退会済のユーザー さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
近未来を描いた大作
宇宙開発に伴なってスペース・デブリ(宇宙のゴミ)が問題となった近未来のお話。
人と人の繋がり、国家間の経済格差から生じる主義・主張の違いが丁寧に描かれている。
テーマに沿って個々の内面を掘り下げていく手腕が見事な作品。
最終話で交わされる感動の{netabare}しりとり{/netabare}も見物。
ジャンルとしてはSFに分類されるが、極めて現実的な範囲に留まっているのが特徴。
空想科学と言うより未来に予測される人類の発展とそれに伴うであろう問題を描いた作品であり
SFと聞いてパッと思い浮かべるような話を想像すると素直に楽しめないかもしれない。
一言で表すなら未来の問題を描いた社会派ヒューマンドラマだろうか。
…全然一言じゃないけれど。
作画は全般的に細かく描かれている。ただ、キャラクターにかわいさが無縁である。
昨今のキャラがかわいいだけで中身の無いアニメより断然素晴らしいと思うが
もうちょっと視聴者に媚びても良かったかもしれない。
{netabare}
本作のヒロイン、田名部 愛の大物ぶりが凄かった。
日頃から愛がどうだと口先ばかりかと思いきやそれが本物だと証明してみせた。
テロリストとして活動し、その死を受け入れていたクレアと共に月面に放り出されるが
銃撃を受け歩けない彼女を見捨てれば助かる場面で葛藤し、それでも愛を貫いた。
彼女の言う愛が、一般的なそれと異なり広義の博愛に類するものと気付いたのもその時である。
そうすると彼女が簡単に愛と口にする場面もストンと腑に落ちた。
人類がみな彼女のようであれば世界は平和だろうとも。愛は世界を救う。
{/netabare}