おむえむ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
二人の絆の至る先
この喰霊-零-はFate/Zeroやアルドノア・ゼロと同様にあおきえいが監督を務めた作品だ。そう、きっと同じことを誰もが考えること思う。ゼロばっかじゃないかと。
そんなゼロシリーズの始まりに位置する喰霊-零-は後の二作を思わせるような愛するがゆえの悲劇を描いている。特徴的な構成やストーリーには賛否両論あるものの、黄泉と神楽の姉妹愛が行き着く先には涙を禁じ得ない。
{netabare}個人的に秀逸な出来だと思うのは第9話の罪螺旋-つみのらせん-。今までの不穏な空気が一気に結実して最悪の形となって襲いかかってくる演出は一種のカタルシスさえ味わえる。妖精帝國の霊喰いをバックに黄泉と冥が殺しあう場面は黄泉の平穏な時間の終わりを告げるクライマックスに相応しい盛り上がりようだ。
そこから先は坂道を転がり落ちるかのように悲劇へと向かって突き進んでいき、黄泉と神楽が対峙する最終話へと至る。
ED曲夢の足音が聞こえるで一人歩き続ける黄泉の後ろ姿は何度見ても切ない。
{/netabare}
日本刀を振るう黒髪の美少女というビジュアルはもちろん、キャラクターの感情が複雑に絡まり合う様子はいつ観ても色あせない輝きを放っている。
多少以上にクセのある作品ではあるが、黄泉と神楽の互いへの想いが胸を打つ名作。