田中タイキック さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
タイトルに偽りありと思わなくもないけど
英雄譚だったのか?あとキャバルリィってなんだ?テイルズシリーズの技か?
2015年10月~ TOKYO MXほかにて放送
全12話 原作未読
15年になってから続編以外のこういうラノベアニメは味噌も糞も十把一絡げにスルーしようかなって思ってたんですが
1話の展開がアスタリスクと似すぎ、最近のテンプレラノベアニメわろたwみたいな話を聞いたんですよ。
実際に私も見て似てんなぁとは思ったんですが、この2作品だけを見てそう思うのもフェアじゃねえなと思って
今年放送されたファンタジーラノベアニメ全部見たんですよ。8作品くらい1話だけ。
それで本作の1話が一番面白かったので継続視聴しました。前置きおわり。
1話からから面白いとは言ったけど他の類似作品と比べて圧倒的に差があるというわけでもなくて
主人公のメインヒロインに対するファーストタッチが面白かったなぁぐらいなんですけど
世界観説明を極力排除してヒロインとの出会いから衝突、互いに認め合う過程を圧縮しつつも
きっちり描くことで単なるハーレム構造では無いですよって部分をしっかり示していて良かった。
加えて主人公、黒鉄一輝の能力がまたよくある最弱詐欺かよ・・・って思ってたんですが
ロック・リー的な足りない要素を己の身体能力で補うだけっていう一点突破主義、
ステータス極振りな部分も非常に私好みで良かったです。
作品コンセプトは異能バトルでスポーツもの。
己の魂を武器に変えて戦う現代の魔法使いを伐刀者(ブレイザー)と呼び
伐刀者を養成する学校に通う者を学生騎士と呼ぶ世界。
学生騎士たちは伐刀者のNo.1を決める全国大会『七星剣武祭』に出場するため
学内選抜戦を勝ち抜いていくストーリー。
スポーツ性を強調するためか作品世界全体の説明不足感は気になる人はいるかも
なんで伐刀者育成してんの?とか、騎士になって何するの?とか、一般人どうしてるの?とか
主人公を妨害してくる悪者とかもいるんだけど何でちょっかい出してくるの?とか、イマイチ納得し難い部分はあります。
そこは作ってる方も割り切ってる節があって、そんなことより主人公とヒロインの関係性や
主人公の少年マンガ的成長の部分に注力して描いていたのは好印象。
とどのつまり100ある原作の内どこを切ってどこを集中して描くのか取捨選択が上手いアニメ化でした。
作画に関しても全部が良かったわけじゃないけど、あまり枚数を割かなくてもメリハリを効かせて
カメラワークとエフェクトを効果的に使って魅せていたのが印象的。
気になった点はOP映像のような白黒で目や髪だけ色が付いてるっていう演出が度々使われてましたけど、
あれ多用するとなんかクドいっていうか見づらい。
極端なことを言えば最終回のあのシーンの1回きりの使用だったら演出としてもっと劇的だったのかなと思いました。
あと少年マンガ的な成長物語は良かったんですけど、あまりにも少年マンガ的な文脈が見え隠れしすぎてて
この状況、このセリフ回し、この能力の表現、どこかで見たことあるぞ!?
みたいなシーンが散見されてて変な苦笑いが出てしまいました。
【総評】
ラストにかけて落として落として落とし尽くして、そこから這い上がる逆転のカタルシス。
登場人物はどいつもこいつも戦闘狂過ぎてジャック・ハンマーかよと思ったが
互いを認め合い、利害を一切無視した好敵手との全力のぶつかり合いは
文字通り血が沸騰するほどの熱さを体感することが出来て良かったです。
あとヒロインのステラとの恥ずかしすぎる恋愛描写やエロイベント等のコメディパートも
ストーリーの緩和剤として上手く機能してました。
というかステラがすごい好きなタイプのキャラです。
原作はあのドスケベボディに一刀修羅するんだろうか・・・?