ムッツリーニ さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
世の中何が起こるか解らない
久しぶりに物凄いアニメを見たと思いました。
本作はヒーローという題材での孤独をテーマにしている、字面だけで見ると暗そうな雰囲気の作品ですが、主人公のサイタマの存在や、短絡的なモブヒーロー達、そして手の平がドリル並にクルクル回る市民達のおかげでかなりギャグ寄りな作品に仕上がっています。
物語の筋立ては良くも悪くもアメコミ的というか、中身があるようでまったく無いので、間違ってもヒーロー的な哲学とか重厚な物語とかそういうのには期待しない方がいいです。そういうのが見たい人はZETMANとか読んだ方が良いと思います。
作画に関しては流石あのAKIRAを描いたスタッフですね。感涙モノです。
爆発で吹き飛ぶ地面、融解しながら崩壊していく鉄塔、超スピード戦闘の最中に止まって見える雨粒、パンチの衝撃で雲ごと吹き飛ばされる雨、パンチの衝撃に引かれて舞い上がる砂塵、等々。ケレン味たっぷりのド派手なエフェクト作画が痺れるほどカッコいい。
戦闘シーンでのキャラの動きも非情に細かく、特に最終回は原画マンが動画を描いているんじゃないかと錯覚するほど。
OPは熱血アニメ御用達のハードロックグループJAMproject。EDはガンダムF91の主題歌等で有名な森口博子さんと相当な大御所を起用。どちらも良い曲なんですが、森口さんの歌声が透き通り過ぎてて作風に合わないなぁと少し思ったり。
ここぞという時に流れる劇中曲も臨場感と高揚感をよく盛り上げていましたし言う事無しです。
こんなにクォリティの高いアニメが、よくもまぁあんなヘッタクソな落書きから生まれた物だと感心してしまいます。ほんとに世の中何が起こるかわかりませんね。