OZ さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
まさにリピートしたくなるデトックス日常系アニメ
2013秋アニメで放送された
前作『のんのんびより』が楽しめたので
観てみる事にした2015夏アニメ
■まさにリピートしたくなるデトックス日常系アニメ■
1期と同じく田舎を舞台にした
タイトル通りのんびりした日常系の第2期作品。
これと言って特別な出来事や問題が
起きる訳ではないのだけれど
ただ観ているだけで
穏やかな気分になれるのが特徴だろう。
前作はシナリオ主体の展開が多かったが
今作はキャラクターメインの話が増え
一つ一つのエピソードが印象に残り易い構成である。
次に本作の評価を上げるきっかけとなったのは
アニソンでもお馴染みなZAQさんが
作詞 作曲を手掛けたED「おかえり」だ。
どこか懐かしさを感じさせるスローバラード調で
中でもサビに使われた「ここは世界一優しい おかえりが待ってる場所」
上記のフレーズがまさに本作の空気にピッタリなのである。
1期ED曲「のんのん日和」もZAQさんの作詞 作曲であったが
今回聴いてみて「こういった楽曲も作れるのか!?」と
アーティストとして前作よりも
レベルアップしているのがハッキリと見て取れた。
心地良い歌詞やメロディによって
作品と上手くシンクロし
聴覚までもリピートされる事となったのだ。
2015夏アニメのEDでは文句無く
お気に入りとなったのは言うまでもないだろう。
ちなみにデトックスとは
体内に溜まった毒物を排出させる事を指し
田舎暮らしならではの人と人との温かい繋がりが
日々の日常生活にて蓄積されたストレス等を
まるでデトックスさせてくれる様な
のんびりとした時間を提供してくれる
優しさの溢れた作品なのである。
■これぞのんのんびよりなエピソード■
さて 今作を振り返って
お気に入りのエピソードを挙げるならば
れんげと駄菓子屋の関係性を深く描いた
第10話「すごく練習した」を
ベストエピソードとして挙げたいところだが
より強く印象に残ったのは
第4話「てるてるぼうずを作った」であった。
教室で飼育していたカブトエビのひらたいらさんが
寿命により息絶えてしまい
それを見たれんげが生き物の死を目の当たりにし
落ち込んでしまうという話である。
決して人前では涙を見せないれんげも
泣いた自分自身を絵日記の中に描いたりと
幼心故のやるせなさが観ていて心に染みたものだ。
しかし 物悲しいままで終わらないのが
本作ならではの魅力と言えるだろう。
機転を利かした夏海が残っていた水槽の土に
もしかしたら卵を産んでいるかもしれないと
水槽に土を戻して
後日 孵化させる事に成功するのである。
カブトエビの残した新しい命に触れたれんげは喜び
「ひらたいらさんがうまれました」と
泣いていた絵日記の自身からは涙が消え
表情をあまり表に出さないれんげの心情を
イラストで具現化させる見事な演出だった。
何より本作に惹きつけられる点は
夏海が利かせた機転の様な
自然に振舞う事の出来る思いやりが
押し付けがましくない程度に表現されており
言わば"人と人との繋がり"の描写が秀逸なのである。
第4話に限って言えば一連の流れから
れんげの純粋な姿にもグッとさせられるのだが
むしろ夏海の思いやりに心を打たれるのだ。
何も起きない平穏な日常だからこそ
改めて命の大切さを知る事が出来る
演出を含め素晴らしいエピソードであった。
1期から通して心温まるエピソードが
数多くある本シリーズの中で
もっともお気に入りの話が
今作の第4話となった訳である。
■あとがき■
前作同様に癒されながら楽しめる
終始 安定した心地良い全12話でした。
1期の感想でも書きましたが
やはりれんげと駄菓子屋
この二人が絡むと自然に頬が緩んでしまいますね。
また 最終回の締め方が非常に上手く
"間"の使い方や"空白"の入れ具合が
しんみりさせ過ぎないのだから
まさに最終回に相応しい綺麗なエンディングでした。
前作の最終回を迎えた時の様な
名残惜しさは感じなかったのだけれど
1期2期共通して観終った後に
優しい気持ちになれるのが
本シリーズの特筆すべき点なのかもしれないですね。
都会から転校してきた蛍はともかくとして
夏海や小鞠そしてれんげ
彼女達が都会へ足を運ぶエピソードなんかは
いつの日か目にしてみたいものです。
特にれんげは都会にそびえ立つビル群を見て
どういった反応をするのだろうか?
そんな想像をしては期待が膨らむばかりですね。
原作のストックがどれくらい残っているのかは分からないけれど
もしも三度彼女達と会えるのならば
れんげ口調で「おかえりなのん」と言ってしまいそうです(笑)
そう ここは世界一優しい おかえりが待ってる場所なのだから。
満足度 ★★★★★★★☆☆☆ (7)