もけもけぽー さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
終盤にかけての盛り上がりが面白かった
近未来?の日本のマンモス企業グループ内で、ロケット開発に情熱を注ぐ若者たちの物語。
舞台となる霧科コーポレーションは鉛筆からロケットまで~ではないけれど、あらゆる分野で利益を貪っている超がつく大企業。
主人公たちはそんな大企業の一部署「A-TEC」でロケット開発に従事している会社員でもあり学生でもある。学生でもあるというのは「A-TEC」という部署は少々特殊で、未来の優秀なエンジニアを育成するという意味もあって、働きながら学んでいるという立ち位置である・・・と記憶している。
さてこの「A-TEC」という部署は熱意と技術をいっちょまえながら、途方も無い金食い虫でもあり、社内の評判は必ずしも芳しいものばかりというわけでもない。さしたる利益をもたらすわけでもなく、未来への投資という名の杜撰な経理もあってドバドバと百億単位??の金を使っておりました。
当然の結果というべきか、経営陣から最後通達のような形で事実上の部署解体の危機に瀕します。
このアニメでは、経営陣から送り込まれた解体側の部長と、部署を守るべく奔走する担任教師の対決構造から物語が始まります。
熱意と技術は一人前どころか十人前ながら、いささか企業人としては常識にかける担任教師の落ち度を、部長がこれでもかと辛辣に攻撃していく序盤。
企業人としては超一流ながら、人情という部分でどこか欠落している部長に、担任教師として人の道を説きながら、部長の心をゆっくりと柔らかくしていく中盤。(部長も「A-TEC」に配属されているので、担任の上司でありながら一生徒という複雑な立場です)
大企業「霧科コーポレーション」のお家騒動や政党との癒着に端を発するゴタゴタに巻き込まれながらも、皆で協力しながら「A-TEC」存続を賭けて戦う終盤。
と見ていて解りやすい展開だったのが良かったです。
巨大企業の内ゲバ、与野党含めた政党との癒着、部署の解体・・・と生臭い素材を扱いながらも説教くさい小難しい話にせず、メインの登場人物たちがあまりに爽やかすぎて消臭効果も高かったせいもあり、娯楽作品として素直に燃えることができました。
以下簡潔に不満点を。
・恋愛要素っぽい描写がひどく退屈。
・生徒たち一人一人に得意分野や性格の設定はあるものの、描写がモブ扱い同然だったため存在感が希薄。
・・・そんなに大きな不満点は無かったと思います。
しいて言えば恋愛描写は、個人的には「この先どうなるんだ!?」という緊迫感に水を刺してた気が。作品を台無しにするほど目障りというわけではありませんが、僕の好みの展開では無かったですね。