kuroko85 さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
仏文学と日本アニメの融合昇華作品(素晴らしい)
かのフランスの文豪アレクサンデル・デュマ
(父のペールの方です)の 代表作の一つである
(他にも「三銃士」や「王妃マルゴ」)
「モンテ・クリスト伯(=日本名
【巌窟王】)」を題材にしたアニメですね。
素晴らしいです。フランス古典文学と現在日本アニメーターの競演を
心ゆくまで堪能させて貰いました。
最近、つくづく思うのが外国のものに対する当時の翻訳です。
モンテ・クリスト伯=巌窟王です。
映画や洋楽のタイトルになるともっとすごいものが出てきます。
ここで、このアニメの製作陣は巌窟王という言葉さえ、
この作品のスパイスとして上手に使っています。
(もちろん原作の「モンテ・クリスト伯」には巌窟王なんて
名前は存在していません)
さて、これほどの有名古典文学に対して今更ネタばれもないでしょうが、
ネタばれにならないようにこの作品の魅力を紹介します。
時は戦時中、場所は幻想宇宙(私の造語です)の花の都パリ、
そこに一人の男がやってきます。
男はパリに来る前にある一人の若者の危機を救っています。
若者の父親は軍隊の最高指揮官であり、
そして大統領候補の最右翼。
若者の許嫁の父は銀行王、更には最高裁判所長、
彼らを巻き込んだ豪華絢爛な人間模様とその
あさましい暗部が、実に丹念に描かれています。
古典文学を題材に扱いながらも独自の世界観を構築している
日本の現代アニメーターも流石です。
(東方宇宙や帝国等の設定)
やりすぎと思われるほどの美術演出。
(登場人物の神や服に使われているスクリーン、建物、
調度品、宇宙船等、全てにおいて凝り過ぎ)
2クール、全24話お勧めできる作品です。