
エンディングテーマは、
多田葵さんの「灼け落ちない翼」
西森柚咲（内田真礼さん）の「楽園まで」
熊木杏里さんの「君の文字」
Liaさんと多田さん･･･抜群の安定感ですね^^
内田さんと熊木さんが主題歌を担当されるとは知らなかったのでちょっとビックリ･･･^^;
特に「楽園まで」を最初に聞いたときは、本編の内容が内容だっただけに感慨もひとしおでした^^

1クール13話の作品でした。「Angel Beats!」の時も同じ事を思いましたが、もう少し尺を伸ばして放送して欲しかったのが本音です。
別にストーリーが分かり辛いから説明が欲しいとか、構成が早送りし過ぎ･･･などとは思っていません。
純粋にこの作品が終わるのが寂しく、もう少し触れていたいと思ったからです。
でも、渾身の一作だったのではないでしょうか･･･私はしっかり堪能させて貰いました。
今期のBEST10上位は間違いありませんが、お気に入りの棚に入れる際どの作品を外すかで悩みそうです^^;